近年、日本の食文化はグローバル化やライフスタイルの多様化によって大きく変化している。伝統的な和食の継承や健康志向の高まり、一方でファストフードやインスタント食品の普及など、食をめぐる状況は複雑である。大学入試の小論文でも「食文化の変化」は頻出テーマの一つであり、社会問題や価値観の変遷と結びつけて論じる力が求められる。本記事では、日本の食文化の変化を題材とした小論文の書き方のポイントと解答例を紹介する。
【大学入試小論文】日本の食文化の変化をテーマにした書き方のポイント
1. 問題意識を明確にする

「なぜ食文化の変化が問題になるのか」を意識する。
例:健康問題、環境問題、伝統文化の継承、食料自給率など。
「単なる紹介」ではなく、「変化の背景」と「そこから生じる課題」に焦点を当てることが重要。
2. 変化の具体例を挙げる

- 伝統から現代へ:米中心からパン・肉食中心への移行。
- グローバル化:ファストフードや多国籍料理の普及。
- ライフスタイル:共働き世帯の増加による中食・外食産業の発展。
- 価値観の変化:健康志向・食品ロス削減・サステナブルな食への関心。
具体例を挙げることで説得力が増す。
3. 背景要因を分析する

- 社会的要因:都市化・少子高齢化・働き方の変化。
- 経済的要因:グローバル経済の進展・食品産業の発展。
- 文化的要因:多文化交流・メディアやSNSによる影響。
単なる「現象の列挙」にとどまらず、「なぜそうなったのか」を掘り下げることが評価につながる。
4. 自分の立場・意見を提示する

- 「伝統的な和食を守るべきか」
- 「多様化を肯定すべきか」
- 「健康・環境の観点から食生活をどう改善すべきか」
肯定・否定のどちらでもよいが、一貫した立場で論じること。
5. 構成の型を意識する

典型的な小論文構成は以下の流れ
- 導入:食文化の変化というテーマを提示。
- 本論①:具体的な変化の事例を説明。
- 本論②:変化の背景や問題点を分析。
- 結論:自分の意見や解決策を示す。
6. 視点を広げる

- 社会全体への影響:健康、教育、環境問題。
- 国際的視点:日本の食文化が海外に広まる一方、海外文化の受容も進む。
- 未来志向:持続可能な食文化をどう築くか。
【ある人の解答例】日本の食文化の変化について
現在の米の課題は、主食としての需要が薄まっていることである。これは、食生活の西欧化や「炭水化物抜きダイエット」の流行、高齢化などが原因として挙げられる。
この課題を解決し、米の需要を拡大する方法としては、米の更なる品種改良が必要であると考える。まず、食生活の西欧化の一因には、米の準備に手間がかかる点がある。現在、炊飯器の普及やIT技術との組み合わせによって調理時間の短縮が進んでいるものの、パンなど他の主食と比較すると依然として手間がかかるのが現状である。このため、手間を省き、調理時間を短縮できる品種改良が求められる。
次に、米がダイエットに不向きとされ、敬遠されていることも解決すべき課題である。糖質を抑えた品種の開発や「ダイエット用米」といった商品の積極的な販売促進によって、こうしたイメージを払拭し、需要の増加が期待できる。また、高齢化が進む現在においては、柔らかく飲み込みやすい品種の開発に取り組むことも重要である。これにより、高齢者が食べやすい米の選択肢を増やすことができる。
以上のように、その時々の消費者ニーズに応える多様な品種を開発することで、米の需要を増やすことが可能であると考える。しかし、忘れてはならないのは、日本の食文化として古代から受け継がれてきた米本来の味を保つことである。その味を変えるのではなく、時代に合わせた新たな特徴を付加することで、今後の米の需要拡大につながると考える。
【一般意見】日本の食文化の変化について

日本の食文化は、歴史的な背景や社会の変化、国際的な影響を受けながら常に進化してきました。伝統を重んじつつも、新しい食のスタイルを取り入れることで、今後も多様性に富んだ食文化が形成されていくことでしょう。食は単なる栄養補給の手段ではなく、文化やコミュニケーションの重要な要素であることを再認識することが大切です。
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