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【高校倫理】デューイの思想のポイント

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【高校倫理】デューイの思想についてまとめています。

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デューイ

デューイ(1859年から1952年)は、プラグマティズムの大成者とされる。デューイはダーウィンの進化論の影響を受け、人間も生物一般と同様に、環境に対して受動的・能動的に適応しながら生きているとした。

道具主義

デューイは、人間が道具を使い、他の生物よりも積極的に環境をつくり変える点を重視した。デューイによれば、人間の知識や理論、思想なども 「道具」である。それらは、人間が現実生活で直面する多くの困難や課題を克服する手段として、役に立たなければならないとした。このような考えを道具主義という。

道具主義の立場では、どんなに学問的にしっかり構成された知識や理論であろうと、それらは仮説であり、究極・絶対の真理ではない。知識や理論が「道具」である以上、その価値はそれらを使用した結果の有用性にある。

結果が有用であれば「真」である。有用でなければ「偽」であり、その知識や理論は修正をせまられるが、それは人間の知性が発展する可能性でもある。

創造的知性(実験的知性)

デューイによれば、さまざまな困難や障害に直面した人間と環境の関係が不安定になると、安定した状況を回復したいという衝動があらわれる。その衝動は、問題解決のための道具としての知性(創造的知性)の働きを活発にする。

試行錯誤と問題解決

創造的知性は、未来への見通しを立て試行錯誤を繰り返し、結果を検証しながら問題解決への道を探究する。その探究は一般に、「問題設定」→「仮説の設定」→「結果についての推論」→「結果による仮説の検証」という実験的プロセスをたどる。

そのため創造的知性は実験的知性とも呼ばれる。そして問題解決とともに過去の習慣が修正され、新しい習慣がつくり出されて、人間性が発展していくとした。

価値多元論

デューイの道具主義の立場では、それまでの倫理学が求めてきたような単一で不変の価値というものは存在しない。どのような価値が正しい行為を導くことができるかは、各人の具体的な状況により異なっている。デューイはこのように、多様で個別的な価値を認める価値多元論を説いた。

民主主義と教育

デューイは、創造的知性の働きにより人間性や社会の改造を進め、多様な価値を認める理想的な民主主義(デモクラシー)の実現をめざすべきだと説いた。民主主義社会の成員は、自発性や適応性を持つ個人として教育されなければならない。

そのためデューイは、知識の暗記や試験などに終始する受動的学習ではなく、「為すことによって学ぶ」(Learning by doing)能動的学習を重視した。

問題解決学習

デューイは能動的学習の理論として、問題解決学習を提唱した。これは、生徒が生活の中から興味に応じて自ら問題を発見し、教師が適切な助言を与えつつ、生徒が自分で解決する能力を身につけさせるものである。

倫理
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