大学入試小論文「大人と子どもの違い」考察です。ある受験生の論文をもとに、考察しています。
大人と子どもの違いの解答例
<問1 原文>
子どもは、不定形な動きや曖昧なものや分類し難いものへの執着を示す。そのようなものは、子どもにとっては意味深く大切げに見えているが、大人には意味の範疇に位置づけられず、「意味不明」として葬り去られる。大人の場合、子どもが示す不定形な動きや曖昧なものや分類し難いものへの執着を無視しても身体が密かに応える。
このように、子どもと大人には、子どもは自分のことで精一杯で動物的であるが、大人は視野が広く、物事を客観的に見る余裕があるという関係性があるといえる。
<問2 原文>
私の考える「子どもなるもの」は、二つある。
まず一つ目は、子どもは自由奔放な生き物であるということだ。子どもは、とりとめなく、不定形な動きや曖昧なものや分類し難いものへの執着を示し、「意味不明」である。例えば、おもちゃで遊んでいて友達にそのおもちゃをとられたら泣く、また、おもちゃで遊んでいて飽きたらいま遊んでいるおもちゃを片付けずに別のおもちゃをとりだしてきて遊ぶ。このような自由奔放なことが許されるなは子どもだからであり、逆にこの自由奔放さがない子どもは心配される。
次に二つ目は、子どもは観察力に優れている生き物であるということだ。一般的に、大人は物事をすでに理解してしまっていて、観察する力が衰退していることもあるが、子どもはまだ理解していることが少ない分、好奇心が旺盛であり、観察する力は大人より優れていると考える。
以上のことから、私にとっての「子どもなるもの」は、自由奔放であり、観察力に優れているということだ。
大人と子どもの違いの講評(抜粋)
子どもと大人の違いについて深い洞察を提供しています。子どもの不定形な動きや曖昧なものへの執着を、大人が意味不明として無視する対比が興味深く描かれています。
また、自由奔放でありながらも、子どもは観察力に優れているという二つの側面を明確に示しています。例も具体的で、読者に印象的なイメージを伝えています。
しかし、もう少し論文全体を統一感のある構造に整え、各部分のつながりを強調するとより効果的かもしれません(添削参照)。全体的に、深い洞察があり、興味を引く内容になっています。
大人と子どもの違いの視点を考えるヒント
■同世代に感じる大人
同世代で大人だなあと思う人はいませんか?なぜ大人と感じるのだろう。そこが、子どもと大人の違いであり、子どもなるものの理由になる可能性も。
■単なる年齢の違いではない
子供と大人を、単なる「年齢で考えていませんか?」 年齢は大人でも、子どもはいますし、逆に子どもでも、大人な人はいます。
大人と子どもの違いの新たな視点
①子どもは、やる理由を探すのがうまく好奇心が旺盛であるのに対して、大人はできない理由、やらなくていい理由を探すのがうまいので一歩を踏み出せない人が多い。つまり、年齢的に大人でも、好奇心があり、一歩を踏み出せている人は、いい意味で精神的に子どもであると言える。
②子どもは、経済的自立ができない。親のもとでしか、存続できない。親に依存できているため、明日の経済的なことを考えないでいいため、自由奔放である。
【一般論】大人と子どもの違い
■認知能力と理解力
子どもは発達途上であり、経験や学習を通じて認知能力が向上します。大人は既に多くの経験を積んでおり、より複雑な問題に対処する能力が高まっています。
■感情の処理
子どもは感情をまだコントロールするのが難しく、感情の起伏が激しいことがあります。大人は経験から学び、感情をより適切に処理できるようになります。
■身体的発達
子どもは成長段階にあり、身体的な発達が進行中です。大人は成長がほぼ完了しており、身体の機能や強度が安定しています。
■社会的関係
子どもは親や教育者との関係が重要で、他の子どもたちとの社交も発達の一環です。大人はより複雑な社会関係を築く必要があります。
■責任と決定力
大人はより高度な責任を持ち、自分の行動に対する結果をより深く理解します。子どもはまだこのような責任を全うするのが難しく、親や指導者のガイダンスが必要です。
■学習のアプローチ
子どもは好奇心旺盛で直感的な学びが主体です。大人はより論理的で経験に基づく学びが増えます
コメント