【高校政経】司法権の独立の要点ポイントです。
司法権の独立
司法権は、最高裁判所および下級裁判所に属すると規定し、司法権の独立を確立している。
特別裁判所の禁止
司法権をすべて最高裁判所を頂点とする司法制度の内に収めるため、特別裁判所(特別の身分の人や事件を対象とした裁判所)の設置を禁止している。
裁判官の職権の独立
すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、憲法及び法律にのみ拘束される。(第76条第3項)
規則制定権
最高裁判所は司法の内部規律や司法事務処理についての規則を定める権限を有する。(第77条1項)
裁判官の身分保障護
司法権の独立の観点から、裁判官の身分保障が 定められている。裁判官の懲戒処分を行政機関が行うことはできない。裁判官の罷免は次の3つの場合に限られる。
- 裁判官の心身の故障…心身の故障により職務が行えないと決定されたとき。
- 弾劾裁判所…公の弾劾により罷免されるとき。弾劾裁判所は国会の権限で国会に設置される。
- 国民審査…国民審査により罷免を可とされるとき。この国民審査は衆議院議員総選挙と同時に実施される。最高裁判所裁判官が国民に直接審査を受ける対象となる。 直接民主主義的な性格を持つ制度である。
憲法の番人
最高裁判所は、 一切の法律・命令・規則または処分が憲法に適合するかしないかを決定する終審裁判所であり、「憲法の番人」と呼ばれる。
司法権の独立への干渉
司法権への干渉が行われた事例。裁判所や判決内容に対し圧力が加えられた。
大津事件
1891年、滋賀県大津市でロシア皇太子に切りかかった巡査に対し政府は法定外の死刑を科すよう迫った。司法は干渉を排して罪刑法定主義に 則り、法定内の量刑を科した。日本の司法権独立を確立した事件といわれる。
浦和事件
1949年、心中事件を起こした女性に対する判決について、国会の参議院法務委員会が国政調査権を用いて司法に干渉。当該事件での量刑が不当に軽いと結論付けたが、最高裁はこれに抗議した。
平賀書簡事件
1969年、長沼ナイキ基地訴訟において札幌地方裁判所長が申し立てを却下するよう書簡を渡した事件。司法内部の干渉事件として知られる。
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