【大学入試小論文】キャラを演じることについての解答例です。
【課題文の要約】
自己中心的な振る舞いが多いと見なされている現代の若者だが、相手ごと場面ごとで「空気を読む」という作業を行う。その中で自分がどんなキャラを立てるのかということが非常に重要な問題である。キャラは友達間で認知されているため相手との関係を考えずにすむ。しかし、キャラにしばられ、本体多面的な存在が一部分しか出すことが不可能だ。人間はより、多様な自分を素直に出すべきだ。ビジネスの会議や 交渉の場ならともかく、友だちや親友と呼ばれる相手とのつきあいでもキャラに縛られホ ンネを出せないなんて、ちょっと淋しくはないだろうか。
【問題】
キャラを演じることについて、あなたの考えを六〇〇字以内で述べ なさい
キャラを演じることについての解答例
キャラを演じるということは、気軽に人々との関係を構築することが可能だが、相手に一面しか見せられない。筆者は本文でも、キャラに縛られることなく本音を出すべきだと述べているが、私も、同じ意見だ。なぜならば、キャラに頼ってしまう事で、本来の自分が出せなくなるからだ。
例えば、私の友人で底なしの明るさを持っている友人がいる。その子は、いつも明るく、場を盛り上げてくれる。しかし、その子に対して私は、「悩みは一つも無さそうだよね。」と言ってしまったことがあった。その一言から、口論に発展してしまった経験がある。キャラというのをその人の全てだと勝手に決めつけてしまった事が原因である。
このように、相手の事を「キャラ」というもので縛りつけてしまうと、相手も素の自分を出す事ができない。また、決めつけた側もそれに安心してしまい、相手を傷つけてしまう事もある。
たしかに、一つの「キャラ」が成立することで、相手とのコミュニケーションは円滑に進むが、その位置に依存するのは良くないのである。したがって、まずは自分をさらけ出し本音で相手とぶつかることが重要だと考える。
以上の事から私は、キャラに縛られることなく本音を出すべきだと考える。
キャラを演じることについての講評(抜粋)
これくらい記述できると合格です。➊国語力(主語述語の関係、接続詞の使い方)、➋論理力(論理の飛躍がない、主張が一貫している)、➌反駁があり広い考察ができている。➍体験談を踏まえて、理由に対して説得力を持たせている など良い点です。
キャラを演じることについての添削(抜粋)
「こと」と「事」は意識して使い分けていますか?イメージで使ったり、漢字がいいのだろうと思いこみだったりして、特に意識していないのであれば、「こと」は平仮名で書くことをおすすめします。
今回の論文であれば
「こと」:ぶつかること 縛られること
「事」:頼ってしまう事、決めつけてしまった事、相手の事、自分を出す事、以上の事
➨何を基準に使い分けているのだろう。
・「事」は、他の漢字に置き換えてもその意味が通じる
➨事態や行為は、「事」でも可ということです!もっといえば、「事」を使うなら「事態」や「行為」に置き換えても意味が通る場合に使用します。
【「こと」と「事」の使用例】
〇頼ってしまう事(行為)
〇決めつけてしまった事(事態)
✕相手の事➨相手のこと
〇自分を出す事(行為)
✕以上の事➨以上のこと
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