大学入試の小論文では、統計資料やグラフ、数値データを提示し、それを読み取って自分の意見を論じる問題がよく出題されます。単なる数字の説明にとどまらず、背景や意味を踏まえて論理的に文章へつなげる力が必要です。本記事では、小論文で統計資料を読み取る際の基本的な視点や、答案に反映させる書き方のポイントを解説します。
大学入試小論文の統計・データの読み取り方

小論文の中でも統計資料やグラフをもとにした出題は頻出であり、受験生にとって避けて通れないテーマです。これらの問題は、データを正しく読み取り、その内容を的確に表現できるかどうかを問うものです。 重要なのは、回答に自分の意見を一切含めず、資料の内容に忠実に答えることです。その際、資料に登場するキーワードや語句、数値をそのまま活用することが求められます。
読取問題の2つの出題形式
読取問題には、大きく分けて「説明タイプ」と「解釈タイプ」の2種類があります。
説明タイプ
説明タイプは、データ全体の傾向を的確に言葉で表すことを求める問題です。図表などのデータの概要を、正確に言語化する作業と考えるとよいでしょう。
例:
「この図から読み取れる傾向を80字以内で説明せよ」
解釈タイプ
解釈タイプは、単に傾向を説明するだけでなく、なぜそのような傾向が生じたのか、その要因や背景を考察させる問題です。
例:
「データが示す傾向について、その要因や背景を説明せよ」
説明タイプの読取問題への取り組み方
説明タイプは、ポイントを漏らさず記述できるかが合否を分けます。
多くの場合、説明タイプは「ポイントごとに配点」され、要点を押さえれば加点される方式です。そのため、1つでも重要な要素を欠くと得点が伸びません。
説明タイプの手順
説明タイプの読取問題は、次の3つのステップで進めましょう。
- 統計を取った人の意図を理解する (何を調べたのか、どのような比較や傾向を示そうとしているのかを把握)
- 全体の傾向を正しく捉える (増加傾向・減少傾向・比率の違い・世代や地域差など)
- 意図と傾向を踏まえ、簡潔にまとめる
効率的な解き方
課題文を読む前に設問を先に確認しておくのがおすすめです。 なぜなら、先に設問を読むことで「何を探すべきか」が明確になり、資料を効率よく読めるからです。課題文から先に読むと、必要な情報を探すために読み返しが必要になり、制限時間の中で不利になります。
グラフや統計資料からの要約の書き方

説明タイプの回答を組み立てるときは、次のような書き出しを使うとスムーズです。
- 資料から読み取れること1つめ。
- 資料から読み取れること2つめ。
- 資料から読み取れること3つめ。
最後に、 以上のことが資料から読み取れる。 とまとめると、論理的で読みやすい答案になります。
統計・データ資料型論文の書き方

統計資料を使った小論文では、必ずデータを根拠にして論じることが大前提です。設問には「この資料を踏まえて」という表現が必ず含まれています。もし資料を無視して自分の意見だけを書いた場合、大きな減点の対象となります。
出題パターン
統計・データ型小論文には2つの出題パターンがあります。
- 読取問題:データを正しく読み取れているかを問う。
- 論述問題:データを根拠に、自分の意見を展開する。
設問をよく読み、「どちらのタイプか」を見極めて解答方針を立てましょう。
注意点
グラフや統計資料から事実を書き出すときの鉄則は次の3つです。
- 具体的な数字を必ず入れる
- 資料が複数ある場合はすべてに触れる
- 事実のみを書き、自分の意見は入れない
特に3つめは重要です。「事実の要約」と「自分の意見」を混同しないことが、読取問題と論述問題を区別する第一歩となります。
【まとめ】統計資料・データの読み取り方のポイント

- 読取問題では、自分の意見を入れず、データに忠実に答える。
- 読取問題には「説明タイプ」「解釈タイプ」の2種類がある。
- 説明タイプでは「意図→傾向→まとめ」の3ステップで書く。
- 論述問題では、データを根拠にして自分の意見を展開する。
最終的な解答の流れ
- 設問を読んで、読取問題か論述問題かを判断する。
- 資料の意図と全体の傾向を押さえる。
- 読取問題なら事実のみ、論述問題なら事実+意見で構成する。
統計・データ型の小論文は、一見すると難しく感じるかもしれませんが、実は「ルールを守れば確実に得点できる分野」です。資料に忠実に、論理的に答える練習を積むことで、安定した得点源にしていきましょう。
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