脱炭素社会の実現やエネルギー安全保障の観点から、「小型原子炉(SMR)」が世界的に注目を集めています。
従来の大型原発に比べて、低コスト・高い安全性・柔軟な設置が可能とされるSMRは、次世代の電力インフラとして期待されており、日本企業も開発・関連事業に本格参入し始めています。
こうした流れを受け、株式市場でもSMR関連株が中長期の成長テーマとして注目されつつあります。しかし、
・どの銘柄が本命なのか
・短期と長期でどの企業を見るべきか
・どの分野に投資資金が流れるのか
といった点で迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、小型原子炉(SMR)関連株の仕組みや成長性をわかりやすく解説したうえで、本命株・中核銘柄・成長期待の注目株まで厳選して紹介します。
小型原子炉(SMR)関連株とは?注目される理由と今後の成長性

小型原子炉(SMR:Small Modular Reactor)関連株とは、SMRの開発・設計・建設・部材供給・保守運用などに関わる企業の株式を指します。
SMRは従来の大型原子力発電所とは異なり、小型でモジュール化された設計により、建設コストの低減や安全性の向上が期待されている次世代の原子力技術です。
近年、脱炭素社会の実現やエネルギー安全保障の強化が世界的な課題となる中で、再生可能エネルギーを補完する「安定電源」としてSMRの重要性が高まっています。
こうした背景から、日本企業を含む多くの企業がSMR関連ビジネスに参入し、株式市場でも中長期の成長テーマとして注目を集めています。
SMR関連株が注目される3つの理由
① 脱炭素社会に向けた切り札
SMRは発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策として有効な電源とされています。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは天候に左右される一方で、SMRは安定した電力供給が可能であり、「ベースロード電源」としての役割が期待されています。
② エネルギー安全保障の強化
ロシア・ウクライナ情勢などを背景に、エネルギー供給の不安定さが顕在化しました。
こうした中で、自国で安定的に電力を確保できる原子力への関心が再び高まり、特に建設期間が短く分散配置が可能なSMRは、エネルギー安全保障の観点から重要視されています。
③ 技術革新とコスト低減への期待
SMRは工場でのモジュール生産が可能であるため、従来の大型原発に比べて建設コストや工期の大幅な削減が見込まれています。
また、安全設計の高度化により事故リスクの低減も期待されており、これらの技術革新が普及を後押しする要因となっています。
今後の成長性|SMRは長期テーマとして注目
SMRは現在、実証・開発段階のプロジェクトも多いものの、2030年代に向けて本格的な商用化が進むと見られています。
アメリカや欧州を中心に国家主導の投資が拡大しており、日本企業も部材供給や技術協力といった形でグローバル市場に関与しています。
株式市場においては、短期的には政策やニュースに連動した値動きが中心となる一方で、中長期的には受注拡大や設備投資の進展に伴う業績成長が期待されます。
特に、重工業、プラント、素材、電力といった幅広い業種に恩恵が波及する点も、SMR関連株の魅力の一つです。
このように、SMR関連株は「脱炭素×エネルギー安全保障」という世界的テーマに直結する分野であり、今後も長期的な成長が期待される注目セクターといえるでしょう。
小型原子炉(SMR)関連株おすすめ一覧|本命株・中核銘柄・成長期待の中小型株
小型原子炉(SMR)関連株は、開発を担う重工メーカーから、部材・素材供給、エンジニアリング企業まで幅広い分野に広がっています。
ここでは「本命株」「中核銘柄」「成長期待の中小型株」に分けて、有望な日本株を厳選して紹介します。
■本命株(SMRの中核を担う大型企業)

- 三菱重工業(7011):原子力分野の中核企業。SMR開発や海外プロジェクトへの関与も期待される本命株。
- 日立製作所(6501):原子力事業を展開し、海外SMRプロジェクトとの関係も深い総合電機メーカー。
- 東芝(6502):次世代原子炉技術を保有。エネルギー分野での再成長期待がある。
■SMRの中核銘柄(部材・設備で支える主力企業)

- IHI(7013):原子力関連機器やプラント技術に強み。SMR分野でも恩恵が期待される。
- 三菱電機(6503):制御システムや電力機器で重要な役割を担う。
- 東芝エネルギーシステムズ(※非上場)関連企業:電力インフラ分野での連携が鍵。
- 日本製鋼所(5631):原子炉圧力容器など大型鍛造品で世界的シェアを持つ。
■SMRの成長期待の中小型株(テーマ性が強く値動きも大きい)

- 助川電気工業(7711):原子力関連の計測・制御機器を手掛ける有力企業。
- 岡野バルブ製造(6492):原子力向けバルブで実績があり、SMR分野でも期待。
- 木村化工機(6378):プラント関連設備を提供し、原子力分野にも関与。
- 日本アビオニクス(6946):間接的にインフラ・防衛関連としてテーマ性あり。
■分類別に見るSMR関連株のポイント
SMR関連株は、単に「原子力企業」だけでなく、以下のように分野ごとに整理して考えることが重要です。
- 開発・建設:重工メーカー(中核の本命)
- 機器・制御:電機メーカー(安定成長)
- 素材・部材:鉄鋼・バルブ・計測(恩恵が広がる分野)
特に投資戦略としては、短期では中小型株がテーマ性で動きやすく、中長期では大型株の受注拡大や業績成長に注目するのが基本となります。
分野ごとの役割を理解しながら分散して投資することが、SMR関連株攻略のポイントといえるでしょう。
まとめ|SMR関連株は「エネルギー安全保障×脱炭素」で長期成長が期待されるテーマ株
小型原子炉(SMR)は、脱炭素社会の実現とエネルギー安全保障の強化という、現代における2つの重要課題を同時に解決し得る次世代エネルギーとして注目されています。
従来の原子力発電の課題を克服しつつ、安全性・柔軟性・コスト面での進化が期待されることから、各国政府や企業による投資は今後さらに拡大していく見通しです。
株式市場においても、SMR関連株は単なる一過性のテーマではなく、「長期的な成長ストーリー」を持つ分野として位置づけられています。
特に、重工メーカーを中心とした本命株、電機・素材などの中核銘柄、そしてテーマ性の強い中小型株まで、幅広い企業に投資機会が広がっている点が特徴です。
今後は、各国の政策動向や実証プロジェクトの進展、受注拡大といったニュースが株価に影響を与える局面が増えていくと考えられます。
短期的にはテーマ株としての値動きに注目しつつも、中長期では業績成長や市場拡大を見据えた視点が重要となるでしょう。
SMR関連株に投資する際は、「どの分野の企業がどの役割を担うのか」を理解し、開発・設備・部材といったバリューチェーン全体を意識した分散投資が有効です。
世界的なエネルギー転換の流れの中で、SMRは今後も注目され続けるテーマであり、長期目線での投資対象として引き続き注視していきたい分野といえるでしょう。
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