【高校倫理】ルソーの社会契約説

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【高校倫理】ルソーの社会契約説についてまとめています。

ルソーの社会契約説

市民革命後のイギリスが産業革命を迎えつつあった18世紀、フランスは絶対王政の下にあった。ルソー(1712~ 78)はフランスの啓蒙思想家で、ロックらの社会契約説に学んだ。絶対王政を批判し新しい社会を打ち立てるための理論として、『社会契約論』などにおいて独自の社会契約説を展開した。

  • 絶対王政…国が絶対的な権力を握って行う政治。フランス革命は、1789年7月、絶対王政への不満から各地で反乱がおこる。
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自然状態

ルソーは、自然状態を文明成立以前の原始的な状態として考えた。ルソーは著書『人間不平等起源論』において、自然状態を理想的な社会として、次のように述べた。

自然状態の人間は自己保存を求める自己愛とともに、他者に対する 思いやり(あわれみ)の感情にも従う善良な存在である。人々はたがい に自由・平等で、貧富の差がなく、自然人として平和に暮らしている。

文明社会

自由・平等な自然状態は、文明が起こり、私有財産の観念が生まれると失われた。人々は他者へのあわれみを失って利己心に満ちた存在と なり、悪徳がはびこるようになった。この状態に一応の秩序をもたらすため国家や法律がつくられたが、それは富者が不平等な状態を正当化し財産を守るた めにつくられたもので、不正と虚偽の支配する政治体制であった。このように、ルソーにとって文明社会は、不平等と悪徳に満ちたものであり、絶対王政はこの文明社会の極度に発達したものであると彼は考えた。そこでルソーは、「自然に帰れ」と唱えた。

一般意志と社会契約

文明以前の自然状態にそのまま戻ろうとしても それは無理である。そこでルソーは、新たな社会契約を結んで理想的な国家をつくることにより、人々は不平等や悪徳から解放されるとする。 この国家について、ルソーは一般意志という概念を用いて説明している。

  • 一般意志…公共の利益のみをめざし、人々が一体となった普遍的な意志。
  • 全体意志…特殊意志(個人の私的な利益を追求する意志)の総和。私的利益の追求を本質とするため、一般意志とは区別される。

ルソーの考える社会契約説によると、人々は(全体意志ではなく)一般意志に もとついて国家をつくり、その国家に自らの自由と権利をすべてゆだね、一般意志に服従するという社会契約を結ぶ。こうして成立した国家は、一般意志に支配され、その実現をめざす。一般意志は人民の意志そのものだから、主権は人民にある(人民主権)。一般意志に従うことは自分自身に従うことを意味し、人民が自ら制定した法に自ら従うということである。一般意志に従う限り、その法は常に公共の利益をめざすものだから、人民は その権利を保障され、市民的自由を獲得する。

直接民主制

ルソーの説く一般意志は、他人に譲ったり分割したり、また他人によって代 まされたりすることはできない。この考えに基づいて、間接民主主義や権力分立を批判した。ルソーは、すべての人民が直接政治に参加し、意志決定を行う直接民主主義を理想の政治形態とした。

  • 民主主義…みんなで話し合い、決定するやり方。国民主権と基本的人権が不可欠で個人の尊重を基本とする。
  • 直接民主制…国民や住民が直接話し合いに参加する。
  • 間接民主制…選挙で選ばれた代表者が集まって議会を作り、物事を話し合って決める。多くの国で採用され、「議会制民主主義(代議制)」とも言う。
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