大学入試・小論文出題ネタ|日本文化のポイントをまとめています。
日本文化のポイント
日本文化についての問題はさまざまな学部で頻出。欧米との文化の違いを扱っていたら、この種の問題と考えてよい。
日本の文化の特徴
日本の文化は、地域的多様性がある。地域によって気候や風土に応じた多様な雑煮のもちの形や汁のちがいなど文化が存在する。
- 琉球文化…沖縄や奄美群島の人々によって受けつがれてきた文化。三味線に似た三線の伴奏による島唄やゴーヤーなどを使ったチャンプルーという郷土料理は、 全国的に人気を集めている。
- アイヌ文化…北海道、樺太(サハリン)、千島列島の先住民族であるアイスによって受けつがれてきた文化。
- 京都の伝統文化…歴史的町並みと、伝統的な工芸や行事が残る古都。8世紀末から1000年あまり都が置かれた京都は、碁盤目状に道路が走り、多くの寺社、京町家が建ち並ぶ。
伝統文化の継承と保存の少子高齢化や過疎化によって伝統文化の存続が危ぶまれる→文化財保護法により有形・無形文化財の保存に努力。
集団主義
日本の最大の特質は集団主義だ。集団作業の必要な稲作の影響などで、日本人は自我意識が弱く、自分よりも所属する社会集団を重視して、集団の「和」 を大事にする傾向が強い。
集団主義には、集団行動が多く、時に全体主義的になるという欠点がある。つまり、個人の意志が通らずに、全体の意志でものごとが決まる。
集団のために自分を犠牲にすることを当然と考える。別の考えを持つ人間を認めず、異質の人間を排除する。個性的な人物が育たない。 太平洋戦争中のように「非国民」扱いが 起こる。
また、仲間だけに通じる暗黙の了解に基づいて行動するため、論理的に物事を処理することが苦手だ。イエス・ノーをはっきりさせず、すべてをうやむやにする。
議論することは少ない。あいまいなまま、何となくすべてが決まってゆく。他民族との交流も得意でない。要する に、「同じ人間なのだから」という発想で、一つの価値観を信じてしまう。「別の人間」という意識を持たず、別の価値観を認めようとしない。だから、どうしても、別の価値観を持つ人間とはうまく付き合えない。
別の価値観の人々と議論し、交渉するという国際社会・民主主義社会と相容れない面が、日本人の集団主義の中には確かにある。
しかし、集団主義にもよい面はある。
まず、日本がほかの先進国よりも平和で、思いやりのある文化が発達しているのは、集団主義のためと言えるだろう。欧米ほど自己主張をせず、利己的に振る舞うこ とも少ない。暴力的に行動することも少ない。日本が経済的な豊かさを手に入れたのも、集団的な価値観を持ってみんなが努力をし、競争したためだった。
だが、今、この集団主義が変質してきており、若者を中心に個人主義的になってきている。個室を持つ子どもが多く、西洋的な文化が広まっている。他人のことに無関心で、自分の中に閉じ込もる傾向が強まっている。
そのために、価値観が多様化して、個人を主張する人間も増えてきた。これからの若者の行動は、集団主義から個人主義への変質の現れとして捉えられるものが多くなるだろう。
商業主義
日本は他の先進国に比べても、特に商業主義が盛んで、金を出すだけで何でもできる国になっている。そのために、お金がすべてという社会になっている。
東洋の世界観
日本人の考え方の奥には東洋的な自然観・人間観がある。西洋では、ものごとを的に考えて、たとえば、人間と自然を別のものと考える。だが、日本人の多くは、人間と自然はつながっていて、人間は自然の一部と考える。
文化の役割と課題
私たちの生活と文化の「文化」にはさまざまな意味がある。
- 「教養」の意味(例)文化祭カルチャー、カルチャー(文化)センターなど
- 生活環境の中で身につけた行動の仕方や価値観によって生み出されるもの。言葉、あいさつ, 食事の仕方など
日本語を話す、お辞儀をする、おはしを使って食べることも「文化」
文化は、豊かな社会生活を送るために大きな役割を果たしているが、負の側面もある→科学技術の発展が害をもたらすダイナマイトの戦争利用、原子力発電所の事故、危険性(リスク)、異なる宗教や宗派間の対立や紛争の発生。
暮らしに生きる伝統文化
伝統文化とは 長い歴史の中で育まれ, 受けつがれてきた文化。
➋庶民によって受けつがれてきた文化…衣食住・年中行事・冠婚葬祭
伝統的な習慣や言葉にこめられた価値観も伝統文化といえる。合格祈願の絵馬, 花見 「おかげさま」「おたがいさま」「おもてなし」などがそれにあたる。
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