【大学入試小論文】統計資料・データの読み取り方と書き方についてまとめています。
統計・データの読み取り方
読取問題は、あくまでもデータが読み取れているかどうかを試すものです。したがって、回答に自分の意見を一切含めないで、データの内容に沿って忠実に答える必要があります。その時、データ内で用いられているキーワードや語句、数値を使うことを基本にして答えていきましょう。
読取問題の2つの出題形式
読取問題には、説明タイプと解釈タイプの2種類がある。
説明タイプは、データ全体の傾向についての説明を求めるものである。図表などで示されるデータの概要を、文字に表す作業だと考えてもよい。具体的には「この図から読み取れる傾向を○○字以内で説明せよ」などという形で問われるのが一般的である。
解釈タイプは、データ全体の傾向をつかんだうえで、そのような傾向になった原因や背景まで考察させるものである。具体的には、「データが示す傾向について、その要因や背景を説明せよ」という形で問われる。
説明タイプの読取問題への取り組み方
データの傾向を説明するときは、押さえるべきポイントを見逃さないようにしとければならない。説明タイプではポイントごとに配点し、満たしていれば加点するという採点方法が一般的である。
データのポイントを見逃して説明しようとすると、ピント外れの説明に終始することになるので、いかにデータを正しく捉える視点をもって回答を作成するかが、説明タイプを解く時のポイントとなる。
■ 説明タイプの読取問題の手順
説明タイプを上手に解くためには、次の3つのステップを踏んでいく必要がある。
- 統計を取った人の意図をつかんで理解する。
- 全体の傾向を正しく捉える。
- 「意図」と「傾向」を押さえて、簡潔にまとめる。
どのような設問があるかをあらかじめ把握してから、データを詳しく見るのがよい。そして、説明をする時の材料を探りながら、回答を作成するという手順を踏む。
課題文を読んでから設問を読む方法を取ると、再び課題文を読み直す必要が出てくるといった手間が発生する。試験には制限時間があるので、余計な時間を使うと 回答作成の時間が十分に取れない可能性がある。
そのため、あらかじめ設問の内容を把握してから課題文を読んでほしいのである。効率よく回答を作成するための工夫でもある。
グラフや統計資料からわかることを書く
このとき、次のような書き方をすれば、失敗することなく要約ができます。
- 資料から読み取れること1つめ。
- 資料から読み取れること2つめ。
- 資料から読み取れること3つめ。
以上を資料(グラフなど)から読み取ることができる。
このように書き出すと、書き出しが非常にスムーズになるのではないでしょうか。まずは、資料(グラフや図)からわかることを列挙し、それからゆっくりと、自分の意見を論じていけばいいのです。
統計・データ資料型論文の書き方
統計・データを踏まえることが大前提です。問題には、たいてい、「この資料を踏まえて」とある。これは、採点の時、 データの内容を理解していない(と思われる)答案は減点の対象になることを暗に示しているのである。
統計・データ資料型小論文に取り組む時は、絶対にデータの内容を無視してはならないことを念頭に置いてほしい。
出題パターン
統計・データ型小論文では出題パターンが2つある。
- 読取問題
- 論述問題
である。したがって、出題されたデータ型小論文がそのどちらになるのかをきちんと見分ける必要がある。
- 読取問題というのは、データが適切に読み取れているかどうかを試される問題である。
- 論述問題というのは、データをもとに小論文を書く問題のことである。
■ 注意点
グラフや図、統計資料からわかることを書きだす場合、次の点に注意しましょう。
- 具体的な数字を入れる
- 資料が複数ある場合すべての資料からわかることを書き出す
- 資料からわかる事実のみを書き、自分の意見は入れない
特に最後の事実のみを書くことは重要です。グラフかや統計資料から読み取れる事実をまずは要約することが重要です。焦って、自分の意見などを混ぜ込み、論じ始めるのはよくない例です。
【まとめ】統計資料・データの読み取り方
- 読取問題の回答には,自分の意見を一切入れないこと。
- 読取問題には、「説明タイプ」「解釈タイプ」の2種類がある。
- 説明タイプは、図表で示されるデータ全体の傾向を説明するもので、 回答のためには次の3ステップを踏むのがよい。
■ 手順
- 統計を取った人の意図をつかんで理解する。
- 全体の傾向を正しく捉える。
- 「意図」と「傾向」を押さえて、簡潔にまとめる。
データ型小論文では、必ず統計・データ(の内容)を踏まえなければならない。
- 設問を読んで、「読取問題」「論述問題」のどちらが問われているのかを把握する。
- 読取問題と論述問題とでは、回答の手順やデータの捉え方が異なる。
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