大学入試小論文「生物多様性に関する解答例」についてです。生物多様性については、医学部・理学部・農学部など理系学部を中心に出題が多くなっているテーマの1つです。それでは、大学入試小論文「生物多様性に関する解答例」です。
生物多様性に関する解答例
生物多様性条約をきっかけに、人類共通の資源が交換価値として経済的に利用されている。よって、グローバルコモンズというよりグローバル商品を重要視されるようになった。
しかし、生物多様性は誰が守るべきなのか、という点において地域社会がその「保全」において重要な役割を果たしている。生物多様性の使用価値を認めている彼らはグローバル・コモンズの国際的認知が半ば無視されつつある中、人類共通の資源を守りつつ、利用価値を深く理解しながら賢明な利用を続けてきた。これらの価値観の相違から、「保全」するべきか「利用」するべきかを定義する前に、生物多様性に関係価値;新たに見出すべき価値を探る必要があると議論している。今日グローバル経済が進展する中、交換価値を重視することは生産者と消費者が分断されてしまう可能性がある。それらがつながることによって豊かな価値、つまり関係価値が見出せるのではないかと筆者は述べている。
生物多様性に関する総評
要約は、よくできています。題意は、筆者の考えを400字程度でまとめたうえで、人間社会における「関係価値」を自分なりに具体例を挙げながら、論じなけらばならなかったのではないでしょうか。字数は、筆者の考えをふくめて、800~1200字程度でまとめればよかったでしょう。
生物多様性に関する添削
×生物多様性に関係価値;新たに見出すべき価値を探る必要
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○生物多様性における新たに見いだすべき関係価値を探る必要
生物多様性に関する参考
たとえば、具体例ですが、筆者は、関係価値のことをつながることで豊かになり、つながりが切れたときに大切だったと気づくと述べています。それを踏まえると、「分断されている生産者と消費者が直接会う(顔を知る)仕組みづくりが大切」みたいなことを記述できるといいのではないでしょうか。顔を知ることでより密接な関係性(自分事になる)が生まれる。生物多様性を語るときも、相手を知らないとどこか一般論になりがちな議論も、顔を知ることで、当事者意識をもって議論ができるなどと展開していくこともできます。
正解はないので、論理的に、自分の意見を述べることが大事!
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