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【高校古文】風姿花伝のテスト対策問題

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【高校古文】風姿花伝のテスト対策問題です。「風姿花伝」は、能の大成者・世阿弥が書いた芸道論で、高校古文のテストでも頻出する重要な作品です。本記事では、テストでよく出る内容や重要語句、読解のポイントを詳しく解説し、実践的な対策問題を紹介します。世阿弥の芸術観を理解しながら、得点アップを目指しましょう!

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風姿花伝のテスト対策問題

次の文章は、「風姿花伝」の一節である。注を参考にしてこれを読み、問い⑴~⑹に答えよ。

①いかなるaをかしき為手(して)なりとも、よき所ありと見ば、上手もこれを学ぶベし。これ、第一の手立(てだて)なり。もし、よき所を見たりとも、「b我より下手をば似すまじき」と思ふ②情(じょう)識(しき)あらば、その心に③繫縛(けばく)せられて、我が悪(わろ)き所をも、④いかさま知るまじきなり。これcすなはち、極めぬ心なるべし。また、d下手も上手の悪き所もし見えば、「上手だにも悪き所あり。⑤いはんや初心の我なれば、さこそ悪き所多かるらめ」と思ひて、これを恐れて、人にも尋ね、工夫をいたさば、いよいよ稽古(けいこ)になりて、能は早く上がるべし。もし、さはなくて、「我は⑥あれ体(てい)に悪き所をばすまじきものを」と慢心あらば、我がよき所をも、真実知らぬ為手なるべし。( A )を知らねば、( B )をも良しと思ふなり。さるほどに、年は行けども、能は上がらぬなり。これすなはち、下手の心なり。


① いかなるをかしき為手なりとも=どんなに下手な能の演者であっても。
② 情識=頑固な心。
③ 繫縛せられて=束縛されて。
④ いかさま知るまじきなり=きっと知ることができないだろう。
⑤ いはんや初心の我なれば=まして初心者の私なのだから。
⑥ あれ体に=あんなふうに。

⑴ 本文中のa「をかしき」とc「すなはち」は歴史的仮名遣いで書かれている。現代仮名遣いに直して、すべて平仮名で書け。

⑵ 本文中のb「我より下手をば似すまじき」の解釈として最も適当なものを、次の(ア)~(エ)から一つ選べ。
(ア) 自分より下手な演者の手本にはなりたくない。
(イ) 自分より下手な演者を手本にする人はいないのか。
(ウ) 自分より下手な演者の手本にもなれないのか。
(エ) 自分より下手な演者を手本にするつもりはない。

⑶ 本文中のd「下手も上手の悪き所もし見えば」を音読するとき、意味がよくわかるように一か所ま間をおくとすれば、最も適当な場所はどこか、間をおいた直後の二字を抜き出して書け。

⑷ 本文中の ( A )・( B ) に入る言葉を、本文中からそれぞれ三字で抜き出して書け。

⑸ 本文によると、筆者はどのような人が能を極めることができると考えているか、最も適当なものを、次の(ア)~(エ)から一つ選べ。
(ア) 自分が未熟であることを自覚し、まず「下手」に教わった上で工夫をする人
(イ) 「下手」の欠点、「上手」の長所に学んだ上で、工夫を凝らし稽古を重ねる人
(ウ) 「上手」の欠点を批判できるようになりたいと思い、黙々 と稽古を重ねる人
(エ) 「下手」の長所、「上手」の欠点から謙虚に学び、人にも聞いて工夫をする人

⑹ 本文の特徴や内容を説明した文として最も適当なものを、次の(ア)~(オ)から一つ選べ。
(ア) 対になる表現で「上手」と「下手」を対照的に述べ、稽古の心得を説いている。
(イ) 漢文独特の読み方を生かして、「上手」と「下手」の演技の違いを描いている。
(ウ) 仮定の表現で「下手」が「上手」になる条件を考え、演技の違いを述べている。
(エ) 倒置法で主張を強調して、「上手」にも「下手」にも稽古の心得を説いている。
(オ) 現実味のある会話文を用いて、「上手」と「下手」の演技の違いを述べている。

風姿花伝のテスト対策問題の解答

(1)aおかしき cすなわち
(2)エ
(3)上手
(4)Aよき所 B悪き所
(5)エ
(6)ア

〈口語訳〉
どんなに下手な能の演者であっても、よい所があると思ったら、上手な者もこれを学ぶべきである。これは、(上達の)第一の方法である。もし、よい所を見ても、「自分より下手な演者を手本にするつもりはない」と思う頑固な心があれば、その心に束縛されて、自分が悪い所をも、きっと知ることができないだろう。これはつまり、道を極めない心であるに違いない。また、下手な者も上手な者の悪い所がもし見えたら、「上手な人にも悪い所がある。まして初心者の私なのだから、さぞかし悪い所が多いことだろう。」と思って、欠点の多いことを警戒して、人にも尋ね、工夫をすれば、ますます稽古になって、能は早く上達するであろう。もし、そうでなくて、「私はあんなふうに悪くはしないのになあ」と思いあがる気持ちがあると、自分がよい所をも、本当には知らない能の演者であるに違いない。よい所を知らなければ、悪い所をよいと思うのである。そうこうしているうちに、年数は過ぎても、能は上達しないのである。これはつまり下手な者の心である。

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