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【大学入試小論文】SDGs国際目標達成のための解決策についての解答例

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【大学入試小論文】SDGs国際目標達成のための解決策についてです。

【問題】2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている持続可能な開発目標(SDGs)には17の国際目標がある。この国際目標の中から観光の分野において貢献できると考えられる目標を1つあげ、その目標を達成するために取り組むべき課題とその解決策について850字程度で述べなさい。
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【ある人の解答】SDGs国際目標達成のための解決策について

SDGsにある17の目標の中で、観光の分野に貢献できると考えられる目標は、「11住み続けられるまちづくりを」である。この目標の課題として、日本は自然災害が多いにもかかわらず、それに対する行動意識が低いことが挙げられる。解決策として、町内ごとの避難訓練を実施すればよい。なぜなら、実際に災害が起こった際に動く練習をしなくてはならないからだ。

最近、能登地方における地震が相次いでいる。私自身、かなり大きな揺れを感じたのだが、揺れている最中は何も動けず、揺れが収まった後もどこに避難すればいいのかわからなかった。地震等の災害が起こった際に、実際どう動くかは、実践的に練習する必要がある。町内ごとの避難訓練を実施することにより、自分がどこに避難すればよいのか、どうやって移動するかといった手段が明確になるのだ。町内で3カ月に1回必ず実施することで、地域住民の災害に対する意識付けができる。
たしかに、3カ月に1回となると、住民の負担が大きく、避難訓練が面倒だと考える人もいるかもしれない。しかし、日々の訓練のおかげで、実際災害が起こった際に正しい行動が取れるのではないだろうか。避難訓練が面倒だと考える人のために、地方のテレビで災害の恐ろしさを伝える番組を放送してもらう。さらに、町内会で配布するチラシに、その番組の情報や、避難訓練の実施日、内容等を掲載する。これらを実施することで、人々が災害に対する非難意識がより高まり、いざというときに的確な行動をとることが可能となる。1人1人の意識を高め、災害が生じた際に誰一人として取り残されないというSDGsの目標を達成することができるのだ。

以上のように、SDGsの目標である「11住み続けられるまちづくりを」を達成することで観光の分野に貢献できる。日本では自然災害に対する意識が低いという課題がある。これを解決するために、町内ごとの避難訓練を実施することにより、災害に対する意識が高まり、SDGsの目標の達成につながることを主張する。

【講評の抜粋】SDGs国際目標達成のための解決策について

「日本は自然災害が多いにもかかわらず、それに対する行動意識が低い」ことの解決策としての論文であれば、非常によかったと思います。
しかし、観光の分野と自然災害が結びつかず、そこがもったいないかなと感じました。

(今回の問い)「観光の分野において(つまり、観光の分野が)貢献できると考えられるSDGの目標」であって、「SDGsの目標を達成することで観光の分野に貢献(原文赤字)」ではないのです。

Aさんの意見を踏襲し、観光の分野において「11住み続けられるまちづくりを」に貢献できるとすれば、ユニバーサルデザイン(※)のまちづくりかな。
【課題】訪れた人の誰もが、観光をしやすい状況ではない。たとえば、障がい者。
【解決策】ユニバーサルデザインのまちづくり
【結果】住民にとっても、住み続けられるまちになる。

(※)ユニバーサルデザイン
障害の有無、年齢、性別、言語にかかわらず多様な人々が利用しやすいように、あらかじめ都市や生活環境をデザインする考え方のこと

以下、観光の分野がSDGsの目標に貢献できる事例を少し挙げています。

観光分野とSDGs

■ サステナブルツーリズム
サステナブルツーリズムとは持続可能な観光を意味します。地域の自然環境や文化、伝統などを守りながら、地域資源を持続的に保つことができるような旅行や観光業の取り組みの総称

サステナブルツーリズムは、
・雇用創出や地域経済活性化が期待でき、目標8の達成に貢献する
・自然環境や文化の保全につながり、目標11の達成に貢献する
・持続可能な消費と生産の実現につながり、目標12の達成に貢献する
・海に関わる観光事業が持続可能となり、目標14の達成に貢献する

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■ ニューツーリズム
ニューツーリズムとは従来の「観る」をメインにした観光旅行とは異なり、テーマ性が高い体験型や交流型を重視した新しい旅行形態です。例えば、サイクリングツアーなどもニューツーリズムに入ると言われています。地域の特色を活かして旅行を商品化するので、地域活性化にも繋がる

■ エコツーリズム
エコツーリズムとは、自然や伝統、歴史や文化など、地域独自の魅力を発信し、観光客がその価値や重要性を学ぶことで、観光客を巻き込みながら地域資源を保全する仕組み

■ 修学旅行誘致
SDGsへの取組アピールによる修学旅行の誘致。福井県あわら市の観光協会などは、周辺地域を風力発電や木質バイオマスなど再生可能エネルギーの先進地としてアピールすることにより、修学旅行の誘致に成功。あわら温泉に問い合わせや宿泊予約が相次いだ。
⇢雇用創出や地域経済活性化が期待でき、目標8の達成に貢献する、
⇢学生たちも再生可能エネルギーについて学べ、目標4の達成に貢献する。

■ 誘客多角化
(例)観光バス事業者による地域児童への移動図書館の提供。観光バスを活用しているという点で、子供たち(やその親御さん)に観光バスに興味をもつきっかけになる。
⇢将来の雇用創出や地域経済活性化が期待でき、目標8の達成に貢献する、
⇢子どもたちに読み聞かせができる点で、目標4の達成に貢献する。

など。

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