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【高校政治経済】資本主義体制の成立と発展

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【高校政治経済】資本主義経済の成立と発展についてまとめています。

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資本主義経済の発展

経済活動は、財・サービスの生産、流通、消費を行うこと。

資本主義経済の特徴

  • 私有財産制…土地・労働力・資本などの生産手段の私有が保障される。
  • 営利の追求…企業の自由な利益追求。企業は、得られる利潤(利潤=売り上げ-生産費用)を最大化しようとする。
  • 商品経済…販売することを目的に財やサービスを生産する経済。
  • 市場経済…経済活動の自由が保障されており、政府は原則的に介入しない(自由競争)。市場を通じて、価格・賃金・資源の配分が調節される。

商品経済の形成は、中世末期には商業資本家によって商業資本が蓄積された。

工地囲い込み(エンクロージャー)

18~19世紀、イギリスでは資本主義的農業生産を行うために土地の囲い込みが行われた。この囲い込みにより、多くの農民が都市に流れ、労働力の担い手となった。

産業資本主義の時代

大土地所有者や富裕層は毛織物工業などで資本を蓄積し、産業資本家へと成長。工場を建て、労働者を雇用し、分業・協業によって効率的生産活動を行う。これを工場制手工業(マニュファクチュア)という。

アダム=スミス

18世紀のイギリスの経済学者。1776年、著書「国富論(諸国民の富)」の中で、自由な経済活動の必要性を主張。

  • 労働価値説…金銀や貿易差額を蓄積することで富が増えるという重商主義の考えを否定し、労働が商品の価値を決めるとした。
  • 自由放任政策(レッセ・フェール) …神の「見えざる手」の働きにより、各個人の自由な経済活動が社会全体の利益になり、適切な配分につながると主張。政府は経済活動には介入するべきではないとした(古典派自由主義)。
  • 夜警国家…国家は経済活動に干渉せず, 国防・治安・外交などの最低限の活 動に専念するべきであるとし、小さな政府(安価な政府)を理想とした。ドイツのラッサールは、こうした国家のあり方を批判し、夜警国家と呼んだ。

産業革命とは

18世紀後半からイギリスで始まり、工場制機械工業の時代を迎えた。工場の効率化・大量生産方式で飛躍的に生産効率が高まり、資本の蓄積・集中が進んだ。土地・機械・原材料などの生産手段をもつ資本家階級(ブルジョワジー)ともたない労働者階級(プロレタリアート)の分化が見られた。

独占資本主義の時代

19世紀になると、少数の巨大企業が資本・生産・市場を支配する時代となった。市場の寡占化が進む中で、産業資本と銀行資本が結合し、金融資本が形成されていった。

  • 労働問題…生産手段をもたない労働者は、資本家に低賃金で雇用され、貧富の格差が増大した。また技術革新が進んだため、熟練労働者が必要なくなった工場では、少年工・工女が低賃金で長時間労働させられた。これらは労働条件の改善を求める労働運動や工場法の制定などにつながった。
  • マルクスの登場…マルクスは、資本家の富は労働者からの労働価値の搾取の結果であると考えた。労働価値の労働者への公平な分配のためには、革命によって生産手段を国有化し、労働者によるプロレタリアート独裁を実現すべきであると主張した。
  • 帝国主義…市場と原料の供給地を求める独占資本に動かされ、先進工業国の各国(列強)は、植民地獲得競争を展開。レーニンは、独占資本主義の段階を「資本主義の最高段階としての帝国主義」と呼んで批判。帝国主義的な世界体制は、第一次、第二次世界大戦を発生させる誘因となった。

資本主義経済の弊害

  • 市場の独占化…19世紀末~20世紀前半にかけて、自由競争が阻害される独占資本主義の段階へ。
  • 景気変動…需要と供給の不均衡から好景気と不景気が交互に繰り返すこと。1929年にアメリカから始まった恐慌は世界中を巻き込んだ(世界恐慌)。
  • 貧富の差の拡大…資本家階級と労働者の階級に分化が進んだ。

修正資本主義

世界恐慌以後、資本主義に政府による経済への介入が求められるようになった。古典的自由主義とは異なる社会自由主義(福祉国家的自由主義)への転換が見られた。

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