【高校政治経済】核兵器開発と軍縮についてまとめています。
目次
核軍備拡張の競争
1949年にソ連も原爆実験を行い、冷戦下の米ソ両国は、大量破壊兵器としての核開発・軍拡・核戦略を推し進めた。
核開発
水爆・戦略爆撃機・大陸間弾道ミサイル(ICBM)などを展開。サイロと呼ばれる地下核輸送網も発達。冷戦中期以降、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)やMIRV(多弾頭核ミサイル)なども開発され、地球上のどこへでも確実に核攻撃が可能になった。
核戦略
アメリカの採用した大量報復戦略や 事態のレベルに応じた柔軟反応戦略など。また同盟諸国への核兵器による保護は核の傘と呼ばれる。
核軍備の広がり
核抑止体制のもとで、 核兵器拡散の動きが進んだ。
- インドとパキスタン…インドは1974年・1998年に核実験を実施。パキスタンは2回目のインドの核実験に対抗して1998年に核実験を実施。
- イスラエル…核兵器を保有しているとの疑惑がある。
- 北朝鮮…2003年、部分的核実験禁止条約からの脱退を表明。
第二次世界大戦後の軍縮の歩み
国際連合を中心とした軍縮活動
国際連合は、成立当初から、原子力委員会の設立、軍縮大憲章の採択、軍縮委員会の開催などを通じて、軍備縮小や核兵器の禁止についての決議や勧告を行ってきた。
- 軍縮に関する会議…1952年、軍縮委員会成立→ 1962年、18か国軍縮委員会成立→軍縮委員会会議に改称→ジュネーブ軍縮委員会→ジュネーブ軍縮会議。
- 国連軍縮特別総会…非同盟諸国首脳会議の要請で、1978年に初めて開かれその後も開催されている。世界平和を訴え、非政府組織(NGO)も参加。
主要国による軍縮の歩み
- 部分的実験停止条約(PTBT)…1963年にアメリカ・イギリス・ソ連が調印。地下核実験が除かれているので部分的となる。
- 核兵器拡散防止条約(NPT)…1968年に核保有国と非核国の62か国が調印。核保有国の増加を防ぎ、核保有国が非保有国へ核兵器をもちこむことを禁止したもの。アメリカ・イギリス・ソ連・フランス・中国が条約で認められる核保有国となった。
米ソ間の軍縮交渉
1969年、戦略兵器制限交渉(SALTⅠ SALTⅡ) が始まる。1987年には中距離核戦力 (INE)全廃条約が成立。さらに1990年代に戦略兵器削減条約(STARTⅠ STARTⅡ)に調印。1996年に包括的核実験禁止条約(CTBT)が採択されたが、未発効である。
- 新START条約…2010年、アメリカ・ロシア間で調印。
民間の核兵器廃絶運動
日本で毎年、原水爆禁止世界大会が開かれるほか、これまでにパグウォッシュ会議やストックホルム・アピールなどが行われた。
通常兵器の軍縮
1997年、対人地雷全面禁止条約(オタワ条約) が締結。すべての地雷の使用、生産、備蓄、移譲を禁止し、保有地雷の廃棄を義務付けた。また、クラスター爆弾の使用・開発・製造を禁止したクラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)が2008年に成立。
非核地帯条約
域内諸国の核実験・保有・製造を禁止するだけでなく、核保有国の核実験・配備・使用も禁止する条約。中南米のトラテロルコ条約(1967年)、南太平洋のラロトンガ条約(1985年)、東南アジアのバンコク条約(1995年)、アフリカのベリンダバ条約(1996年)、中央アジア非核兵器地帯条約(2006年)の5つがある。
国際政治 復習
- 【高校政治経済】冷戦と緊張緩和
- 【高校政治経済】国際連合の歴史
- 【高校政治経済】国際連盟の成立と崩壊の歴史
- 【高校政治経済】国際法
- 【高校政治経済】冷戦の終結の政治
- 【高校政治経済】国際紛争と難民問題
以上が、【高校政治経済】核兵器開発と軍縮となります。