【大学入試小論文】SDGs国際目標達成のための解決策についてです。
【ある人の解答】SDGs国際目標達成のための解決策について
SDGsにある17の目標の中で、観光の分野に貢献できると考えられる目標は、「11住み続けられるまちづくりを」である。この目標の課題として、日本は自然災害が多いにもかかわらず、それに対する行動意識が低いことが挙げられる。解決策として、町内ごとの避難訓練を実施すればよい。なぜなら、実際に災害が起こった際に動く練習をしなくてはならないからだ。
最近、能登地方における地震が相次いでいる。私自身、かなり大きな揺れを感じたのだが、揺れている最中は何も動けず、揺れが収まった後もどこに避難すればいいのかわからなかった。地震等の災害が起こった際に、実際どう動くかは、実践的に練習する必要がある。町内ごとの避難訓練を実施することにより、自分がどこに避難すればよいのか、どうやって移動するかといった手段が明確になるのだ。町内で3カ月に1回必ず実施することで、地域住民の災害に対する意識付けができる。
たしかに、3カ月に1回となると、住民の負担が大きく、避難訓練が面倒だと考える人もいるかもしれない。しかし、日々の訓練のおかげで、実際災害が起こった際に正しい行動が取れるのではないだろうか。避難訓練が面倒だと考える人のために、地方のテレビで災害の恐ろしさを伝える番組を放送してもらう。さらに、町内会で配布するチラシに、その番組の情報や、避難訓練の実施日、内容等を掲載する。これらを実施することで、人々が災害に対する非難意識がより高まり、いざというときに的確な行動をとることが可能となる。1人1人の意識を高め、災害が生じた際に誰一人として取り残されないというSDGsの目標を達成することができるのだ。
以上のように、SDGsの目標である「11住み続けられるまちづくりを」を達成することで観光の分野に貢献できる。日本では自然災害に対する意識が低いという課題がある。これを解決するために、町内ごとの避難訓練を実施することにより、災害に対する意識が高まり、SDGsの目標の達成につながることを主張する。
【添削・アドバイス】SDGs国際目標達成のための解決策について
1.問題提起を具体化する
最初に述べている「自然災害に対する行動意識が低い」という課題について、具体的な統計データや事例を示すと説得力が増します。たとえば、災害時の避難率や防災意識調査の結果を引用することで、課題の深刻さを読者に伝えやすくなります。
例:「内閣府が実施した調査では、自然災害時に備えていると答えた日本人は全体の約30%にとどまるという結果が出ている。この数字からも、災害に対する準備や行動意識が十分でないことがわかる。」
2. 解決策の具体性を向上
避難訓練を「3カ月に1回実施する」という提案は具体的で良いですが、さらに実施方法や費用対効果、他地域での成功事例を示すと現実味が増します。
例:「例えば、千葉県のある地域では、住民参加型の避難訓練を年に4回実施し、防災意識の向上が確認されている。また、地域の学校や公民館を活用することで、費用を抑えながら実施可能である。」
3.課題の反論に対する説得力を強化
「住民の負担が大きい」という反論への対応がやや弱く感じられます。説得力を持たせるため、避難訓練がもたらすメリットを感情的・論理的に訴える方法を検討しましょう。
例:「たとえ月1回でも、災害時に命を守るための行動を身につけられるという大きなメリットがある。実際、東日本大震災では日頃の防災訓練が住民の生存率を高めたというデータも報告されている。」
4.SDGsとの結びつきを強調
文章全体で「観光分野への貢献」という主題が少し薄れています。SDGsの目標「住み続けられるまちづくり」が観光とどのように関連しているのかを明確にすると、一貫性が出ます。
例:「災害に備えたまちづくりが進むことで、安全で魅力的な地域として観光客にも安心感を与えることができる。特に、外国人観光客にとって避難情報が整備された地域は訪れやすい観光地として評価される。」
5.結論部分を強化
最後に、提案が実現した場合の具体的なビジョンを示すことで読者に強い印象を与えられます。
例:「このように、地域住民全員が災害への備えを日常的に行うことで、安全で住みやすいまちづくりが実現する。そして、それは観光客にとっても魅力的な地域となり、観光産業の発展に寄与するだろう。」
【全体修正案】SDGs国際目標達成のための解決策について
SDGsにある17の目標の中で、観光の分野に貢献できると考えられる目標は、「11. 住み続けられるまちづくりを」である。この目標の課題として、日本は自然災害が多いにもかかわらず、災害に対する行動意識が低いことが挙げられる。内閣府の調査によると、災害時に「十分に備えている」と答えた人は全体の約30%に過ぎない。この数字からも、危機意識の不足が浮き彫りになっている。これに対する解決策として、町内ごとの避難訓練を定期的に実施することが有効である。なぜなら、災害発生時にどのように動くかを実践的に練習し、住民一人一人が適切な行動を取れるようにすることが重要だからだ。
最近、能登地方で地震が相次いでいる。私自身、かなり大きな揺れを感じたが、その時は動けず、揺れが収まった後もどこに避難すればよいのかがわからなかった。地震などの災害発生時には、冷静に行動できるよう事前に避難訓練を繰り返し行うことが必要である。町内ごとの避難訓練を実施することにより、住民は避難場所や避難経路を明確に把握できるようになり、災害時に正確かつ迅速に行動できるようになる。例えば、千葉県では住民参加型の避難訓練を年に4回実施しており、この取り組みは住民の防災意識を高め、災害時の生存率向上に寄与しているという成果が報告されている。
避難訓練を3カ月に1回実施することは、確かに住民の負担が大きいと考える人もいるだろう。しかし、訓練を通じて実際の災害時に命を守るための行動が身につくことを考えれば、その負担を乗り越える価値がある。また、訓練に参加しない住民には、地方のテレビで災害の恐ろしさを伝える番組を放送することを提案する。この番組で実際の災害時の映像や被害の大きさを見せることで、避難訓練の重要性が認識されるだろう。さらに、町内会で配布するチラシに避難訓練の日程や内容を掲載し、住民が関心を持ちやすくすることで、より多くの人々が参加するよう促すことができる。
このように、町内ごとの避難訓練を定期的に実施することにより、地域住民の防災意識を高め、災害発生時に誰一人取り残されることなく行動できるようになる。この取り組みは、SDGsの目標である「住み続けられるまちづくりを」の達成に直結するだけでなく、観光の分野にも貢献する。観光客にとって、災害時に安全が確保された地域は魅力的な場所となり、観光地としての評価を高めるからである。特に、外国人観光客にとって、避難情報がしっかりと整備されている地域は、安心して訪れることができるため、観光業の発展にも寄与するだろう。
以上のように、町内ごとの避難訓練を通じて地域の防災意識を高めることは、SDGsの目標達成に貢献するだけでなく、観光分野の発展にもつながる。災害に対する備えを日常的に行うことで、安全で住みやすい地域が実現し、観光地としての魅力も向上する。この取り組みが全国に広がれば、より多くの地域が持続可能な観光地となり、SDGsの達成に向けた一歩となるだろう。
【一般知識】観光分野とSDGs
■ サステナブルツーリズム
サステナブルツーリズムとは持続可能な観光を意味します。地域の自然環境や文化、伝統などを守りながら、地域資源を持続的に保つことができるような旅行や観光業の取り組みの総称
・雇用創出や地域経済活性化が期待でき、目標8の達成に貢献する
・自然環境や文化の保全につながり、目標11の達成に貢献する
・持続可能な消費と生産の実現につながり、目標12の達成に貢献する
・海に関わる観光事業が持続可能となり、目標14の達成に貢献する
■ ニューツーリズム
ニューツーリズムとは従来の「観る」をメインにした観光旅行とは異なり、テーマ性が高い体験型や交流型を重視した新しい旅行形態です。例えば、サイクリングツアーなどもニューツーリズムに入ると言われています。地域の特色を活かして旅行を商品化するので、地域活性化にも繋がる
■ エコツーリズム
エコツーリズムとは、自然や伝統、歴史や文化など、地域独自の魅力を発信し、観光客がその価値や重要性を学ぶことで、観光客を巻き込みながら地域資源を保全する仕組み
■ 修学旅行誘致
SDGsへの取組アピールによる修学旅行の誘致。福井県あわら市の観光協会などは、周辺地域を風力発電や木質バイオマスなど再生可能エネルギーの先進地としてアピールすることにより、修学旅行の誘致に成功。あわら温泉に問い合わせや宿泊予約が相次いだ。
⇢雇用創出や地域経済活性化が期待でき、目標8の達成に貢献する、
⇢学生たちも再生可能エネルギーについて学べ、目標4の達成に貢献する。
■ 誘客多角化
(例)観光バス事業者による地域児童への移動図書館の提供。観光バスを活用しているという点で、子供たち(やその親御さん)に観光バスに興味をもつきっかけになる。
⇢将来の雇用創出や地域経済活性化が期待でき、目標8の達成に貢献する、
⇢子どもたちに読み聞かせができる点で、目標4の達成に貢献する。
など。
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