【高校倫理】ヘレニズムの思想

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【高校倫理】ヘレニズムの思想についてまとめています。ヘレニズム時代は、前334 ~前30年までの約300年間。アレクサンドロス大 子の東方遠征によりギリシア世界とオリエント世界が統一され、大王の後継者 たちがいくつかの王国を形成した。
確認【高校世界史】ヘレニズム時代とヘレニズム文化

コスモポリス

ヘレニズム時代、ポリス(都市国家)は崩壊し、人々は共同社会 のよりどころを失って広大な世界に個人として投げ出された。人々の間には、民族などの枠を超えたコスモポリス(世界国家)の一員としての世界市民(コスモポリテース)という意識が生まれ、個人が直接普遍的な世界と結びつくコスモポリタニズム(世界市民主義)という世界観が形成された。市民が直接政治に参加できなくなり、公共的な生活より個人的な生活を重視する傾向が強まった。

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ヘレニズム

ヘレニズムは、「ギリシア風」の意味である。この時代、ギリシア 文化がオリエントや地中海沿岸一帯に広がり、オリエント文化と融合した。ギリシア語が国際語となり、民族を超えて普遍性を持つ文化も形成された。思想的には、個人的・内面的な幸福や心の平安を求める個人主義的傾向が強くなった。この時代を代表するものが、エピクロス派とストア派の思想である。

エピクロス派の思想

サモス島出身のエピクロス(前341頃~前270頃)は、 アテネに「エピクロスの園」とよばれる学園を開き、身分性別を問わず学生を集め、質素な共同生活を営んだ。

アタラクシア

エピクロスは快楽こそ最高善であり、 人生の目的であるとする快楽主義を唱えた。エピクロスが説いた快楽とは、肉体や魂の苦痛や不安が取り除 かれ、心の平静・平安な状態を楽しむ精神的快楽である(感覚的・一時的な肉体の快楽は、心の平安を乱し、結果的に苦痛となるとした)。この心(魂)の平静・平 女な状態のことをアタラクシア(心の平静・魂の平安)という。

隠れて生きよ

アタラクシア(心の平静)を重んじる立場からは、政治や世俗の 利害にかかわることは心を乱す原因となるため、避けるべきである。この考え 万から、エピクロス派は「隠れて生きよ」を生活信条とした。

死への恐怖

死への恐怖は、心を乱し魂の平安を妨げる最大の原因となる。デモクリト子論を受け継いだエピクロスは、次のように説いた。「死とは、我々の肉体を構成する原子(アトム)の分解にすぎず、肉体が分解さわら ば魂も分解され、原子に分解されたものに苦痛は全くない。我々が存在している。死はまだ訪れておらず、死が現に訪れているとき、我々はもはや存在しない。 したがって、死は我々と全く無関係で、恐れる必要はない。」

ストア派の思想

ストア派とは、キプロス島出身のゼノン(前335頃~前263頃)を祖とし、のちローマに継承された。ローマ帝政期にはセネカ、エピクテトス、皇帝マルクス=アウレリウスらのすぐれた哲学者があらわれた。

自然との調和

ストア派は、「自然に従って生きよ」を信条とした。この「自然」は、理法(ロゴス)に貫かれている世界のことであり、人間も自然の一部として理法=理性(ロゴス)を自然と共有している。したがって、人間は自らの本性 である理性に従うことにより、自然と調和して生きることができる。

アパティア

欲情や怒り、恐怖などのパトス(情念)は心の平静を乱し、判断を誤らせる。ストア派は、理性によってパトスを抑制する禁欲主義を説い た。心がパトスに乱されず超然として生きるアパティア(不動心)の境地を理想として、それこそが幸福(最高善)であり、人生の目的であると考えた。

人間の平等

ストア派の考えでは、すべての人間は普遍的な理性を分け与えら れており、世界市民として平等であるとする世界市民主義が特に強調された。

まとめ

  • ヘレニズム時代…ポリスの崩壊→世界市民(コスモポリテース)
  • エピクロス派…快楽主義→アタラクシア(心の平静) 「隠れて生きよ」
  • ストア派…禁欲主義によるパトス(情念)の抑制 アパティア
  • 普遍的理性…人間の平等と世界市民主義(コスモポリタニズム)

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