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【大学入試小論文】「自己責任論」をどう考える?書き方・解答例を徹底解説

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近年、「自己責任」という言葉は、災害や貧困、SNSでの炎上問題など、さまざまな場面で耳にするようになりました。
一方で、この考え方が過度に強調されると、社会的支援の必要性や他者への共感が軽視されるという批判もあります。
大学入試の小論文では、この「自己責任論」をどう捉え、どのように社会と個人の関係を考えるかが問われることがあります。
この記事では、「自己責任論」をテーマにした小論文の書き方や構成のポイント、具体的な解答例をわかりやすく紹介します。

【課題文の要約】
最近では、日本はすばらしいというネット右翼の人さえ日本について疑問を持っている。その原因は自分が直面している問題をまるで他人事のように語り自分の意見を主張しないからだ。日本には、中国やアラブ諸国とは異なり、表現の自由がある。自分で考えたり、行動したりするための「道具」や「材料」があるにも関わらずそのありがたさもわかっていない。それこそが、日本の人たちの最大の不幸である。
【問題】
著者が言う「いつまでたっても残業が減らず、労働環境や住環境が悪化する一方なのは、つまり、自分の責任なんです。 」ということについて、あなたが考えることを六百字以内で述べなさい。
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自己責任論

自己責任論

① 定義

自己責任論とは、「自分の行動の結果はすべて自分で負うべきである」という考え方です。個人の自由や努力を重視する一方、失敗や不幸を本人の責任として片づけてしまう傾向もあります。

② 歴史的・社会的背景

  • 1990年代以降の新自由主義的政策(自己努力・競争重視)の広がりとともに強調されるようになった。
  • 経済の格差拡大や社会保障の縮小とともに、「自助・共助・公助」のうち“自助”を強調する風潮が強まる。

③ 利点

  • 主体性の促進
    個人が自分の人生に責任を持ち、努力する姿勢を促す。
  • 公平感の維持
    努力した人が報われる社会を目指す価値観につながる。
  • 依存の抑制
    他者や国への過度な依存を防ぐ効果がある。

④ 問題点・批判

  • 社会構造の無視
    貧困・差別・障害など、本人の努力ではどうにもならない背景を軽視する。
  • 被害者への責任転嫁
    災害被災者・病気・失業者などにまで「自己責任」として支援を減らす風潮が生まれる。
  • 連帯意識の低下
    社会全体で支え合う公共性や共助の精神が弱まる。
  • 格差の固定化
    「努力が足りない人」として扱われ、支援を受けにくくなり貧困が再生産される。

⑤ 現代社会での論点

  • SNS上での炎上や事件報道でも「自己責任」とする声が広がりやすい。
  • コロナ禍や災害時に「支援よりも自己管理を」強調する風潮が見られる。
  • 「個人の自由と社会的支えのバランス」をどうとるかが問われている。

⑥ 対応・今後の方向性

  • 構造的要因の理解
    貧困・差別・教育格差などの背景を社会全体で捉える視点が必要。
  • 共助・公助の再評価
    「誰もが支え合う社会」の仕組みを強化する。
  • 教育での意識改革
    「自分の責任」と「社会の責任」を区別して考える力を育てる。

まとめ(自己責任論の要点)

自己責任論は自立を促す側面を持つ一方で、行き過ぎれば弱者切り捨てにつながります。現代社会では、個人の責任と社会の責任の両立をどう実現するかが重要な課題です。

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ある人の自己責任論についての解答例

筆者は本文で、道具や材料があるにも関わらず、自分の意見を主張しないために労働環境や住環境が悪化していると述べている。また、それは自己責任だと述べているが、私はそうだとは考えない。

たしかに、他国よりも資源は恵まれていて、道具も材料も充分にある。そして、日本人はそれに気づいている人は増加傾向にある。なぜならば、人々は発展途上国に対して募金活動を行ったり、テレビにCMでも発展途上国の現状が流れているからだ。そのために物のありがたみを感じている人も増えている。

私が考えるのは、自分の意見を主張しないのではなく、自分の意見を主張できない環境に日本はなっているのでないかと考える。例えば、昨今でよく聞くようになったセクハラやパワハラという問題。上下関係がはっきりとしている日本では、労働環境が悪化しても圧力に屈することが不可能になるという事例が起きているのである。

このような事例を見てみると、簡単には自分の責任だと言えなくなる。この問題を解決するためには、個人レベルの責任ではなく、会社、そして国までもが制度を変えていく必要がある。国は、セクハラやパワハラに対する法制度を改正したり、会社は、やった人に対して厳しく懲戒をしたりと全体が変化しく必要があると考える。

以上のことから、私は、自分の責任だとは言い切れないと考える。

自己責任論についての添削・アドバイス

1.主張を明確にする
現状、「自分の責任ではない」という主張は伝わりますが、冒頭部分で筆者の主張とあなたの反論をより簡潔に述べると、テーマが明確に伝わります。

例:筆者は本文で、労働環境や住環境の悪化を「自己責任」としているが、私はこれに賛同できない。なぜなら、現在の日本では「自分の意見を主張しない」ことが問題ではなく、「自分の意見を主張できない環境」に原因があると考えるからだ。

2.中央部分の論旨を整理
以下の段落では、主張が少し曖昧になる部分があります。例えば、発展途上国の状況と日本人の意識の関連性について述べていますが、これが主題(労働環境や自己責任の問題)と直接結びついているかがやや不明瞭です。

改善案:
発展途上国の話を削除するか、主題に関連付ける。
「意見を主張できない環境」の具体例に焦点を絞る。

修正版例:たしかに、日本には豊富な道具や材料があり、それに気づいている人も多い。しかし、問題はそれらを活用できない環境にある。例えば、昨今のセクハラやパワハラの問題では、上下関係が厳しい日本社会の構造が原因で、労働者が意見を主張できない状況が生まれている。

3.解決策の具体性を強化
解決策の部分で「会社や国が変化する必要がある」と述べていますが、具体的な施策が少し抽象的です。もう少し具体例を挙げることで説得力を増すことができます。

改善案:既存の法制度や取り組みを例に挙げる(例えば、「セクハラ防止法」や「労働基準監督署の活動」など)。
国や企業がどう関与すべきかを明確にする。

修正版例: この問題を解決するためには、企業が従業員の意見を聞く場を設けたり、第三者機関による労働環境のチェックを行ったりすることが必要だ。また、国はセクハラやパワハラに対する罰則を厳格化し、被害者が安全に相談できる制度を整備するべきだ。

4.結論の強化
最後の結論部分をもう少し強調することで、読後感を高めることができます。具体例を簡潔にまとめつつ、最初の主張と対応させると良いです。

修正例: 以上のことから、「自己責任」で問題を片付けるのではなく、社会全体が環境を改善する努力をする必要があると考える。個人が安心して意見を主張できる社会こそが、労働環境や住環境の改善につながるのではないだろうか。

5. 文法と表現の調整
以下のような細かな表現の調整が必要です。

・「圧力に屈することが不可能になる」という表現は少し不自然。「圧力に屈してしまう状況に追い込まれる」などが適切。
・「簡単には自分の責任だと言えなくなる」という部分は、主語が不明瞭。「これを自己責任と断じることは難しい」などに修正。

原文をもとにした自己責任論の構成案

(主張)筆者は本文で、道具や材料があるにも関わらず、自分の意見を主張しないために労働環境や住環境が悪化していると述べている。それは自己責任だと述べているが、私はそうだとは考えない。私が考えるのは、自分の意見を主張しないのではなく、自分の意見を主張できない環境に日本はなっているのでないかと考える。

(例示)例えば、昨今でよく聞くようになったセクハラやパワハラという問題。上下関係がはっきりとしている日本では、労働環境が悪化しても圧力に屈することが不可能になるという事例が起きているのである。

(対策)このような事例を見てみると、簡単には自分の責任だと言えなくなる。この問題を解決するためには、個人レベルの責任ではなく、会社、そして国までもが制度を変えていく必要がある。国は、セクハラやパワハラに対する法制度を改正したり、会社は、やった人に対して厳しく懲戒をしたりと全体が変化しく必要があると考える。

(反駁)たしかに、他国よりも資源は恵まれていて、道具も材料も充分にある。そして、日本人はそれに気づいている人は増加傾向にある。なぜならば、人々は発展途上国に対して募金活動を行ったり、テレビにCMでも発展途上国の現状が流れているからだ。そのために物のありがたみを感じている人も増えている。しかし、まだ十分だとはいえない。

以上のことから、私は、自分の責任だとは言い切れないと考える。

論文は、基本、最初の自分の主張を述べて、例示(具体例)、解決策、反駁を講じて、主張に一貫性があること、説得力があることをアピールします。
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