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【大学入試小論文】横浜市立大学国際商学部(2020年度)小論文解答例

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横浜市立大学国際商学部2020年度(令和2年度)の解答例です。

【問題】
(1)「日本企業はなぜもっとイノベーションを創出できないのか」に対応する答えについて、本文に即して、200字以内で説明しなさい。

(2)「仮に日本でグーグルが生まれていたとしても、衰退する既存企業にとって代わるのが非常に難しい」状況に対して、日本政府はどのようなことに取組むべきか。 あなた自身が考える具体的な取組み内容を300字以内で説明しなさい。

(3)「終身雇用制度の名残を完全に排除しない限り、どんな手を打っても頑強なイノベーション創出システムは改革できまい」と筆者は主張しているが、あなた自身は主体的にイノベーション創出の担い手となるために何ができるか。大学における学びの計画にも触れながら、400字以内で述べなさい。

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横浜市立大学国際商学部2020年度小論文の解答例

(1)日本企業がイノベーションを創出できない理由は、戦後の3つの制度に原因がある。1つは、大企業が有利になるというバイアスがかかった終身雇用制度である。2つ目は、株式・債券市場の発展が妨げられVCが育たないメインバンク制が確立させた金融規則。3つ目が、発明に狭い範囲でしか保護しなかった特許制度。以上の結果、すでに製造された製品と密接に関連し、すぐに商品化しやすいイノベーションの追求に走ったから。

(2)日本政府は、終身雇用制度などによって既存の大企業が有利になるバイアスを助長、強化してしまった。これを是正するため、大学入試改革に取り組むべきだと考える。現行の大学入試制度、特に大学入学共通テストにおいては、全問マークシートでの解答を求められており、個人戦となっている。しかし、画期的なイノベーションは、1人からではなく、常にチームから生まれる。このことから、ディベートなどの、集団の中で他人と協調的に議論を行い、主体的に自らの意見を発信できかどうかを見ることができる試験の導入をするべきであると考える。

(3)私は、主体的にイノベーション創出の担い手となるため、物事を客観視し、冷静に分析することができる力と、自分の価値や文化背景が異なる人と柔軟な対応ができるコミュニケーション能力を身につけたい。そのために、大学では、経営学や経済学などの学問的な知識を身につけるとともに、留学やインターンシップを活用し、自分の知らなかった価値基準を体験し、視野を広げ、自分自身の器を広げたい。

私は将来的に、運輸会社で働きたいと考えているが、国際情勢や顧客のニーズをつぶさに分析するだけでなく、サービスの仕組みを理解し、そこから学ぶことで、画期的な運輸サービスを企画できる可能性があると考える。また、運輸業者やそれを利用する人、運輸システムを構築するインフラ業者など運輸に関わる多くに人々と対話を重ね、そこで得られたアイデアを、既成概念にとらわれない柔軟な発想で組み合わせることが、新たな価値を生み出すことにつながると考える。

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横浜市立大学国際商学部2020年度小論文の講評(抜粋)

(2)主張は的確で、終身雇用制度の影響と大学入試制度の改革の必要性を明確に示しています。特に、チームワークや協調性を重視する画期的なイノベーションの生み出しに資する大学入試改革への提案は興味深いものです。提案は具体的で、社会的課題へのアプローチとしても示唆に富んでいます。

(3)主体的なイノベーション創出への志向が明確であり、具体的なスキルや経験の獲得に向けた計画がしっかりと提示されています。経営学や経済学の知識の獲得や留学、インターンシップの経験を通じて、多様な価値基準や文化に触れ、柔軟なコミュニケーションスキルを身につけることは、グローバルな視野を養い、イノベーションの土壌を育む重要な一歩です。

また、運輸業界における将来の展望やあなたの役割についての具体的な考えが示されており、既存の概念にとらわれない柔軟な発想を大切にし、異なるステークホルダーとの対話を通じて新たなアイデアを生み出す姿勢が素晴らしいです。

【一般論】イノベーションを生み出すために政府ができること

■研究開発への投資の増加
研究開発への予算を拡大し、特に新興技術や先端技術分野への資金提供を増やします。産業界と連携して、革新的なプロジェクトやスタートアップの育成を支援します。今回の新型コロナワクチン開発においても、日本の企業の存在感はなかったですね。その1つの原因が、イノベーションに費やせる研究費の規模が大きくが劣る。

■教育体制の強化
STEM(科学、技術、工学、数学)教育の強化に注力し、学生や若手研究者に向けた奨学金制度や研究助成金を提供します。また、産学連携を強化し、産業との連携を通じて実践的なスキルを身につけられるようなプログラムを推進します。

■法規制の見直しと促進策の導入
新しい技術やビジネスモデルの導入を促進するために、煩雑な法規制の見直しや、スタートアップに対する税制優遇措置の導入を検討します。イノベーションを奨励する環境を整え、新たなアイディアやプロダクトの開発を後押しします。

■国際協力の強化
他国との協力を通じて、最新の技術や研究成果を共有し、国際的なネットワークを構築します。これにより、日本の企業や研究機関が世界と競争し、最先端の技術を取り入れる糸口を提供します。

■イノベーションエコシステムの形成
スタートアップや中小企業の成長を支援するために、イノベーションエコシステムの整備を図ります。共同の研究施設、アクセラレータープログラム、投資基金などを通じて、新しいアイディアを事業化しやすい環境を整備します。インキュベーションとは、諸条件が整っていない新規事業を有効的にスタートアップさせたり、その支援をしたりするサービス。

■持続可能なイノベーションの推進
環境への負荷を減らすような技術やサービスに焦点を当て、持続可能なイノベーションを奨励します。グリーンテクノロジー分野などにおいて、特に支援を強化します。

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