【大学入試小論文】文化についての考察です。文学部をはじめ、総合政策系学部、国際関係系学部、難関大学、女子大学で広く出題されるテーマの1つが「文化」です。
「文化」についての出題例
■文化の多様性について
「文化」は多様であり、異なる地域や民族で異なる特徴があります。異なる文化が共存する社会において、その影響や課題について述べよ。
■伝統と現代の融合
現代社会において、伝統的な文化と新しい要素が融合する様子を具体的な例を挙げながら説明せよ。
■文化の保存と変容
文化は変化し続ける一方で、伝統や歴史を守る必要があります。文化の保存と変容についてのバランスをどのように保つべきか論じよ。
■国際的な文化交流
グローバリゼーションが進む中、異なる国や地域の文化が交流し合うことの意義や影響について述べよ。
■技術の進化と文化の関係
技術の進歩が文化に与える影響について、肯定的・否定的な面を挙げながら論じよ。
■言語と文化
言語は文化を反映し、形成する要素である。言語の役割や変容が文化に与える影響について論じよ。
■文化の教育
学校や教育機関において、文化に関する教育が重要である理由について述べよ。
■文化とアイデンティティ
個々のアイデンティティや社会のアイデンティティ形成に文化が果たす役割について論じよ。
■文化の衝突と調和
異なる文化が衝突する場面がある一方で、調和する場面も見られる。その要因や対処法について論じよ。
■未来の文化に対する展望
技術や社会の変化に伴い、将来の文化がどのように変わっていくべきか、または変わるべきでない理由について述べよ。
文化とは
「文化」は、一群や共同体が形成する独自の価値観、信念、慣習、芸術、言語などの総体を指します。これは、世代を超えて伝えられ、共有され、形成される。文化は個々のアイデンティティの基盤であり、社会の結束や連帯感を育む重要な要素となっています。また、文化は多様性を反映し、異なる地域や民族、社会において変容し、進化しています。
小論文では、文化について自分なりの定義をもっておくことも大事です。たとえば、
文化は思い込みである。人間は、たまたまその土地に育ったというだけで、一定の固定的なものを身につけ、それにしたがってものを見ることになる。それに反することを見ると、「許せない、信じられない、何という人だ」と思ってしまう。「女はスカートをはいて化粧をする、男はそうしない」というのは単に文化にすぎず、必然性はないのだが、スカートをはいて化粧をしている男を見ると、ほとんどの人が異様だと思ってしまう。要するに、人間は文化という色眼鏡を通して世の中を見ているということなのだ。
日本人は太陽を赤いと思い、フランス人は黄色いと思っている。これは、「太陽は赤い」という日本の文化と「太陽は黄色い」というフランスの文化が違うということだ。つまり「太陽が赤い」というのは、日本の文化が決めたものなのだ。
文化の意味
私たちの生活と文化の「文化」にはさまざまな意味がある。
- 「教養」の意味、文化祭、カルチャー(文化)センターなど
- 生活環境の中で身につけた行動の仕方や価値観によって生み出されるもの。言葉、あいさつ、食事の仕方など
- 日本語を話す、お辞儀をする、おはしを使って食べることも「文化」
文化の課題
文化は、豊かな社会生活を送るために大きな役割を果たしているが、負の側面もある→科学技術の発展が害をもたらすダイナマイトの戦争利用、原子力発電所の事故、危険性(リスク)、異なる宗教や宗派間の対立や紛争の発生。
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