企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)加速や生成AIの普及を背景に、SaaS(Software as a Service)関連株への注目が高まっています。サブスクリプション型の安定収益モデルを持つSaaS企業は、景気変動に強く、中長期で高い成長が期待される分野です。
特に日本市場では、業務効率化・人事労務・会計・営業支援・セキュリティ分野などでクラウド化が進み、SaaS企業の業績拡大が続いています。本記事では、SaaS関連株とは何かをわかりやすく解説したうえで、本命株・中核銘柄・成長期待の中小型株まで厳選して紹介します。
今後の投資戦略や注目ポイントも解説しますので、SaaS関連株への投資を検討している方はぜひ参考にしてください。
SaaS関連株とは?DX・生成AI時代に成長が期待される理由

SaaS(Software as a Service)とは、インターネット経由でソフトウェアを提供するクラウド型サービスのことです。
従来のようにパッケージソフトを購入・インストールするのではなく、月額・年額のサブスクリプション型で利用できる点が特徴です。
SaaS関連株とは、こうしたクラウドサービスを提供する企業や、SaaSビジネスを中核に成長している企業の株式を指します。
業務効率化ツール、人事・労務管理、会計ソフト、営業支援(SFA/CRM)、セキュリティ対策、マーケティング支援など、
企業活動を支える幅広い分野で活用が拡大しています。
① DX(デジタルトランスフォーメーション)加速が追い風
企業のDX推進により、紙やエクセル中心だった業務のクラウド化が急速に進んでいます。
人手不足や業務効率化ニーズの高まりを背景に、SaaS導入は「コスト」ではなく「投資」として位置づけられるようになりました。
特に中小企業のクラウド導入率はまだ成長余地が大きく、今後も市場拡大が期待されています。
政府のデジタル化政策やインボイス制度対応なども、SaaS需要を後押しする要因です。
② サブスクリプション型モデルによる安定収益
SaaS企業の強みは、継続課金によるストック型収益モデルにあります。
一度導入されると解約率(チャーン率)が低く、安定した売上が積み上がる構造になっています。
さらに、顧客単価の向上(アップセル・クロスセル)によって利益率が改善しやすく、
売上成長とともに営業利益が大きく伸びる「高収益体質」に転換しやすい点も投資家から評価されています。
③ 生成AIとの融合で新たな成長フェーズへ
近年は生成AIの普及により、SaaSとAIの融合が急速に進んでいます。
データ分析の高度化、自動文章作成、顧客対応の自動化など、
SaaSサービスの付加価値が飛躍的に向上しています。
既存SaaS企業がAI機能を組み込むことで競争優位性を強化できるほか、
AI特化型SaaSという新たな市場も拡大しています。
これにより、SaaS関連株は第二の成長局面に入ったと見る投資家も少なくありません。
④ SaaS関連株が投資テーマとして注目される理由
- DXの構造的成長市場である
- サブスク型による安定収益モデル
- 営業レバレッジによる利益拡大余地
- 生成AIとの融合による新成長分野
- 海外展開による市場拡大ポテンシャル
SaaS関連株は短期的なテーマ株というよりも、
中長期で市場拡大が期待される「構造成長テーマ」です。
企業のDX投資が止まらない限り、SaaS市場の成長トレンドは継続すると考えられます。
SaaS関連株の本命株・中核銘柄・成長期待の中小型株一覧【注目】
SaaS市場はDX推進や生成AIの普及を背景に拡大が続いています。ここでは、安定感のある本命株から高成長が期待される中小型株まで、注目のSaaS関連銘柄を分類して紹介します。
■ 本命株(市場を代表する中核SaaS企業)

① freee(4478)
クラウド会計・人事労務ソフトを展開。中小企業向けバックオフィスSaaSの代表格で、継続課金モデルによる売上成長が続いています。インボイス制度や電子帳簿保存法対応も追い風。
② Sansan(4443)
名刺管理クラウド「Sansan」やインボイス管理「Bill One」を展開。法人向けDX支援の中核企業で、ストック型収益の積み上げが強みです。
③ マネーフォワード(3994)
クラウド会計・家計簿アプリを中心に法人・個人双方へ展開。金融×SaaSの成長企業として市場評価が高い銘柄です。
■ 中核銘柄(安定成長が期待される実力派)

④ ラクス(3923)
経費精算システム「楽楽精算」など業務効率化SaaSを展開。高い営業利益率と安定した成長が魅力。
⑤ HENNGE(4475)
クラウドセキュリティSaaSを提供。企業のゼロトラスト対応やリモートワーク普及を背景に需要拡大。
⑥ Chatwork(4448)
ビジネスチャットSaaSを展開。中小企業向けのDX支援サービスとして拡大余地があります。
■ 成長期待の中小型株(高成長ポテンシャル)

⑦ Kaizen Platform(4170)
UI/UX改善やデジタルマーケティング支援SaaSを提供。DX需要拡大の恩恵が期待される銘柄。
⑧ ログリー(6579)
マーケティング支援型SaaSを展開。広告・データ活用分野での成長に注目。
⑨ ROBOT PAYMENT(4374)
請求管理・サブスク管理SaaSを展開。企業のキャッシュフロー管理ニーズを取り込み成長中。
⑩ スマレジ(4431)
クラウドPOSレジを中心に小売・飲食店のDXを推進。インバウンド回復や店舗DX需要が追い風。
SaaS関連株は、安定収益を積み上げる大型株と、高成長を狙える中小型株で戦略が分かれます。市場環境や金利動向に左右されやすい側面もあるため、業績成長率・解約率・ARR(年間経常収益)推移などを確認しながら銘柄選定を行うことが重要です。
まとめ|SaaS関連株はどれを選ぶべき?今後の投資戦略と注目ポイント
SaaS関連株は、DXの加速や生成AIの普及を背景に中長期で成長が期待される構造的テーマです。
ただし、金利動向や市場センチメントの影響を受けやすいセクターでもあるため、
銘柄選定と投資タイミングが重要になります。
① 安定性を重視するなら「黒字化・高利益率銘柄」
すでに営業黒字化している企業や、営業利益率が高い企業は、相場の調整局面でも比較的底堅い傾向があります。
ストック売上比率が高く、解約率(チャーン率)が低い企業は安定性が高く、
中長期投資に向いています。
② 成長性を狙うなら「ARR拡大率・顧客単価」に注目
高成長を狙う場合は、ARR(年間経常収益)の伸び率や顧客単価の上昇トレンドが重要です。
アップセルやクロスセルが進んでいる企業は、今後の利益拡大余地が大きいと考えられます。
③ 生成AIとの融合は新たな評価軸
SaaS企業が生成AI機能を組み込むことで、サービス単価の向上や差別化が進んでいます。
AI活用によって競争優位を築ける企業は、今後プレミアム評価を受ける可能性があります。
④ 投資戦略の考え方
- 金利低下局面ではグロース株優位の傾向
- 決算シーズンでは成長率の鈍化に注意
- 中長期では市場シェア拡大企業を重視
- 大型株と中小型株を組み合わせた分散投資
SaaS関連株は「短期テーマ株」というよりも、DXという長期トレンドに乗る成長分野です。
安定性を重視するのか、高成長を狙うのか、自身のリスク許容度に応じて銘柄を選ぶことが重要です。
今後も業績動向や市場環境を注視しながら、戦略的に投資判断を行いましょう。
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