【大学入試小論文】リーダーシップのあり方の解答例です。
【課題文の要約】
日本ではリーダーは一つの組織に一人か二人で十分だと考える人が多いが、実際には全員がリーダーシップを持つ組織の方が高い成果を出す。なぜなら、組織のメンバーが皆「成果を出す」という使命を達成するために必要なことを個人で考えて行動するからだ。全員がリーダーシップを持っていれば、分業も可能であるため、チームの生産性が増し、各個人がマネジャーの指示に対する仕事の取捨選択ができるのであれば、さらに仕事の効率化を図ることができる。
【問題】
この文章を参考にリーダーシップのあり方について、自分の経験などの具体例を挙げながら、あなたの考えを800 字以内で述べなさい。
リーダーシップのあり方の解答例
多くの人にとってリーダーのイメージは、正義感の強く、皆を引っ張っていくような勇敢な存在といったものであろう。確かにリーダーの中にはそう人も多く、成功する場合もある。しかし、このようなタイプのリーダーには統率に限度がある。メンバーの中で一人でもリーダーに対する信頼を失えば、最初はうまくいったとしても、不信感を持つ一人に周りのメンバーもつられて信頼を失い、次第に組織は崩壊してしまうからだ。また、文章にもあったように、メンバーがリーダーの指示待ち人間になってしまうのも、こういったタイプのリーダーである場合が多い。
私は中学校三年間部活動のキャプテンと生徒会長、高校では文化祭では模擬店の店長を務めるなど、リーダーとしての経験を多く積んだ。そこで、その経験を踏まえ、私はリーダーとは、組織の活動の質を上げる存在だと考える。私が中学校の部活でキャプテンを務めた時は、周りの意見を大切にした。ミーティングの時には、自分が一方的に発言するのではなく、メンバーそれぞれの意見を聞くようにし、自分の意思を伝えやすい雰囲気を作った。そうすることで、他人のプレーの改善点を指摘し合うなど、日頃から他のメンバーとのコミュニケーションを積極的に取るような組織を取ることができた。
また、良いリーダーと呼ばれるような人は、周りに良い影響を与え、メンバーだけでなく自分自身の活動の質を上げることができるという印象があった。そのため、私もメンバーに対して指示のみを出すことをやめ、自分から率先して熱心に練習に励むようにした。そうすることで、メンバーの皆も練習に対する熱意を持ち、部活動の時間を無駄にすることなく練習に取り組むことができた。
この二つのことができるようになってから、組織の実力は増し、結果的には府大会でも上位に勝ち上がることのできるようなチームへと成長することができた。
したがって、リーダーとは、組織が成果を出すことができるように、対話を増やし、自ら積極的に動くことで、活動の質を向上させる存在だと考える。
リーダーシップのあり方の講評(抜粋)
いいですね。本番は、これくらい記述できるといいです。本番でも、主張・意見にあまり奇をてらうのではなく、主張の一貫性を保ち、理由・根拠、具体例、反駁など交えて説得力を増す論文を心がけましょう!
リーダーシップのあり方の添削(抜粋)
部活と部活動が混在していたので、気をつけましょう!部活動で統一。部活は略語となり好ましくありません。
【新たな視点(リーダーシップの型)】
リーダーシップのあり方は、まさしく、今注目されている「サーバントリーダーシップ」と言えます。
- サーバントリーダーシップ…リーダーがまず相手に奉仕し、その後相手を導く支援型リーダーシップ。いわば、メンバーの一人ひとりの能力を肯定し、お互いの利益になる信頼関係を築くといったスタイルのリーダーシップ
※サーバント(servant)=「奉仕者」や「使用人」という意味
注目される理由・背景として、
- 混とんとした社会情勢に人々は、リーダーに倫理的な信頼感を求めていること
- ITの急速な発達や急激に広がるグローバリゼーションにおいて、従来型の一人のリーダーがすべてを管理してメンバーに支持を与えるやり方では合わないこと
が挙げられます。
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