【高校政経】社会主義国の誕生の要点ポイントです。
社会主義経済の成立
経済的平等を掲げ、経済体制を変革しようとする思想、資本主義経済の問題点を克服するものとして主張。
社会主義経済の特徴
生産手段の社会的所有労働帯への公平な分配を目指すことが目的、生産手段を私的に所有する資本家・地主は存在しない、労働力の高晶化や利潤の追状が起きず、公平に労働者に分配されると考えられた。
ソ連のコルホーズ、ソフホーズなどの農業の集団化や中国の人民公社などが顕著な例。計画経済・市場の自動調節機能による資源配分に任せず、政府が資源の配分をすべて計画する、このため景気変動はない。
マルクスと社会主義
資本主義経済を批判し、労働者の団結による革命により、社会主義社会を建設することを主張した。
- 資本主義批判・分析…マルクスは「資本論」の中で、資本家の得る剰余価値(利潤)は労働者からの労働価値の収奪の結果であるとした。また資本主義社会の詳額な分析・批判、共産主義革命の目的について述べた。
- マルクスとエンゲルス…1848年に「共産党宣言」を発表。「万目の労働者よ、団結せよ!」と述べてプロレタリア革命を唱えた。
- 科学的社会主義…エンゲルスは「空想から科学へ」で、マルクス・エンゲルスの社会主義思想を科学的社会主義と呼び、それまでの社会主義思想を空想的社会主義と呼んで区別した。
資本主義の矛盾を議会制度によって解消しようとする考え。
- ベルンシュタイン…労働者階級が中心となり、議会活動によって社会の改良を図ることを唱えた。主流派から修正主義と批判されることがある。
- フェビアン協会…1884年、イギリスで設立。議会を通して漸進的に社会主義を実現すべきことを主張した。
社会主義国家の誕生
- ソ連…1917年、ロシア革命。1922年、世界最初の社会主義国家、ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が成立。
- 社会主義国の拡大…第二次世界大戦後、東欧や東アジア、キューバなどで成立。
社会主義国としてのソ連
計画経済や生産の非効率性、技術の発展の遅れから経済が停滞した。利潤道入方式を取り入れ、1980年代にはペレストロイカ(改革)を推進して経済の活性化を進めたが、失敗。1980年代から90年代にかけて、東欧諸国は市場経済に移行した。1991年にソ連は解体した。
社会主義国としての中国
社会主義を維持しながら、改革開放政策がとられ、市場経済の導入を進めている。
- 経済特区…外国資本を積極的に導入するため、中国南東沿岸部に設置。
- 社会主義体制下での市場経済…1990年代に急速に社会主義市場経済への移行が進む。近年、急激な経済成長を遂げ、世界第2位のGDPに成長。
- 一国二制度…香港・マカオでは社会主義と資本主義が共存して維持されている。特別な行政区として、大幅な自治権を有する。
- WTO加盟…2001年に加盟。2005年、人民元切り上げ。
社会主義国としてのベトナム
1980年代から、外国資本の導入と市場経済化をはかるドイモイ (刷新)政策を進め、経済成長を続ける。
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