慶應義塾FIT入試(法学部)A・B方式合格!論文・面接など対策の仕方の記事です。慶応義塾大学法学部のFIT入試の2次(最終)試験の合格発表があり、見事塾生が慶應義塾法学部政治学科の合格を勝ち取りました。備忘録として、残しておきたいと思います。
慶應義塾FIT入試(法学部)の特徴
慶応義塾FIT入試は、いわゆる他大学でいうところの総合型選抜入試と似たような入試方式となります。「第一志望で慶應義塾大学法学部法律学科・政治学科で勉強したい」学生と、「この学生を教えたい」という学部教員との相性(fit)を実現しようとするものとして、2006年度よりスタートした入試です。
2012年度からは、従来型のFIT入試(A方式)に加え、地域ブロック枠という考え方を採用した入試制度(B方式)もスタートしています。卒業後に慶應義塾大学法学部で学んだ成果を、出身地域の活性化に活かしてくれることを期待してつくられた制度になります。
それぞれの大学に課せられた学業成績や活動など入試条件をクリアした上で、書類選考、論文、ディスカッションや面接などの試験が各大学で行われる入試です。
例年、以下のような選考が行われます。
慶應義塾FIT入試(A方式)
- 1次試験…志願者調書、志望理由書、調査書、自己推薦書の提出による書類選考
- 2次試験…論述試験(講義型論文)、グループ討論
慶應義塾FIT入試(B方式)
B方式は、地域に配慮した入試で、日本全国を7つのブロックに分け、ブロックごとに選考し、各ブロックとも学科ごとに最大10名程度の合格者を決定する方式です。
- 1次試験…志願者調書、志望理由書、調査書、評価書の提出による書類選考
- 2次試験…総合考査(課題型論文と創作型論文の2本)、面接
A方式の自己推薦書
慶應義塾大学法学部のFIT入試(A方式)では、一次試験の提出書類に「自己推薦書」を提出しなければなりません。これは、自由に自己PRを書き込むもので、毎年、多くの受験生が頭を悩ませている書類の一つになります。
手書きでカラフルに自己PRを書き込む生徒もいますし、PCでかっちりとした文書を作成する生徒もいます。内容は、生徒会活動や部活動、ボランティア活動や、留学経験などを書く生徒が多いようですが、他の受験生のPRに紛れないように、インパクトある自己推薦書にしなければなりません。
もちろん、アドミッション・ポリシーとのすり合わせや、志望理由書との整合性も必要になります。
講義レポート型論文試験
FIT入試のA方式で課されるのが、講義を受けた後に、その講義を前提に課される論文試験です。受験生が大学1年生が受けるレベルの講義を受け、その要約を書かせたリ、それを踏まえて持論を展開していく試験になります。
昨今の時事問題にも精通しておかないと、なかなか論文が書けないという状況も考えられますので、新聞やニュースを毎日目を通すように心がけておきましょう。
また、法学部だけに法律の知識や政治の知識もある程度必要になります。民主主義とは何なのか?憲法の重要な条文は把握しておくことは言うまでもないでしょう。
総合考査の小論文
FIT入試のB方式では、対策が難しい独特な小論文が出題されます。創造力や独創性、発想力が必要な小論文で、一般的な小論文を書き慣れている生徒でも苦戦するようなテーマが毎年出題されます。
当たり前のような概念にも疑問を投げかけるような問題が多いので、自分なりの定義が必要になります。日ごろから「自由とは何か」「幸せとは何か」など、あるゆるものごとの自分なりの定義づけを意識することが重要です。
FIT入試の対策
一言でいえば、難関大学のAO入試突破のカギは、「日常力」を鍛えるということです。普段から、さまざまなことにアンテナを張り、損得や出来不出来関係なく、疑問に思ったことは調べてみることでしょうか。一見すると、入試には関係ない「知識」をためていき、ためることを継続することで「教養」となり、結果として入試でも生かされます。
具体例としては、
- あることを調べていると、そこに大きな解決すべき問題を発見し、それが「志」「大学で学んでみたいこと」のきっかけになりうるかもしれません。
- あることを調べたその知識が、小論文を記述していく中での手助けとなるかもしれません。
- その調べ続けた知識が教養となり、あなた自身の人となりを変えるかもしれません。
このように、数値では測れませんが、これから生きていく上での素養を構築していることは間違いありません。
FIT対策 実際にやったこと
- 提出書類の添削(5月から随時)
- 過去10年分の慶應FIT入試の小論課題(2週間に1本のぺース)
- 慶應他学部の小論課題10テーマ分(2週間に1本のペース)
- 九大など難関大学AOを志望する塾生たちとのディスカッション(月に平均2・3回程度)
- LINEグループでの情報・知識共有、意見交換(不定期)
- 面接対策(1次試験通過後、週1程度)
- 推薦図書(10冊程度の政治・法律領域の専門書、その他本など)
小論文に関しても、ただ論述→添削の1往復でなく、同じテーマを少なくとも2往復をすることで、与えられたテーマに関する知識を深めたり、視点を増やしたりすることに努めました。
もちろん、このような対策だけではいけません。日ごろの学業や部活動(または、課外活動)を精一杯頑張ることも必要です。その中で
「思う通りにいかなかったこと」を数多く経験する
ことが大事です。精一杯頑張っていたら、必ずやってくる「思う通りにいかないこと」。安心して、その思い通りにならないことを楽しみましょう。それは、努力や挑戦をしている人にしか、多くは訪れません。実は、その「思い通りにいかないこと」が、自分の成長へのカタリストになったり、本当の幸せを知るきっかけになったりすることも少なくあります。
- 「なかったらつくる」
- 「迷ったらやってみる」
- 「損得考えずにやってみる」
そんな精神で、日常を過ごしていきましょう。これまで難関大学を合格してきた人、今日、慶應を合格した人たちを見ても、そう思います。
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