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【高校古文】十訓抄のテスト対策問題

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【高校古文】十訓抄のテスト対策問題です。高校古文で頻出の『十訓抄』。入試や定期テストで問われることが多く、しっかりと対策しておきたい作品の一つです。本記事では、『十訓抄』の背景や重要語句、テストに出やすい問題を一問一答形式でまとめました。ストーリーの流れや教訓を押さえつつ、実践的な問題演習で得点アップを目指しましょう!

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十訓抄のテスト対策問題

【問題】次の古文は「十訓抄」の一節である。これを読んであとの問に答えなさい。

大納言行成卿、いまだ①殿上人にておはしける時、実方中将、いかなる憤りかありけん、②殿上に参り会ひて、いふこともなくて、行成の冠を打ち落として、a小庭に投げ捨てけり

行成少しも騒がずして、主殿司を召して、「冠取りてb参れ」とて、冠して、守刀よりかうがい抜き取りて、髪かいつくろひて、ゐなほりて、「いかなることにて候ふやらん、たちまちにかうほどの乱罰にあづかるべきことこそ、覚え侍らね。その故をc承りてのちのことにや侍るべからん」とdことうるはしういはれけり。実方はしらけて逃げにけり。

折しも③主上、小蔀より御覧じて、「行成はいみじきものなり。かくおとなしき心あらんと思はざりしか」とて、そのたび蔵人頭あきたりけるに、多くの人を越えてなされにけり。

※主殿司…宮中の清掃や点灯などを仕事とする女官。
※守刀よりかうがい抜き取りて、…守刀の鞘についている平たい棒状の整髪の道具をとり出して、
※蔵人頭…蔵人所の長官。ふつうは「中将」などが兼任する重要なポスト

問一 下線部a〜dの主語として、適当なものを次の中からそれぞれ選びなさい。
ア 大納言行成  / イ 実方中将  / ウ 主上 / エ 主殿司

問二 下線部①「殿上人」と同じ意味を示すものを次の中から二つ選びなさい。
ア堂下 / イ月客 / ウ雲堂 / エ堂上 / オ上

問三 下線部②「殿上」および③「主上」とは何か答えなさい。

十訓抄のテスト対策問題の解答

解答・解説
『十訓抄』は教訓的な説話です。実方の乱暴にじっと耐えて思慮深く振舞った行成と、軽率な行動に走った実方。両極端の人物です。それを小窓(小蔀)から天皇(主上)が見ています。天皇は、昼の御座から殿上の間を御覧になっていたと想像できます。

問一 aイ bエ cア dア

aは「主語同一用法」が有効ですよ。bやcは「」の中の敬語に注意することが大事!「」の文の命令形は、主語は二人称になります。また、基本的に「大納言行成」には尊敬語が使われますが、「実方中将」には使われていません。「大納言」の方が「中将」より高貴だからですよね。あとは文脈で判断できます。なお、一行目の「いかなる憤りかありけん、」は挿入句です。

問二 ウ(雲客)・エ(堂上)

「殿上人」のことを「殿上」「雲客」「堂上」「雲の上人」などともいいます。天皇は当時「神様」や「太陽」だとあがめられていましたから、その天皇の住む宮中は「雲の上」ともよばれていました。まさに「殿上」は、雲の上にあるような超高貴な場所だったんでしょうね。「雲客」や「雲の上人」もその関連語と考えましょう。

問三 

②「殿上」=殿上の間
③「主上」=天皇
こういった単なる知識問題は、覚えておけば確実に得点源になります。

<現代語訳>
大納言行成卿が、まだ殿上人でいらっしゃったとき、実方中将が、どのようないきどおりがあったのだろうか、(宮中の)殿上の間に参上し(行成と)会うと、無言で、行成の冠を打ち落として、小庭に投げ捨ててしまった。

行成は少しも騒がないで、主殿司を呼んで、「冠を取って参れ」と言って、冠をかぶり直して、守り刀の鞘についている「かうがい」を取り出して、耳の上あたりの髪をかき整えて、居住まいを正して、「どのようなことでしょうか。急にこのような乱暴に出くわす覚えがありません。その理由をうかがってのちに決着をつけましょう」と理路整然とおっしゃったのであった。実方は興ざめして逃げてしまった。

そのとき天皇が、小蔀より御覧になって、「行成はたいした奴だ。このように分別のある心を持っているとは思わなかった」と言って、そのとき、(重職である)蔵人頭が空席であったために、多くの人を飛び越して(行成はその職に任命されたのであった。

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