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【高校政治経済】国際政治の動向

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【高校政治経済】国際政治の動向についてまとめています。

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国際政治

国際政治の動向は、現在は冷戦後の混乱期。

最近までは、世界が東西(東=共産圏と西=資本主義圏)に別れて勢力争いをしていたため、力のバランスがとれていたが、ソ連が崩壊して、歯止めがなくなると、各地で民族対立、宗教対立 噴き出してきた。それに、旧共産圏諸は資本主義に慣れていないため経済運営がうまく行かず、混乱が起こっている。そして、そのため世界はボーダレス化し、先進国に発展途上国の人々が押し寄せるなどの問題も起こっている。

冷戦体制の確立

冷戦勢力図
アメリカを中心とする資本主義諸国(西側)とソ連を中心とする社会主義諸国(東側)が対立。第二次世界大戦後から1980年代末までは冷戦(冷たい戦争)の時代と呼ばれた。

ソ連がヨーロッパを東西に分断させようとしているというチャーチルの「鉄のカーテン」演説以降、冷戦が表面化。

  • トルーマン・ドクトリン…1947年、アメリカのトルーマン大統領はソ連の勢力圏拡大を防止する封じ込め政策を打ち出した。経済面ではマーシャル・プランを実行し欧州の経済復興を支援した。
  • ソ連の対抗…ソ連は、1947年に各国共産党の連絡機関としてコミンフォルムを結成し、1949年にコメコン(経済相互援助会議)を設立した。
  • 軍事同盟の成立…1949年に資本主義陣営(西側)で北大西洋条約機構 (NATO)が成立。これに対し、1955年に社会主義陣営(東側)でワルシャワ
    条約機構(WTO)を結成して対抗した。

冷戦の激化

  • ベルリン封鎖…1948年、ソ連はドイツのベルリン西側への交通を遮断。西側は空輸で対抗した。翌年、封鎖が解除されたが、ドイツは東西に分断された。
  • 中華人民共和国の成立…1949年に中華人民共和国と中華民国(台湾)に分裂。
  • 朝鮮戦争…1950年、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が大韓民国(韓国)へ侵攻したことにより勃発。アメリカを中心とした国連軍が韓国を支援する形で参戦。中国とソ連は北朝鮮を支援した。1953年に休戦協定が締結。
  • ベトナム戦争…1965年にはアメリカがベトナム戦争への介入を本格化した。
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デタント(緊張緩和)と多極化

  • デタントの流れ…1953年のスターリン死去のあと、次のフルシチョフは平和共存政策を提唱し、1955年にジュネーブ4巨頭会談、1959年に米ソ首脳会談が開かれた。
  • キューバ危機…1962年、ソ連がキューバに建設したミサイル基地をめぐり核戦争の危機が生じた。ソ連がミサイル基地を撤去したため戦争は回避された。この事件をきっかけに、米ソ間に直通電話回線(ホットライン)が引かれた。

多極化の進展

  • 西側の動き…フランスが1966年にNATOの軍事機構を脱退。
  • 東側での民主化の動き…1956年、ハンガリー動乱が発生し、ポーランドでも暴動が起こった。1968年、チェコスロバキアでプラハの春とよばれる自由化政策がとられた。
  • 中ソ対立…1959年代後半から激化し、1969年には中ソで国境紛争が起きた。
    アメリカの動向…1973年、ベトナム和平協定調印。1979年、米中国交正常化。

第三世界の台頭

  • 平和5原則…1954年、周・ネルー会談が行われ、領土と主権の相互尊重、相互不可侵、内政不干渉平等互恵、平和共存の5つの原則を合意。
  • アジア・アフリカ会議…1955年、インドネシアのバンドンで開催。基本的人権や国連憲章の尊重、正義と国際義務の尊重などの平和10原則を採択。
  • 植民地独立付与宣言…1960年(「アフリカの年」と呼ばれる)に国連総会で植民地主義の終結が宣言された。

非同盟諸国首脳会議

1961年、ユーゴスラビアのベオグラードで開催。非同盟中立の立場に立つ第三世界の国々が集まり、植民地主義の廃絶や人種差別に対する非難などを宣言した。

冷戦終結へ

1979年、ソ連のアフガニスタンへの侵攻を機に米ソ関係は再び悪化。1980年代前半は新冷戦と呼ばれる米ソ関係の緊迫化があった。ソ連でゴルバチョフ政権が発足。ペレストロイカ(改革)やグラスノスチ(情報公開)を進め、外交方針を米ソ対話へと転換した。1987年、中距離核戦力 (INF)全廃条約が締結されるなど、米ソ関係は急速に改善した。

  • 東欧革命…1989年の「ベルリンの壁」崩壊に象徴されるように民主化運動が活発になり、社会主義政権が倒れた。
  • 冷戦の終結…1989年、米ソのブッシュ、ゴルバチョフによるマルタ会談で冷戦終結が宣言された。1990年、東西ドイツ統一の統一が実現。
  • ソ連崩壊…1991年、ワルシャワ条約機構、COMECONが解体。ソ連は崩壊。解体し、独立国家共同体(CIS)が発足した。
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冷戦後の新秩序の模索

冷戦終結後、民族、宗教紛争などが世界各地で噴出。

  • パレスチナ紛争…アラブ諸国とイスラエルの紛争・テロが続く。1993年に パレスチナ暫定自治協定が結ばれ和平への期待が高まったが、現在もなお解決には至っていない。
  • 湾岸戦争…冷戦後の1991年に勃発。クウェートに侵攻したイラクをアメリカを中心とした多国籍軍が攻撃し、イラク軍をクウェートから排除した。
  • 旧ユーゴスラビア紛争…独立をめぐってクロアチア人、セルビア人、ムスリム(イスラム教徒)間で激しい内戦。1995年に和平が成立。
  • コンボ紛争…コソボ自治州のセルビアからの分離・独立をめくる。NATOによる介入により、セルビア軍への空爆。2008年にセルビアから分離・独立。ソマリア内戦 ルワンダ内戦, スーダン内戦など。~2011年、南スーダンを立国。

ヨーロッパの地域統合

  • EU(欧州連合)…1993年にECより改組。その後東欧諸国へ拡大。経済だけでなく、司法制度や安全保障の枠組みを備えた超国家的統合体を目指す。2013年7月、28か国が加盟。
  • 欧州安全保障協力機構(OSCE)…欧州 中央アジア, 北米の57か国が加盟する世界最大の地域安全保障機構。紛争防止を目的として、欧州安全保障協力会議(CSCE)を1995年に改組・発展させたもの。人権、安全保障問題で重要な役割を果たしている。

ASEAN地域フォーラム(ARF)

1994年、ASEAN諸国と日・中・韓・米・ロ・印・豪・EUなどが参加して発足。アジア太平洋地域の安全保障について協議。

同時多発テロとアメリカの単独行動主義

アメリカは2001年の同時多発テロ事件以降、対テロ戦争としてアフガニスタン、イラクを攻撃した。2013年のイラク戦争では、イラクは大量破壊兵器を保有しているとアメリカが断定し、攻撃。2011年、フセイン政権は崩壊した。こうしたアメリカの国際法や他国との協調を無視した行動は、単独行動主義(ユニラテラリズム)として批判されている。

アラブの春

2010年ごろからアラブ地域、北アフリカなどで民主化を求める民衆の動きが広く活発化した。エジプトでは約30年間続いたムバラク政権が倒 れた。また2011年、リビアの国内抵抗勢力を支援する形でNATOがリビアのカダフィ政権を攻撃し、カダフィ政権が倒された。

中国の台頭と東アジア情勢の不透明化

中国は経済発展によって世界2位のGDPという経済規模をもつ国となったが、スプラトリー(南沙)諸島や尖閣諸島問題に見られるような領土をめぐる衝突が起こしている。北朝鮮は、弾道ミサイルを開発し、東アジア情勢を不透明にしている。

国際的な活動組織の伸長

NGO(非政府組織)の活動は人権・平和・環境など様々な分野に及んでいる。死刑廃止をはじめとした人権擁護活動で異られるアムネスティ・インターナショナル、国境なき医師団などが有名である。

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経済のブロック化

冷戦構造の崩壊は、国際経済の枠組みも大きく変えることになった。冷戦時代の資本主義経済圏と社会主義経済圏という大きな二つの経済圏が崩れたうえ、交通網の発達やコンピュータのネットワーク化によって経済面でもボーダーレス化してきた。今では、瞬時に世界の情報を入手でき、流通が世界規模になっている。もう、一国だけでは経済は成り立たなくなっている。こうして出てきたのが経済のブロック化だ。

現在、ECやNAFTA(アメリカとカナダ)のほか、東南アジアのASEAN諸国も、ゆるやかな形ではあるがブロックを形成しつつある。

ブロック化のメリット
・一国の経済基盤ではできない大がかりなプロジェクトができるようになる。
・協力し合うことで、コストも安くてすむ。
・数か国が得意の技術を提供し合って、ほかの経済大国や技術大国と対抗できるようにもなる。

ブロック化を進めて、特に、ASEAN諸国は著しい経済の伸びを示している。近いうちに、世界の経済を支える大経済圏になるだろうと期待されている。

東南アジア諸国連合(ASEAN)

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、東南アジア諸国の経済協力を目的として1967年に結成された組織で、当初加盟国はタイ, インドネシア,フィリピン,マレーシア,シンガポールの5か国であった。現在は10か国が加盟し、域内人口はヨーロッパ連合(EU)や北米自由貿易協(NAFTA) より多い6億1800万人(2013年)で、貿易額は日本を上回っている。最近は、政治・外交・安全保障の面でも緊密な連携をとるようになり、国際的な発言力を増している。

EU(欧州連合)

EUを作って、政治や通貨もできるだけ統一。こうすることで、アメリカや日本などに対抗しようとしている。 だが、そうなると、各国の文化が制限されることになる。そうした理由で各国の文化を守ろうとする人々の反対を受け、今後さまざまな難題が予想されている。

EUの政策
EUは、加盟国間(域内)での人や物、お金の移動を自由にするため、域内での関税を撤廃した。また、1999年には 一部の国をのぞいて共通通貨ユーロを導入した。2002年からはユーロの紙幣と硬貨が一般に流通するようになり、導入国では、独自の通貨が廃止された。また、農業の面でもEUの国々以外から輸入される農作物に高い税金をかけるたどるは通農業政策がとられている。

PKO

国連平和維持活動のこと。日本の自衛隊も1991年からカンボジアやゴラン高原で参加している。自衛隊の海外派兵につながる恐れがあるため、反対も根強い。

南北問題

先進国と発展途上国は、さまざまな点で利害が異なる。そのため北(先進国)と南 (途上国)の間でしばしば対立が起こる。これからは、途上国の文化を尊重しながら、先進国が援助を行って、共存できるように努力することが求められている。

国家のグローバル化

世界がグローバル化(国境を越えて行き来する人が増えて、世界がひとまとまりになろうとしていること)して、一つの国家が国家としての意味を失いつつある。そのため、二つの動きが出ている。一つは、ヨーロッパ連合(EU)のように、いくつもの国が自由な結びつきの統一体を作ろうという動きだ。もう一つは、逆に、小さな民族が国家から独立しようという動きだ。

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サミット(先進国首脳会議)

第1次石油危機後の世界経済の1975年から毎年開催。

  • G7からG20ヘ…当初はアメリカ、日本、西ドイツ、イギリス、フランス、イタリアの6か国が参加。翌年からカナダが加わり、G7となった。 1998年からロシアが加わりG8となり、名称も主要国 首脳会議に。また、今日では、20か国・地域(G20) による首脳会議も開催されている。
  • 双子の赤字…アメリカの財政赤字と経常収支の赤字→ドル高に。

国家間の合意

  • プラザ合意…G5の各国(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス)がニューヨークのプラザホテルに集まり、ドル高是正のために各国が協調して為替介入を合意。これ以後急速に、円高ドル安が進んだ。
  • ルーブル合意…1987年、G7の先進7か国(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ)の財務相・中央銀行総裁会議によって、いきすぎたドル安にならないように安定を図ることで合意。
  • ウルグアイ・ラウンド…1986~94年。農業、知的財産権(知的所有権) の保護サービス貿易のルールづくりが交渉の対象。

WTO(世界貿易機関)

1995年、GATTを引き継ぐ形で設立。

  • リネガティブ・コンセンサス方式…ルール違反国に対する措置の決定方式。 全加盟国が反対しない限り採択されるので、措置が取りやすい。
  • 加盟国の拡大…2001年に中国、2011年にロシアが加盟。
GATT(関税および貿易に関する一般協定)
1948年発足、「自由・無差別・多角」の原則に基づく、自由貿易拡大が目的 (IMF・GATT体制)。

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