【大学入試小論文】言語についての考察・出題例です。「言語」については、「文化」などと並び、文学部、国際関係学部などで非常に高い頻度で出題されるテーマの1つです。
言語についての出題例
■言語の重要性と役割
言語は人間のコミュニケーションにおいてどのような役割を果たしているか論じよ。
■言語と文化の相互関係
言語が文化を形成し、逆に文化が言語に影響を与える関係について述べよ。
■多言語社会の課題と利点
多言語が共存する社会において生じる課題やその利点について考察せよ。
■言語の変遷と方言の役割
言語の歴史的変遷や方言が言語に与える影響について詳しく説明せよ。
■機械翻訳の進化と言語学習
機械翻訳技術の進化が言語学習や異文化コミュニケーションに与える影響について論じよ。
■言語とアイデンティティ
個々の言語がアイデンティティ形成に果たす役割や、言語喪失がもたらす影響について述べよ。
■ジェンダーと言語
言語がジェンダーに与える影響や、言語におけるジェンダーバイアスについて考察せよ。
■言語教育の課題と改善策
言語教育における課題や、それに対する改善策について論じよ。
■言語の多様性の保護
絶滅の危機に瀕している言語の多様性を保護するための取り組みについて述べよ。
■グローバリゼーションと言語変容
グローバリゼーションが進む中、言語が変容する過程やその影響について考察せよ。
言語の力
「言語は伝達の手段だ」とよく言われる。間違いではないが、言語の役割をそれだけに限定しては、言語の最大の機能を見逃すことになる。むしろ、言語のもっとも重要な機能は物を認識する手段だということだ。
たとえば、日本人は蝶と蛾を別の名前で呼ぶ。だから別の物と認識している。ところが、フランス人は蝶も蛾も同じパピヨンという言葉で呼ぶ。すると、同じものと考える。つまり、言葉が同じであれば、別のものとは考えないわけだ。言葉によって、物を認識し、言葉で考えているわけだ。
言語の役割
日本では虹は七色だ。だが、アメリカでは五色だという。それも、言葉によるらしい。「赤・橙・黄色」というような言葉があると別の色に見える。言語は、どのようにでも捉えられる世界を区切って、そこに意味を与えているわけだ。したがって、ふだん我々は、自由にものを考え、自由にしゃべっていると思い込んでいるが、それは思い込みにすぎず、言語によって思考形式やものの見方、感じ方を規定されている。
言語で表されるもの一つとっても、そこには、その民族の考え方や文化的な価値観が刷り込まれている。だから、言語を認識のための手段とするかぎり、我々の考え方も価値観も、その言語を成立させてきた文化から自由にはなれない。
一つの真実があるわけではなく、見方によっても、個人によっても、時代によっても、民族によっても、真実は異なる。同じ出来事でも、さまざまな捉え方がある。
言語は民族のアイデンティティ
日本語は日本民族のアイデンティティと言って間違いない。日本人の類、論理が犯したものが日本語なのだ。だから、日本語をやめて英語にしようとか、ある民族から語を取り上げようとするのは間違いだということを理解する必要がある。
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