大学入試小論文テーマ「医療問題・現代医学について」

シェアする

スポンサーリンク

大学入試小論文テーマ「医療問題・現代医学について」解答例です。

現代医学問題のポイント

医学系では、医療の倫理についての問題は頻出中の頻出だ。医学系以外でも、法学系などで、人権との関係で、告知や臓器移植に関して出題される。

スポンサーリンク

臓器移植

臓器移植が問題になっている。臓器を移植すれば助かる人がいるのだから、臓器移植を進めるべきではあるが、脳死という問題がからんでいるために、それほ ど簡単ではない。脳死とは、心臓停止前に脳が死亡した状態のことだ。脳死に陥るとほぼ百パ ーセント心臓停止する。心停止後では、臓器が死んでしまうので、移植しにくい。移植手術には、脳死を人の死と認めることが必要だ。最近やっと、日本でも臓器 の提供を申し出ている人に関しては、脳死を死と認めるという法律が決まった。

脳死の問題点

しかし、脳死判定が果たして正確に行 れるかという心配がある。脳死を認めると、医師が重症患者の治療に力を入れず、臓器移植をしたがるのではないかと 心配される。脳死の人を最終的に死なせる権利が、医師にあるのかどうかも、議論の対象になっている。しかも、臓器移植が行われると、人間を品とみなし、臓器の売買にまで広ま る恐れがある。そうならないように、十分に注意して、法律を整え、脳死判定を厳密に行ったうえで、臓器移植を考える必要がある。

インフォームド・コンセント

現在の医療でもっとも議論されている のが「インフォームド・コンセント」 だ。医師は患者に対して勝手に治療するのではなく、治療の意味や薬の役割を説明し、それに患者が同意して初めて治療 ができるという医療原則をこの言葉は表している。この考えは、医師が偉くて患者は奴隷という関係を改めて、病気の主役は患者であって、医師は患者を補佐する役割にすぎないという考えを築くことになる。したがって、これまでよりも患者本位の 医療が可能になるはずだ。ただし、この制度を採用するには、告知が前提になる。癌などの末期の患者の
場合、現在、日本では医師が患者に事実 を告げることはあまりない。だが、事実を告げ、すべての情報を説明して治療にあたってこそ、「インフォームド・コン セント」は成立する。そうした場合の対 応をこれから考えていく必要がある。

自己決定権

個人が自分の生き方などについて自由に決定する権利を、自己決定権といい近年重視されるようになった。医療に関して、医師は、治療法や使用する薬物について、患者に説明する義務があり、また患者の同意を必要とするという考え(インフォームド=コンセント)や末期患者が、 本人の意思で、必要以上の延命治療を拒否し、自然な死をむかえる尊厳死、末期患者の苦痛からの解放のため生命を断つ安楽死などの問題に伴って注目されている。
確認【高校現社・公共】新しい人権

医療の専門化

現在、医療が専門化して、専門 以外の病気はわからずに他の病院に回されるという事態が起こっている。それを防ぐには、一般医がかかりつけの医者として日常的に患者を診療し、少しでも異常があれば門医に紹介状を書く制度を確立すべきだ。

遺伝子治療

遺伝子を治療するというのは、生命そのものの根源まで立ち入って、その人そのものを変えてしまうことを意味する。それが無制限に使用されないような歯止めが必要だ。

尊厳死

延命治療をしないで、人間らしい死を選ぶことを求めること。自分の治療に関しては、自分に決定権があるという考え方が広まっている。

医療問題について

表1と表2から、日本の医療水準と、今後取り組むべき課題について、あなたの考えを600字以内で述べなさい。

私は、表1と表2から日本では医療の技術が進んでいると思った。なぜなら、65歳以上の人口の割合は25.1%と一番高いかつ乳児死亡率が低いからだ。しかし、医療技術の進歩とともに平均寿命が伸び、日本が抱えている高齢化社会に影響を与えているという問題がある。

また、日本の医療提供体制は世界に比べるとMRIやCTスキャナーなどの医療精密機器の所持台数が一番多いが、GDPを見ると他の国とほとんど変わらない。日本は医師や看護職員数に比べてMRIなどの医療精密機器が多いので日本の医療提供体制は偏っている。私は、そのような機械を導入するより、医師や看護職員数を増やすことが重要だと考える。実際に医療精密機器より医師や看護職員数が多い方がGDPの比率が高い傾向になっている。また、医師を増やすことでより多くの患者が救えるようになると思う。

私は、機械を導入するだけではなく、より多くの医師を増やすことによって今2.1%の乳児死亡率を減らすことができるようになり、若年層を増やすことができると考える。少子高齢化社会に直面している今、女性の社会進出などにより出生率がますます減ってきている。だからこそ少子高齢化を防ぐために医療の面でできることは乳児死亡率を減らすことだ。私は、医療の進歩によって乳児を助けることが可能になり、また日本の少子高齢化問題に少しでも貢献できると考える。

添削

×GDPを見ると → 医療支出にかけるGDP比率は
×今 → 現在
×だからこそ → だから 「こそ」は論理の飛躍とみなされます。

事実誤認1

乳児死亡率を減らしても、少子高齢化の抜本的な解決になりません。事実、この表からは、アメリカの例のように、乳児死亡率が6%に関わらず少子高齢化となっていません。さらに、発展途上国は、乳児死亡率は高水準に関わらず、人口は爆発的に増えています。そのあたりの現状を踏まえた考察が必要です。

事実誤認2

なぜ精密医療機器の割合が高いか考えてみましょう。医師のなりて、とりわけ小児科は人気がありません。儲からないということ、子医療事故などによる訴訟が多いからです。問題は、医師の数でなく、制度でしょう。

医師の数は、去年の医師数が最多更新 31万9000人(2017年)です。医師の数は増えているのです。

スポンサーリンク

シェアする

スポンサーリンク
トップへ戻る