【高校地理】世界の林業・森林資源まとめです。
世界の森林資源
世界の森林は、陸地の約30%を占め、そのうち約95%が原生林(天然林)である。人工林とは伐採地跡に植林をした森林である。開発が進んだヨーロッパでは人工林の割合が高い。森林は、熱帯では熱帯林、温帯では常緑広葉樹林や落葉広葉樹林、亜寒帯(冷帯)では針葉樹林が広がる。
世界の森林のうちの約半分が熱帯林で、残りは温帯林と亜寒帯林(冷帯林)が半分ずつである。
熱帯林
アマゾン川流域のセルバ、アフリカや東南アジアのジャングルには、広大な熱帯林が広がる。家具材や合板に利用されるラワン(フィリピンやカリマンタン島)、硬質な木材で建築材に利用されるチーク(南アジアから東南アジア)、硬質な木材で高級家具材に利用されるマホガニー(西インド諸島やフロ リダ半島)が主な用材。
温帯林
落葉広葉樹では、ブナ・ナラが広く分布する。中国から日本にかけては常緑広葉樹林のうち照葉樹林が広がり、シイ・カシがみられる。針葉樹では、スギ・ヒノキ・マツがみられる。ヨーロッパでは、ドイツのシュバルツバルト(黒森)が針葉樹の人工林として知られる。地中海沿岸には夏の乾燥に対応したオリーブや月桂樹などの硬葉樹林が広がる。
亜寒帯林(冷帯林)
シベリアのタイガ、北ヨーロッパや北アメリカに広大な針葉樹林が広がる。主にカラマツ・トウヒ・モミ・エゾマツ。針葉樹はバルブの原料(パルプは紙の原料)として利用されている。
森林の役割
森林は貴源としてたけでなく、洪水の防止・土壌流出の防止・二酸化炭素の吸収などの役割を果たす。ガンジス川上述のヒマラヤ山麓では、森林の過剰な伐採によって、下流のデルタ地帯で洪水が増加した。また、森林が少ない都市の人々の間では、森林浴など余暇活動にも利用される。
木材の利用と貿易
木材の用途は、建築・家具・バルプ・合板として利用される用材と熱帯林・広葉樹林を主とし、発展途上国で燃料用に使われる薪炭材とに分けられる。
資源の枯渇
発展途上国では人口の増加によって伐採量が増えたことや世界の木材需要の増加による熱帯林の伐採で、資源の枯渇や生態系の破壊が進んでいる。
木材の輸出入
1990年代までは、マレーシアやインドネシアの熱帯林の輸出量が多かったが,熱帯林の原木の輸出規制が行われたり、合板に加工してから輸出するようになったため、現在は亜寒帯林が広がるロシアやカナダの輸出量が多い。
日本の輸入
日本は、1960年代はフィリピン、1990年代はマレーシアから多くの熱帯材を輸入していた。細菌では、アメリカ合衆国・ロシアなどからの亜熱帯材の輸入が多い。
コメント