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【総合型選抜(AO)入試】講義型レポートの書き方

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今回は、九州大学共創学部や慶應義塾大学法学部志望生から質問の多い講義型レポートおよび小論文の書き方についてです。九州大学共創学部や慶應義塾大学法学部、中央大学法学部などのAO入試では、講義を受けたそのうえでのレポート作成、また小論文のうち要約型の論文の形式をとる大学も増えてきています。それでは、【AO・推薦】講義型レポート・要約型論文の書き方です。

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講義型レポート・要約型論文

講義型レポートとは、講義を受講した上で、講義内容を要約させるパターンが多いです。講義時間、字数制限など大学によって様々ですが、字数制限が無制限となっている大学もあります。ほとんどの大学で、要約しつつ自分の考えを求めさせたり、要約のほかに、それに絡めて設問が別に用意させてあったりという出題形式となります。

いずれにしても、AO入試で一貫してみられることの1つの「論理性」があるというのは言うまでもありません。ここでも「論理」を伴った論文が必要です。

論文や講義の展開

論文や講義には、おおきな流れとして、著者や授業者によって、自分の主張が前半と後半にどちらかにウエイトが置かれる2つパタ-ンがあります。

  • 結論(主張)→理由(説明)→かんたんなまとめ
  • かんたんな主張→理由(説明)→結論(主張)

いわゆる「意見」→「説明」→「意見」といったサンドイッチ型にどちらもなっています。特に講義では、授業の終わりになるほど、授業者の主張の占めるウエイトが大きくなる傾向があります。

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実際の要約例

生物多様性は現代の環境問題の中心的なアジェンダにもなっている。生物学者は生物多様性を保護するための国際的構築として生物多様性条約を終結した。一方で、生物多様性の重要性をグローバル・コモンズとして認知させようと図ったがグローバル商品として経済価値を最重要視する動きがみられた。そして、経済価値が重要視されていく中で、生物多様性を直接的に保護する地域社会の人たちの知的所有権が持ち出された。生物学者は生物多様性は多様なことだけが重要なのではなく、生物相互のつながりに価値を見出した。したがって、われわれに必要とされているのは世界中の生物多様性とどのように関わることができるのかを考えることである。したがって、今日のグローバル経済における交換価値や使用価値として生物多様性を捉えるのではなく、生産者と消費者の距離を何か違う価値を生み出すことで生物多様性の重要性を築くことができると考える。
<題材は、慶應義塾大学「課題レポート要約型論文」の過去問より>

原文のキーセンテンス

筆者は、「生物多様性」における現状と問題点を説明→結論として、「関係価値(別の価値)」を主張している。これが大きな柱です。さらに、今回は、「関係価値(別の価値)」の具体例を示すことが条件となっています。具体例は、自分の意見を述べるチャンスとなっていました。

各段落(今回は、小見出しがあるので、それ1つのパラグラフとみなす)のキーセンテンスを拾っていくと、

  • 第一段落 生物多様性は現代の環境問題の中心的なアジェンダだが、その生物多様性の定義は複雑化している。
  • 第二段落 生物多様性条約においては、利用と保全の2つの目的では所有権などの対立を生むので、新たな目的が必要。
  • 第三段落 今日では、生物多様性の利用の経済価値にも言及。保全にあたっても経済価値が最重要課題となり、生物多様性そのものが商品化している。
  • 第四段落 生物多様性が語られる以前の地域の人は、経済価値でなく、使用価値にその価値を見出していた。保全に関しては、地域の人の役割が大きい。
  • 第五段落 生物多様性よりも生物のつながりが大事。これは保全にあたっての人々のつながりにもあてはまる。そして、いま必要なのは、人々と生物多様性とのつながり。新しい価値基準、関係価値が大事

添削・ポイント

要約については、上記の実際の要約例のように、接続詞の使い方(展開の仕方)が大事になってきます。接続詞の使い方は、要約文では、大事なポイントです。接続詞について再度見てみてください。

今回は、段落ごとに「小見出し」がある場合は、それぞれのパラグラフのキーセンテンスを織り込んだ方がいい。その点において、第二段落については、条約の締結しか述べていないので、筆者が挙げていたその問題点(ねじれ)も要約に織り込んだ方がよかったでしょう。

要約については、最初に段落ごとのキーセンテンスを拾って、筆者が強い言葉を使ったところや今回のように筆者が作り出した言葉(定義)を述べているところを外さなければ、不合格になることはないでしょう。また、要約は、その論文の「抜き出し」や「コピー」ではないので、自分のことばに置き換えて書く必要もあります。自分のことばは、自分の意見ではないので注意。

さらに、要約の最後には、「具体例」として挙げているのかもしれませんが、筆者の言葉を違った言葉で置き換えた感じ(筆者自身も抽象的に書いているので、出題者は、きっとあなたの具体例を聞かせてほしい。)なので、もっと具体的に記述する必要があったでしょう。

たとえば、具体例ですが、筆者は、「関係価値のことをつながることで豊かになり、つながりが切れたときに大切だったと気づく価値」と述べています。それを踏まえると、「分断されている生産者と消費者が直接会う(顔を知る)仕組みづくりが大切」みたいなことを記述できるといいのではないでしょうか。顔を知ることでより密接な関係性(自分事になる)が生まれる。生物多様性を語るときも、相手を知らないとどこか一般論になりがちな議論も、顔を知ることで、当事者意識をもって議論ができるなどと展開していくこともできます。

論文は、正解はないので、論理的に、自分の意見を述べることが大事となります。

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