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【高校国語古文の文法】よく出る助動詞の意味・活用・識別のポイント

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【高校古文】助動詞についてまとめています。古典文法の中でも助動詞は、入試や定期テストで頻出の重要項目です。助動詞の意味や活用を正しく理解することで、文章の解釈がスムーズになり、読解力が向上します。しかし、「助動詞の種類が多すぎて覚えられない…」「意味の見分け方が難しい…」と悩む人も多いのではないでしょうか?

本記事では、高校古典文法でよく出る助動詞を厳選し、意味・活用・識別のポイントをわかりやすく解説します。効率よく学習し、得点アップを目指しましょう!

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よく出る助動詞一覧

助動詞 意味 活用 識別のポイント
る・らる 受身・尊敬・可能・自発 四段・ナ変・ラ変の未然形+「る」/ その他の未然形+「らる」 文脈で意味を判断(尊敬なら敬語表現がある)
す・さす・しむ 使役・尊敬 四段・ナ変・ラ変の未然形+「す」/ その他の未然形+「さす」/ 「しむ」は活用語の未然形+「しむ」 使役か尊敬かは対象や敬語表現で判断
打消 未然形+「ず」 連用形「ず・ざり」、已然形「ね・ざれ」に注意
む・むず 推量・意志・適当・勧誘・仮定・婉曲 未然形+「む」、未然形+「むず」 「む」は文末なら推量、主語一人称なら意志、二人称なら適当・勧誘
けり 過去・詠嘆 連用形+「けり」 会話文や和歌では詠嘆の意味になる
たり・り 存続・完了 連用形+「たり」、サ変未然・四段已然+「り」 「たり」はラ変動詞「たり」と区別、「り」は接続に注意
べし 推量・意志・可能・当然・命令・適当 終止形+「べし」 主語一人称なら意志、二人称なら命令、三人称なら推量
まじ 打消推量・打消意志・不可能・禁止・不適当 終止形+「まじ」 「べし」の反対の意味になる
なり 伝聞・推定 終止形+「なり」 「音・声・にあり」があれば推定
打消推量・打消意志 未然形+「じ」 文末なら打消推量、一人称なら打消意志
たし 希望 連用形+「たし」 「~したい」と訳せる
まほし 希望 未然形+「まほし」 「~したい」と訳せる
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助動詞「めり・らむ・なり」

  • 助動詞「めり」…目に見えるものの推定を表す助動詞。
  • 助動詞「らむ」…目に見えないものを想像して推定する助動詞。
  • 助動詞「なり」…聞こえてきたもので推定を表す助動詞。

助動詞「めり」の例

山陰の暗がりたる所を見れば、蛍は驚くまで照らすめり。(蜻蛉日記)
<訳>
山陰の暗くなっている所を見ると、蛍はびっくりするほど(あたりを明るく)照らしているようだ

  • 蜻蛉日記…平安時代に成立。作者は藤原道綱の母、名前は明らかになっていません。上中下の3巻からなり、主な登場人物は作者本人とその夫、藤原兼家です。夫婦と家族の物語を和歌で綴る、女流日記文学の最高峰。

助動詞「らむ」の例

さて、月ごろ経て、「今はよくなりぬらむ」とて見れば、 よくなりにけり。(宇治拾遺物語)
<訳>
そうして(ヒョウタンをつるしておき)、何ヶ月も経って、「今頃はちょうどよくなっているだろう」と思って(中を)見てみると、(ちょうど)よくなっていたのであった。

助動詞「なり」の例

我のみや 夜用は漕ぐと 思えれば 沖辺の方に 福の音すなり (万葉集)
<訳>
私だけ夜に舟を漕いでいるのだろうかと思われたが、沖の方でも指の音がするようだ

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助動詞「る・らる」「す・さす・しむ」

  • 助動詞「る・らる」…受け身・可能・自発・尊敬を表す助動詞(下二段活用)
  • 助動詞「す・さす・しむ」…使役および尊敬を表す助動詞(下二段活用)

主語を確認

今は昔、治部卿道俊卿、後拾遺を選ばける時、秦兼久、 行き向かひて、おのづから歌などや入る、と思ひてうかがひけに、(宇治拾遺物語)
<訳>
今となっては昔のことであるが、治部卿の道俊卿が、『後拾遺和歌集』を撰集なさっていたとき、秦兼久が、 出向いていって、「ひょっとしたら(自分の)歌などが入るかもしれない」、と思ってうかがったが、

  • 『宇治拾遺物語』(うじしゅういものがたり)…13世紀前半頃に成立した、中世日本の説話物語集である。『今昔物語集』と並んで説話文学の傑作とされる。「説話」とは、古くから民間で伝承されてきた民話や伝承のこと。笑い話や猥談なども収録されている点に特徴。
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助動詞の「き」・「けり」

  • 助動詞「き」…直接過去であり、自分の体験を表す助動詞。「き」の主語は、私(一人称)。
  • 助動詞「けり」…間接過去(伝聞過去)であり、他人の体験を聞いて伝えるときに使う。「けり」の主語は他人になりまs。

「き」の主語も見抜く

粟津に来て、日次悪しとて三日居たるに、おぼつかなきこと限りなし。からうじて、よろしかりける日、京に入る。(古本説話集)

  • 古本説話集(こほんせつわしゅう)…平安末期か、遅くとも鎌倉初期には成立したと見られる説話集。前半は世俗説話46話、後半は仏法説話24話を収録。有名な説話集『今昔物語集』、『宇治拾遺物語』、『世継物語』、また『醒酔笑』と共通する説話を多く有する。

<訳>
(男君は)粟津に来て、日取りが悪いということで三日じっとしていたが、気がかりなことこの上ない。やっとのことで、日取りが、まあまあ良かった日に、(男君は)京都に入る。

「けり」の主語も見抜く

俊恵に和歌の師弟の契り結び侍り始めの詞にいはく、「歌はきはめたる故実の待るなり。われを真の師と頼まるれば、この事たがへらるな。」(無名抄)

  • 無名抄…鴨長明による鎌倉時代の歌論書。先人の逸話や同時代の歌人に対する論評など多岐にわたる内容。

<訳>
(この私が)俊恵と師弟の契りを結びましたその始めの頃の言葉として(俊恵が)言うことには、「歌には究極の心得というものがあるのです。私を真の師匠と頼みにするのなら、この事にそむきなさるな。」

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