【高校政治経済】発展途上国の経済です。
南北問題は、南半球に多い紛争や飢餓の国と北半球に多い先進工業国との経済格差です。
南北問題
第二次世界大戦後、アジア・アフリカなどで植民地支配から 独立する国々があいついだ。これらの国々は地球の南半球に多く、植民地時代に先進諸国の原料供給地や市場とされ、コーヒー・綿花・ゴム・サトウキビ・カカオなど、単一の商品作物を栽培するモノカルチャー経済を強いられた。
このため、政治的に独立しても、国内には食糧や日用品など。 国民の最低限の需要をまかなう産業が未発達であった。しかも、輸出農産物価格は低くおさえられ、先進工業国との経済格差が固定化した。このような、南にある発展途上国と北にある先進工業国との経済格差による諸問題を南北問題という。
植民地支配
植民地の解放とは、独立運動の結果、多くの植民地が独立を果たします。
- アジア…インドネシア、フィリピン、インドなどが独立。
- アフリカ…1960年に17国が独立を果たし、「アフリカの年」と呼ばれる。
国連貿易開発会議(UNCTAD)
発展途上国と先進国間の南北問題などの貿易上の問題を解決するための会議
難民問題
人口の急激な増加O2012年現在、世界の人口は約71億人。途上国でアジア・アフリカなど人口増加率が高く、経済発展が追いつかず、多くの人が貧困に直面。
難民条約
1951年「難民の地位に関する条約」として採択。難民の生命や自由が脅威にさらされる恐れのある国に難民を送還してはならないとしている。1967年には「難民の地位に関する議定書(難民議定書)」を採択。
- 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)…難民に対する保護活動を行う。
- 国内避難民…国内にとどまる避難民。国内避難民と経済的理由により祖国を離れた難民は、難民条約では保護・救済の対象外とされている。
世界の貧困問題
2011年現在、約10億人が貧困の状態にあり、特に1日1.25ドル未満で生活 サハラ以南のアフリカで深刻になっている。また、食料供給のかたよりと飢餓の途上国を中心に約8億人の人々が、7人に1人が飢餓、栄養不足の状態が長く続く飢餓の状態になっている。一方で、捨てるほど食料を消費する先進国もある。
子どもと女性
途上国の子どもと女性の問題の途上国では学校に行けない子どもも多い。また、経済的、文化や宗教上の理由から学校に通えない女性も多い。それにより、女性の識字率が男性より低い傾向になり、自立を困難にしている。人口にしめる日常的な読み書きができる人の割合を高くする必要がある。
貧困をなくすための取り組み
- 2001年、国連はミレニアム開発目標を決定→改善が不十分な分野もある→「持続可能な開発目標」を採択。
- 途上国の人々の自立に向けての自立をうながし支える必要→フェアトレード(公正貿易)やマイクロクレジット(少額融資)の取り組み。
発展途上国の経済の演習問題
発展途上国について、その経済に関する記述として誤っているものを、次の1~4のうちから一つ選べ。
1 プレビッシュ報告では,南北問題を解決するために特恵関税制度の撤廃が主張された。原国待遇上内国民付内に分けられる。
2 フェアトレードとは、発展途上国の人々の生活を改善するために,発展途上国産の原料や製品について公正な価格で継続的に取引することである。
3 ミレニアム開発目標では、極度の貧困や飢餓の撲滅などをめざすことが定められた。
4 マイクロクレジットとは,貧困層の自助努力を支援するために,低所得者に少額の融資を行うことである。
発展途上国の経済の演習問題の解答・解説
正解 1
2 フェアトレードとは、発展途上国の生産者の自立支援や環境保護を目的とし,植民地体制の下で見られたような「買いたたき」をなくす取り組みである。
3 ミレニアム開発目標は、2000年の国連ミレニアムサミットの宣言を受けて、貧困・飢餓の撲滅や初等教育の完全普及達成、乳幼児死亡率の削減などをめざしたものである。
4 マイクロクレジットとは、発展途上国の貧困層の自立促進のために少額の事業資金を無償で貸し出すもの。ノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグ ラミン銀行などがその例である。
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