【大学入試対策古文】大和物語のテストでよく出る問題です。大学入試の古文では、特定の作品が頻出問題として登場することが多く、その中でも「大和物語」は要チェックの作品です。物語の内容を理解し、登場人物やテーマに関する深い知識を身につけることが、得点力を高めるカギとなります。
この記事では、「大和物語」の中で特によく出る問題や出題傾向をピックアップし、効率的に対策をするためのポイントを解説します。入試本番で自信を持って解答できるよう、しっかりと準備をしていきましょう!
【問題】大和物語のテストでよく出る問題
【問題】次の古文は『大和物語』の一節で、帝の愛する鷹をうっかり逃してしまった大納言が、あわてて帝のいる宮中に参上するところから始まっている。これを読んであとの問に答えなさい。
(大納言は)いかがせむとて、内裏にまゐりて、御鷹の失せたるよし奏したまふ時に、帝、ものも宣はせず。①聞こしめしつけぬにやあらむとて、また奏したまふに、aおもてをのみまもらせ給うて物ものたまはず。
たいだいしとおぼしたるなりbけりとわれにもあらぬ心地してかしこまりて②いますがりて、「この御鷹の、求むるに、③侍らぬことを、いかさまにかし侍らむ。などか仰せごともたまはcぬ」と奏したまふに、帝、「いはでおもふぞいふにまされる」とのたまひけり。かくのみ④のたまはせて、異事ものたまはざりけり。御心にいといふかひなく⑤惜しくおぼさるるになむありける。
これをなむ世の中の人、dもとをばとかくつけける。もとはかくのみありける。
問一 下線部①~⑤の主語として最も適当なものを、次の中からそれぞれ選びなさい。
ア 天皇(帝) イ 大納言 ウ 御鷹 エ 人
問二 下線部a「おもてをのみまもらせ給うて」の意味として最も適当と思われるものを次の中から一つ選びなさい。
ア 顔をじっとお見つめになるばかりで
イ 顔を下に向けられるばかりで、
ウ 外の方ばかり御覧になって
エ 外面を保たれようとするばかりで
問三 本文には心中表現文が三箇所ある。それをそのまま抜き出しなさい。
問四 下線部b・cの助動詞の意味をそれぞれ次の中から選びなさい。
ア打消 イ完了 ウ強意 エ詠嘆
問五 下線部d「もと」の意味として最も適当なものを次の中から一つ選びなさい。
ア 和歌の上句 イ 物事の根本 ウ 元金 エ 元来
【解答】大和物語のテストでよく出る問題の解答・解説
問一 1ア 2イ 3ウ 4ア 5ア
問二 ア(顔をじっとお見つめになるばかりで)
「まもる」…1じっと見つめる。2大切に世話をする。
問三
【一つ目】いかがせむ
【二つ目】聞こしめしつけぬにやあらむ
【三つ目】たいだいしとおぼしたるなりけり
問四 bエ cア
問五 ア(和歌の上旬)
<現代語訳>
(鷹を逃してしまった大納言は)どうしようかと思って、宮中(天皇の所に)参上して、天皇の鷹がいなくなったことを(天皇に)申し上げなさったときに、天皇は、何もおっしゃらない。お聞きにならなかったのだろうかと思って、再び申し上げなさると、(天皇は大納言の)顔をじっと見つめになるばかりで何もおっしゃらない。
もってのほかだとお思いになっているのだなあと、(大納言は)茫然自失の気持ちになって、恐れ多く思っていらっしゃって、「この(逃げた)鷹が、探しても、おりませんことを、どのようにいたしましょうか。なぜ何もおっしゃってくださらないのか」と申し上げなさったところ、天皇は「言わないで思っている方が言葉に出して言うよりも(気持ちが)まさっている」とおっしゃった。(天皇は)この言葉だけをおっしゃって、他のことは何もおっしゃらなかった。そのお心にどうしようもなく残念にお思いになっているのであった。
これを世間の人は上の句をあれこれと付けたが、元来はこの言葉だけだったのだ。
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