【高校地理総合】工業の発展と生活文化についてまとめています。
工業の種類と特徴
工業は軽工業と重工業に大きく分類される。軽工業から重工業へと移り変わった歴史があります。
軽工業
工業化初期の段階でまず発達するものが軽工業。高い技術水準を必要としない。繊維工業が代表例。
繊維工業
いずれの国でも工業は軽工業とくに綿工業から興る。産業革命時のイギリスやアメリカ合衆国の最も古い工業地域であるニューイングランド地方・ホスなど。
- 産業革命…イギリスで始まった技術向上による産業と社会の仕組みの変化。イギリスは、紡績業で蒸気機関車で動く機会が使われる。安く大量に生産し、世界へ輸出していきます。
重工業
より高度な技術や大きな資本投下を必要とする工業が重工業、鉄鋼業や機械工業など。 重工業への転換工業化が進み技術水準が上がった国は、主な工業が軽工業から重工業へと転換する。一方、軽工業はより賃金水準の 低い発展途上国へと移動していく。
資本集約型工業
巨大な工場施設が必要で資本への依存度が高く、原料の確保も重要な要素。鉄鋼業と石油化学工業は原料の輸入に適した後に立地し、国内で石灰が自給できるセント工業は原料立地となる。労働力が重要視されないため、発展途上国へと生産の拠点が移る傾向は小さい。
労働集約型工業
生産費に占める労働コストの割合が高い工業種で、労働力の存在が工業立地の必須条件となる。単純労働に依存する織 維工業や機械組立工業などは安価な労働賃金を求めて経済ールの低い地域に移動する。
精密機械工業
熟練労働力に依存する。高度に教育・訓練された質の高い労働力が存在する先進国にとどまる傾向が強い。
- 諏訪盆地…養蚕が盛んで、製糸業が発達しました。第二次世界大戦の空襲をさけて、東京から機械工業が移転し、精密機械工業が発達しました。近年は、中央自動車道の開通などにより、電気機械工業が進出しています。
工業立地
重要視されるのは労働コストと輸送コストである。最も採算が取りやすい位置に工場は立地する。
鉄鋼業
かつては原料立地(炭田立地・鉄山立地)型の工業だったが、現在は輸入に適した臨海部に製鉄所。
石油化学工業
鉄鋼業と同様に臨海立地。輸入に適した臨海部に石油化学コンビナート。
- 瀬戸内工業地域…大型船で原料・製品を輸送する鉄鋼業・石油化学工業などの重化学工業が発達しています。倉敷市水島、周南市、岩国市などに石油化学コンビナートが成立。
繊維工業・機械組立工業
単純労働力に依存する労働集約型工業であり、安価な労働賃金を求め経済レベルの低い発展途上国へ進出。
- 中部工業地帯…自動車産業が柱で、愛知豊田市を中心に自動車産業盛んで、輸送機械工業の占める割合が高いです。自動車産業は、組み立て型の産業で部品を作る関連工業が集まっています。現在では、環境に優しいハイブリッド車の生産も広がっています。
パルプ工業
原料の木材より製品のパルプの方が軽く(重量減損)、輸送しやすい。原料立地となる。
セメント工業
原料の石灰より製品のセメントの方が軽く(重量減損)、輸送しやすい。原料立地となる。
ビール工業
原料の大麦・ホップより製品のビールの方が重く、原料の状態で輸送し、消費地付近で加工した方が輸送コストが小さくなる。 ただし同じ食品工業であっても、缶詰工業(原料の腐敗を防ぐため、産地付近で加工される)や製糖業(サトウキビは輸送が困難)のように原料立地となるものもある。
アルミニウム工業
アルミナ(ボーキサイト)をアルミニウムに製錬する際、大量の電力を必要とする。安価で安定した電力を得やすい水力発電所付近にアルミニウム工業は立地する。
製紙業
パルプを紙に加工する際に、製品処理用水が大量に必要となる。水が得やすい地域に立地する。ただし汚水が水域に流れ込み、水質汚濁の原因ともなりやすい。
- 製紙・パルプ…富士市で盛ん。
IC工業
製品価格が高いが、軽量であり輸送コストが小さい(軽量高付加価値)。航空機や高速道路を利用した自動車による輸送であっても十分に採算が取れるため、賃金水準や地価が比較的安い九州や東北地方の空港付近や高速道路のインターチェンジ付近に工場が立地する。
比較機械工業については、鉄鋼業や石油化学 工業が臨海立地となることと対照的に、内陸部に工場が立地する傾向が強い。関連工場(部品工場)などが周囲に立地していること、交通の便がよく労働者が集まりやすいこと、工場施設や製品保管のための広大な土地が得られることなど、副次的な要素も絡んでくる。いわゆる、集積立地。
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