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【高校倫理】カルヴァンの思想のポイント

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【高校倫理】カルヴァンの思想についてまとめています。

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カルヴァンの思想

フランスに生まれたカルヴァン(1509年から1564年)は、フロテスタントへの迫害を逃れてスイスへ亡命し、1536年著書『キリスト教綱要』を刊行。ジュネーヴで宗教改革運動に従事した。カルヴァンはルターの思想をさらに徹底させ、改革運動においては理想のキリスト教都市の建設をめざし、一種の神権政治を行った。

予定説

カルヴァンによると、

  • 人間の救済は、神の意志によってあらかじめ決定されている。
  • ある者には永遠の生命が、ある者には永遠の滅びが予定され、決して変えることはできない。

この考え方を予定説という。予定説は、創造主としての神への絶対的な信仰にもとづいている。大切なことは「神の栄光のみであり、人間はただ神の意志にかなうよう神の栄光を実現するために与えられた役割を果たしていくほかはない」とされる。

職業人

予定説のもとでは、人間は自分が神の救いに予定されているかどうか大きな不安の状態に置かれる。これに対してカルヴァンは、ルターの職業召命観を発展させ、神の召命による世俗的な職業を、神の栄光を実現するため人間に与えられた奉仕の場としてとらえ直した。人間が、与えられた職業を「天職」として禁欲的に従事し、質素や倹約に努めることは神への奉仕であり、その結果得られる利益は、神の祝福のしるしとして肯定される。カルヴァンの後、人間は職業生活の成功によって、間接的に救いへの確信を得ることができるとする考えも生まれた。ここに、ルネサンスにおける人間の理想像「万能人」に対し、新たな人間像「職業人」が形成された。

カルヴィニズムの影響

中世的な価値観では、利潤を追求する営利活動がいいものとされていた。しかし、カルヴァンの思想(カルヴィニズム) 職」に励むことを神への奉仕とし、その結果得られる富を積極的に自た 倫理を生み出した。カルヴァンの思想は、当時台頭しつつあった市民階級の精神的よりどころとなり、近代資本主義の形成に影響を与えた。

プロテスタント

ルターやカルヴァンなどが唱えた立場をとる人々は、ローマ=カトリック教会に対してプロテスタント、その思想はプロテスタンティズム(新教)と呼ばれるようになった。

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

ドイツの社会学者・経済学者マックス=ウェーバー)は、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」において、カルヴィニズムの勤勉で禁欲的な職業倫理が利潤の蓄積と資本の形成につながり、近代資本主義を生み出す精神的な支柱となったことを論じた。

反宗教改革

宗教改革の動きに対して、ローマ=カトリック教会の内部でも、教義やローマ教皇の至上権を守りながら、聖職者の規律を正す改革運動が起こった。特に、1534年にイグナティウス=ロヨラを中心に結成された修道会イエズス会では、アジア地域に派遣されたザビエルを初め、海外への伝道も盛んに行った。

倫理
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