大学入試・小論文出題ネタ|高齢化社会のポイントについてまとめています。
経済学部や法学部のほか、医学系や福祉系でも狙われるテーマです。特に、表やグラフがついた問題では、日本の人口問題つまり、出生率の低下と、そのための高齢化が問われていることが多い。
高齢化社会の問題点
このままでは、2000年がすぎに、 五人に一人が六十五歳以上の老人になりました。高齢化社会には、いくつかの問題がある。
第一は、経済面だ。若者が減るので生産力が落ち、経済力が弱まる。国の活力がなくなり、老人福祉をまかなうには労働者一人当たりの負担が大幅に増えてくる。かなりの増税をしなければ、老人を養えなくなる。そうなると、年金制度も破綻し、若者の働く意欲が失われる恐れがある。
2010年に行われた国勢調査によると、高齢者の割合は23.0%と世界最高水準にあり、これに対して15歳未満の人口は13.2%で、少子高齢化が加速している。また総人口も減少に転じ、日本は本格的な人口減少社会に入っている。
高齢化社会の原因
なぜ、高齢化社会になるのか。原因は二つある。
- 医学が進歩して寿命が延びたこと
- 出生率の低下だ。出生率が低下したために、子どもが減りつづけ、高齢者の率が高くなっていること
出生率が低下しているのにも、いくつか原因があるが、最大の原因は、女性の高学歴化だ。近年、女性も高い教育を受けて、社会に進出するようになった。そのため、晩婚になり、子どもを産むことが女性の最高の幸せと考えられなくなってきた。
高齢化社会の対策
したがって、高齢化社会を解決するには、託児所を完備したり、一度出産のために退職しても、子育てのあとに復職できる制度を広めるなど、女性が子どもを作りやすい環境を作って、出生率を高めることだ。
また、女性だけが育児をするという形ではなく、男性も育児休暇を取 りやすい環境を整備するなどして、男性が育児に参加する形が望まれる。そのためには、家事や育児は夫婦が分担すべきものという考え方を広める必要があるだろう。
だが、これから出生率が高まることはそれほど期待できない。そこで、女性の社会進出をいっそう促したり、停年延長や再就職などによって、老人に働いてもらったりして、経済力が落ちるのを防ぐ必要がある。
同時に増えてくる老人が生きがいを 持って暮らせるような社会を作り、そのための制度を整えていくことが求められている。
高齢化社会について知っておきたいキーワード
【出生率低下】
生まれてくる子どもが減っている。女性が高学化して子どもを産みたがらなくなったうえ、子どもに高い教育を受けさせようとして、教育費負担が重くなるために子どもが減り、そのために高齢化が進んでいる。
【定年延長】
現在、企業の停年は60歳かせいぜい65歳だが、停年を延長して、もっと働いてもらう必要がある。ただし、賃金は減ることを覚悟する必要はある。
【高齢化社会の医療】
高齢になると病気がちになるので、カウンセリングを重視した医療を整える必要がある。気軽に相談でき、働きながら医師とコンタクトのとれる制度が望ましい。
【まとめ】高齢化社会について
【背景】
・出生率の低下:先進国では出生率が低下しており、高齢者の比率が増加している。
・医療技術の進歩:医療の進歩により寿命が延び、高齢者が増加している。
【問題点】
・経済的負担:年金や医療費の増加により、社会全体に経済的な負担がかかっている。
・労働力不足:生産年齢層の減少により、労働力が不足している。
・介護問題:介護が必要な高齢者が増加し、適切な介護が提供できない状況が生じている。
【解決策】
・労働市場の柔軟性:シニア層の雇用機会拡大や、柔軟な労働条件の整備を通じて、労働力不足の緩和。
・健康寿命の延伸:予防医学や健康促進プログラムの強化により、高齢者の健康寿命の延伸。
・ICTの活用:テクノロジーを介した介護や在宅医療の推進により、高齢者の自立支援。
・社会保障の改革:持続可能な年金制度の構築や、医療費の効果的な管理による社会保障制度の改革。
・地域社会の支援:地域社会でのボランティアやサポートネットワークの構築により、高齢者の孤立を防ぎ、共同体の一員としての生活を支える。
コメント