【高校政治経済】労働問題(女性や若年層など)

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【高校政治経済】労働問題(女性や若年層など)についてまとめています。

労働事情の変化

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バブル崩壊後の労働問題

長引く不況により労働事情は厳しい。

  • 失業と就職難…企業のリストラクチャリングリプトラ)が進む。有効求人倍率が低下し、中高年齢層の失業、新規学卒者(新卒)の就職難が従刻化。
  • 日本型労働形態の変化…終身雇用と年功序列賃金が維持できない企業が増加。一方で成果主義が導入されるようになり、労働環境が過酷に。
  • 厳しい労働環境…日本は諸外国に比べて年次有給休暇の取得率が低い。残業代の支払われないサービス残業も常態化しており、過労死が問題に。仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)が求められる。

就労形態の変化

  • 変形労働時間制…フレックスタイム制の導入や実際の労働時間と関係なく、あらかじめ決めた時間を働いたとみなす裁量労働制も見られる。
  • 非正規雇用の増加…パートタイム労働者を派遣労働者、契約社員の雇用が増加。非正規雇用に対する低賃金、不当解雇も問題に。また、非正規雇用者は労働組合に加入することがほとんどないため、労働組合の組織率も低下。
  • ワークシェアリング…1人当たりの労働時間と賃金を減らすことで、複数の人で仕事を分かち合うしくみや考え方。
  • 在宅ビジネス(SOHO)…インターネットの普及に伴い、自宅や小規模のオフィスでビジネスを行う事業者も増えてきた。

増加する非正規労働者

正規労働者(正社員)に対し、アルバイト・パート・派遣労働者(派遣社員)・契約労働者(契約社員)などを非正規労働者(非正社員)という。賃金が低く、雇用を打ち切られやすい→職業訓練や雇用保険・就職相談・生活保護などのセーフティネットを備えていく必要がある。現在の日本の労働者のおよそ3人に1人が 非正規労働者(非正社員)

女性と労働問題

女性の社会進出

1980年代以降、急速に男女平等と女性の社会進出が進んだが、依然として女性の労働環境・賃金・就職などは厳しいとされる。

男女雇用機会均等法

1985年に女子差別撤廃条約に批准。これを受けて男女雇用機会均等法(1986年)が制定された。1997年、2006年に改正。女性差別やセクシャアル・ハラスメント(セクハラ)防止が企業に義務づけられた。

ポジティブ・アクション

男女雇用機会均等法では、差別的取り扱いとは不利な扱いだけでなく、有利な扱いも含む。しかし、待遇の確保の支障となる事情を改善するために女性を有利に取り扱う措置(ポジティブ・アクション)は認められている。

パートタイム労働法

1993年制定。パートタイマーと正規雇用労働者の格差是正が目的。パートには女性が多いため、男女格差の是正につながると期待。

労働基準法の改正

男女雇用機会均等法改正と同時に実施。女性の深夜労働が解禁となる。

育児・介護休業法

1991年に成立、1995年に改正。育児・介護を目的とした休業を労働者の権利と認めた。時間外労働の免除なども規定。男性の育児・介護休業も認められているが、現状、休業をするのは大部分が女性である。

  • 育児・介護給付…育児・介護休業法に基づく。育児・介護休業者には育児休業給付制度、介護休業給付制度があり、給付金を受け取ることができる。
  • 職場復帰給付金…2010年に育児休業給付金に統合された。

女性と若年層と中高年・障害者・外国人の雇用事情

若年層の雇用

新規学卒者の求人の減少に伴い、若年層の正規雇用割合が大幅に減少。非正規雇用のフリーターや進学・就職もせず、職業訓練も受けない ニート(NEET)になる若者が増加。政府は、若者の雇用拡大を図るため、2013年から35歳未満の非正規雇用労働者を正規雇用労働者として採用する事業主に被若年者人材育成・定着支援奨励金(若者チャレンジ奨励金)を給付。

中高年の雇用

中高年の失業が増加。再就職が非常に厳しい中高年層に対する雇用機会の拡大や定年の延長が課題に、高齢者雇用安定法を改正(2004年)し て、定年の延長により、65歳まで働くことができるようになった。

障害者の雇用

1960年に障害者雇用促進法が制定。民間企業は1.8%、官公庁や特殊法人は2.1%の障害者の法定雇用率が定められているが、達成率は不十分。

外国人労働者の問題

1990年代以降、日本で働く外国人労働者も増加。賃金が低く、厳しい環境で働く人も多く、景気によって雇用が大きく左右される→不可欠な労働力として受け入れる態勢を整えるのか、今までのように受け入れを制限するのか、受け入れの在り方が課題となっている。少子高齢化と人口減少で労働力人口が減少するため。低賃金・劣悪な労働条件下での就労が国内外で問題となっている。不法就労者の増加や単純労働者の受け入れなど、課題が多い。

賃金

賃金に関しては、使用者は労働者に対して賃金を直接支払わなければならないと定めている。また、男女同一賃金の原則を定めており、男女には平等な賃金が支払われなければならないとしている。また、これに関連して、最低賃金法が定められている。これは低賃金労働者について賃金の最低額を保障する、所得分配の不平等の是正を目的とした法律である。ちなみに、不法就労者も労働基準法及び最低賃金法の適用を受けるが、健康保険や雇用保険の適用 を受けることはできない。

就業時間

就業時間に関しては、労働者の一日の労働時間の上限を8時間と定めており、この法定労働時間を超えて労働を命じることは労働基準法違反となるが、これについては弾力的運用がなされている。

休息

休息に関しては、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。また6ヵ月以上継続勤務し全労働日の8割以上出勤した者には有給休暇を与えなければならないと規定されている。

解雇

さらに労働基準法は、労働者の解雇に正当な事由が必要であること、使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日以上前に予告しなければならず、この予告がない場合には、30日分以上の平均賃金を支払わなければならないことを定めている。その他にも、労働者は、選挙権などの公民権を行使する場合、それに必要な時間を使用者に申し出て仕事から離れることができるとされている。

まとめ

1947年制定。労働条件の最低基準を定める。監督行政機関として、労働基準局、労働基準監督署が置かれる。

  • 労働時間・賃金…法定労働時間は1週40時間・1日8時間。これを超える場合は労働者の過半数を組織する組合、または代表との間で協定(三六協定) が必要。賃金面では、男女同一賃金の原則。
  • その他の労働条件に関する法律…最低賃金法、家庭内労働法、労働契約の原則・ルールを定めた労働契約法など。

労働者の発生

最初に、イギリスを中心として労働運動が起こった。

  • 契約自由の原則…資本家と労働者は、契約自由の原則に則り雇用契約を結ぶ。しかし、労働者は生産手段をもたないため,低賃金・劣悪条件で酷使され、様々な労働問題が生じた。
  • 労働組合…ラッダイト運動(機械打ち壊し運動)などを経て、労働条件の改善を目指すために継続的・組織的につくられていった。政府の弾圧政策に対抗して参政権・労働者の保護などを要求するようになった。
  • 工場法とチャーチスト運動…イギリスにおいて, 1833年に工場法(年少者保護)制定。1837年から1848年までチャーチスト運動(参政権要求)を展開。
  • インターナショナル…労働運動の国際的組織。社会主義思想の広まりとともに1864年に第1インターナショナル、1889年に第2インターナショ ナル結成。
  • 国際労働機関(ILO)…1919年にベルサイユ平和条約により設立。

日本の労働運動

労働運動は、戦前は治安警察法(1900年)や治安維持法(1925年)によって弾圧・取り締まりの対象になった。

  • 戦後の労働組合…戦後の民主化で労働組合の育成が進んだが、欧米の職能別組合や産業別組合に比べ、交渉力の弱い企業別組合が多く、それを補うためナショナル・センターに加入している組合が多い。ナショナル・センターの指導のもと、「春闘」で労働組合が賃上げ要求などの交渉を行っている。
  • 地域労組…組合のない企業の社員などが個人の資格で加入する。

労働組合法

労働組合法は労働組合と使用者との間で、労働協約を締結することを保障している。労働協約とは、労働条件などに関して労働組合と使用者が団体交渉で合意した事項を文書化したものであり、これによって定められた労働条件などの労働者の待遇に関する取り決めは、労働契約に優先する。よって、労働協約の取り決めに違反する労働契約の全部または一部は無効になる。労働協約は法的な効力を持つので労働協約の水準以下の条件で労働者を使用することはできない。

労働委員会

労働組合法では、労働者に労働組合の任意設立を認めているが、労働組合が法的に保護され有効な活動を行うためには、労働委員会による資格審査を受け、労働組合法が定める資格要件を備えていることを認定される必要がある。

不当労働行為

使用者は、人事裁量権を有するが、組合活動への従事を理由に、人事査定や配置転換などの面で不利益な取り扱いをしてはならない。また、労働組合に加入しないことを条件に採用する黄犬契約は労働組合法で禁止されている不当労働行為にあたる。同様に、労働組合の結成やその正当な活動に対する使用者の不当な干渉や妨害行為も、不当労働行為として禁止されている。不当労働行為とは、使用者が正当な労働組合運動を妨害することである。例えばストライキは正当な労働組合活動の一つなので、ストライキに対して何ら かの処分を与えることは不当労働行為にあたる。

労働関係調整法

労働関係調整法に基づき、労働争議の調整や不当労働行為の判定などを行う機関を労働委員会という。

労働委員会の3つの行為

労働委員会の行為は大きく三つに分けられる。斡旋、調停、仲裁である。

  • 斡旋…労働委員会が指名した斡旋委員が労使の間に立って、あくまでも当事者の話し合いによる自主的解決を図る方法である。
  • 調停…労使と労働委員会の委員とで構成される調停委員会が調停案を作成する方法であり、調停案を受諾するかどうかは、関係当事者の意思に委ねられている。
  • 仲裁…原則として関係当事者双方からの申請により開始され、労働委員会の委員で構成される仲裁委員会により行われる。調停案と異なり、仲裁の結論は関係当事者を法的に拘束するので、不服であっても従わなければならない。
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