【高校生物基礎】生物で覚えておきたい重要用語一覧です。
生物基礎で覚えておきたい重要用語一覧
- 核…細胞を酢酸カーミンで染色すると赤く染まって見える構造体で、染色質とそれを包む核膜と1~数個の核小体(仁)からなる。染色質は塩基性の色素であるカーミンやオルセインと結合しやすく、細胞分裂時には凝縮して太いひも状の染色体になる。
- 細胞質…細胞の核以外の部分を細胞質といい、外側は細胞膜で包まれ、内部にはミトコンドリアなどの構造体が見られる。
- 細胞小器官…細胞内の核をはじめとするミトコンドリアや葉緑体・ゴルジ体・小胞体・リボソームなどの構造体を細胞小器官(オルガネラ)という。
- 植物細胞と動物細胞…基本的な構造は一部を除いて共通しているが、典型的な植物細胞には、動物細胞には見られない細胞壁と葉緑体などの色素体および発達した液胞が見られる。また、動物細胞には高等植物の細胞では見られない中心体が見られる。
- ゴルジ体…植物細胞にも広く存在するが、光学顕微鏡でははっきりと見えないことが多い。
- 細胞の微細構造…電子顕微鏡の発達に伴い、たとえば光学顕微鏡では何もないように見えていた細胞質の部分にも小胞体やリボソームなどがあることが わかった。また、各構造体の微細構造も明らかになってきた。
- 生体膜…核・ミトコンドリア・葉緑体・細胞膜・ゴルジ体・小胞体・リソソーム・液胞は、いずれもよく似た構造の膜でできており、これらの膜を総称して生体膜という。
- 遺伝…親がもつ形質が子に伝わること
- 遺伝子…染色体の中に含まれ、生物の形質を示すもととなるもの
- DNA…遺伝子の本体のアルファベット3文字
- デオキシリボ核酸…DNAの正式名称
- 形質…生物のからだの特徴となる形や性質のこと。からだの形や色、大きさなど目に見えるもののほかに、性質、鳴き声など目に見えないものの特徴をまとめていうときに、形質という。
- 染色体…核の中には、ひも状の染色体というものがあります。ヒトの場合、子の染色体は46本あり、2本で同じ形の染色体でペアになっているので、23セットの染色体のペアがあることになります。この同じ形の2本のペアになっている染色体を「相同染色体」といいます。
- 遺伝形質…生物がもつ多くの形質には,遺伝するものと遺 伝しないものがある。遺伝する形質を遺伝形質という。
- 対立遺伝子…メンデルは自分で行った実験結果を説明するために、遺伝するいろいろな形質のもとになる単位として要素(因子=element)を仮定しました。今日いわれる遺伝子に相当するもので、染色体の特定の位置を占めている。このうち、対立形質のもとになり、対になっている遺伝子を対立遺伝子という。
- クローン…完全に同じ核をもつ生物の集団またはそのような個体。ある個体の核を未受精卵の核に移植してつくる。生まれたクローンは遺伝的に親と完全に同じ形質をもつ。肉牛などに応用されている。
- DNA解析…DNAの構成要素の並びを調べることにより、ガンや糖尿病などの病気に関係する遺伝子の異常がわかれば、治療や医薬品開発に役立つと期待される。また、ヒトが知能をもつようになった理由なども研究できる。
- DNA鑑定…DNA上のある遺伝子の構成要素が1つだけ違っている場合があり、人によってそれぞれ異なっている。偶然に一致するのは約5兆人に1人の割合であるといわれていて、個人を識別する鑑定の方法として、犯罪捜査や親子の認定などに利用されている。
- 遺伝子組み換え…有用な遺伝子を大腸菌のDNAに組みこみ、目的の物質を大量につくらせたり、性質の異なる作物(ダイズ, トウモロコシなど)や花をつくったりしている。
- バイオテクノロジー…バイオテクノロジーは、直訳すると「生物工学」。生物を利用する技術で、現在ではおもに遺伝子操作の技術を中心とした応用分野のこと。
- PCR法…DNAクローニング(増幅)の一手法。高温によるDNA2本鎖の解離と高温ではたらくDNAポリメラーゼによるDNA複製をくり返すことで特定のDNA断片を短時間で大量に得られる。
- 細胞融合…植物細胞の細胞壁を酵素で分解処理して得られるプロトプラストをポリエチレングリコールなどを用いて融合させ、雑種植物を得る。
- モノクローナル抗体…抗体産生細胞をがん化した細胞(増殖能力が高い)と融合させ、大量につくらせた抗体。モノクローナル=「単一の」。
- ES細胞(胚性幹細胞)…多様な分化能を持つ胚由来の培養細胞。遺伝子組換えによってさまざまな細胞をつくり出すもとになる。
- トランスジェニック動物…ほかの生物の遺伝子を導入した動物。
- ノックアウトマウス…特定の遺伝子をはたらかなくしたマウス。
- キメラ…異なる遺伝子型の細胞が共存する個体。胚発生の初期に2 つの胚を1つに合わせてつくる。
- タンパク質…タンパク質は、アミノ酸がペプチド結合で鎖状につながった高分子です。
- アミノ酸…アミノ酸は、炭素原子(C)にアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)が結合した分子です。R(側鎖)の部分の違いで異なるアミノ酸にな り、タンパク質を構成するアミノ酸は20種類。例の1つとして、Rが水素(H)の場合はグリシン
- ペプチド結合…ペプチド結合は、隣り合うアミノ酸での、アミノ基とカルボキシル基間の脱水結合。多数のアミノ酸がつながったものをポリペプチドという。
- 形質発現…遺伝子からタンパク質が合成され、そのはたらきが現れる。
- 一遺伝子一酵素説…「1つの遺伝子が1つの酵素の合成を支配する」とビードルとテータムがアカパンカビを用いた実験から提唱(1945年)
- フェニルケトン尿症…突然変異に よってフェニルアラニンを分解する酵素が欠け、尿中にフェニルピルビン酸(フェニルケトン)を排出。
- アルカプトン尿症…突然変異によ ってアルカプトンを分解する酵素が欠け、アルカプトンが尿中に排出される(尿が酸素に触れると黒く変色)。
- かま状赤血球貧血症…赤血球の形が細長くなり、血管がつまったり、赤血球が壊れるなど重い貧血となる。突然変異遺伝子をホモで持つと発症。
- 細胞の分化…細胞ごとに特定の遺伝子による特定の形質が発現する。
- 分化の全能性…分化した細胞でもすべての遺伝子を持っており、1つの細胞あるいは核から新しい1個体を発生させることができる。
- 脱分化…植物体から細胞を切り出して、植物ホルモンを加えた培地で培養することで未分化な細胞の塊(カルス)となる。
- 再分化…カルスから根や茎、葉が生じて植物体が形成される。
- 動物細胞の核の全能性…除核した受精卵に発生が進んだ個体の組織から得た細胞核を移植すると、一部に正常に発生した個体が得られる。
- パフ…染色体のDNAがほどけ、さかんに転写が起こっている部分。発生の過程では各時期ごとに特定の場所にパフが生じる。
- 調節遺伝子…他の遺伝子の発現を調節する調節タンバク質の遺伝子。
- オペロン説…タンパク質のアミノ酸配列の遺伝情報を持つ構造遺伝子と構造遺伝子が発現するかどうかのスイッチの役割をする作所 (オペレーター)がつくるひとまとまりの単位。大腸菌で発見された。
- エストロゲン…鳥類の卵白を合成する輸卵管上皮細胞の核内に入って受容体と結合し、できた複合体がアルブミン遺伝子のプロモーターに結合することで転写を促進する。
- 閉鎖血管系…心臓を出た血液の大部分が血管の中だけを通って心臓にかえってくる閉鎖血管系
- 開放血管系…心臓から出た血液が一度血管外に出て組織間を流れてから心臓に かえってくる開放血管系
- 生体防御…体外から侵入したウイルスや細菌などの異物を排除して、生体を防御する働きが免疫です。免疫には、白血球やさまざまな血しょう中の物質が関与しています。
- 白血球…色素のない血球で、アメーバのように自由に動いて、からだの中にはいってきた細菌などをとらえるはたらきをする。リンパ球も白血球の一種である。
- 血しょう…血しょうは、血液中の透明な液体で大部分が水である。これにタンパク質やブドウ糖、アミノ酸、脂肪、無程 (塩類)などが含まれている。
- 免疫…免疫は、異物(非自己の物質)を認識して排除し恒常性を保つしくみ。リンパ球(B細胞、T細胞)がはたらく。
- 体液性免疫…体液性免疫は、B細胞がつくった抗体(免疫グロブリンというタンパク質)が抗原に結合して無毒化する抗原抗体反応によって異物を排除する。細菌の感染や毒物に対しておもにはたらく。
- 細胞性免疫…細胞性免疫は、T細胞による直接攻撃が中心になる免疫。結核菌やチフス菌、移植細胞への拒絶反応などにはたらく。
- 免疫記憶…B細胞の一部は記憶細胞として残るため、同じ抗原が再度侵入した場合には1度目よりも速く強い反応が起こる(二次応答)。
- ワクチン…人為的に投与する抗原(無毒化した病原体など)。感染前に抗体を体内につくり、病気を予防する。例として、BCG(結核の予防)
- アレルギー…免疫反応が過剰に起こり、生体に害を及ぼすこと。この原因抗原をアレルゲンという。花粉症、ぜんそく、じんましん
- 血清療法…病原体や毒素(ふつう無毒化したもの)を動物に注射して、抗体がつくられた血清を利用。例として、ヘビ毒の治療、ジフテリアの予防
- エイズ(後天性免疫不全症候群)…T細胞に感染するウイルス(HIV)によって免疫機能が低下し、感染症やがんになりやすくなる病気。
- 生態分布…環境要因に対する適応の面から考えた生物の分布。
- 生態系…一定地域内に生活する生物と環境から成る1つのまとまり。生物群集(一定地域内の同種・異種の生物の集団)」と無機的環境(温度、湿度、光、土壌、大気、水、栄養分など)のまとまりがある。
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