【高校地理】ヨーロッパのポイントについてまとめています。
EU
- EUの誕生…1967年、3機関wp統合し、EC(ヨーロッパ共同体)が成立。→1993年、マーストリヒト予約の発効により, EU に発展。本部はベルギーのブリュッセル。
- EUの役割…加盟国は27か国(2007年に2か国が加盟)。資本・商品・労働力の移動の自由化=市場統合。国境管理の廃止(シェンゲル協定), 通貨統合(ユーロ), 大学教育の統合(エラスムス計画)。
- EUの課題…経済格差の解消→ヨーロッパ地域開発基金(ERDF)による資金援助。環境考急の対策→ヨーロッパ環境機関・ライン川保護国際委員会の設置、長距離越境大気汚染条約の締結、環境税(定 素税)導入。周辺地域からの外国人労働者の流人。
近年発展の遅れている東ヨーロッパ諸国の加盟が進んだことで、経済的に豊かな西ヨーロッパ諸国との間で経済差があり、経済活動からとらえた国内総生産(GDP)や国民の所得からとらえた国民総所得 (GNI)には加盟国間で大きな差がある。
ECからEUへ
1993年、EC(欧州共同体)はマーストリヒト条約に基づきEU(欧州連合)に発展した。経済統合に加え、EU(欧州連合)に発展した。経済統合に加え 外交・安全保障の分野でも統合が進んだ。加盟国は東欧まで拡大し、28か国となっている(2013年7月)。
- ECB(欧州中央銀行)…1998年に設立。1999年には欧州の単一通貨ユーロを導入。ユーロは2002年から現金通貨としても使われるようになった。
- リスボン条約…2007年調印。EU大統領(欧州理事会常任議長)、EU外相(外務・安全保障政策上級代表)が置かれた。
- 欧州債務危機…ユーロ参加国は財政赤字をGDPの3%以下にするというルールがある。世界的な金融危機からギリシャ財政危機までの流れの中で、有効な金融・財政政策がとれなかった。現在、欧州金融安定化基金の創設によって対応にあたっている。
ヨーロッパの自然と社会
- 自然…日本より高緯度に位置するが, 比較的温暖。中部は構造平野(パリ盆地やドイツ平川), 北部・南部は半島と島々。
- 社会…インド=ヨーロッパ語族に属する言語。北部にゲルマン系民族(プロテスタント), 南部はラテン系民族(カトリック)。中央部・南東部はスラブ系民族(ギリシャ正教, カトリック)。
- 混合農業…北部・西部では穀物・飼料作物の栽培と家畜の飼育を組み合わせた混合農業が発達。
- 地中海式農業…地中海沿岸では夏はオリーブ、ぶどうなどの果樹。冬は小麦を栽培する地中海式農業を行う。
- 工業…イギリスで産業革命が始まる。現在、工業の中心は臨海部。
ヨーロッパの国々
- イギリス…西岸海洋性気候。ロンドンは金融の中心。北海で石油を産出。フランスとはユーロトンネルで結ばれる。イギリスから産業革命が始まり、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国で構成されています。
- フランス…EU最大の農業国で, 農作物を輸出。北フランス炭田・ロレーヌ鉄山とルール炭田(ドイツ)を結ぶ地域は重工業三角地帯。1958年10月にフランスの憲法が制定されて、半大統領制の共和制の国。高福祉高負担国家であるのも特徴。
- ドイツ…1990年, 東西ドイツが統一。トルコ・旧ユーゴスラビアからの外国人労働者が多い。ルール地方は,最大の工業地帯。環境先進国で、水質汚濁や酸性雨の被を害激しい規制で大気汚染や交通渋滞が和らいでいます。
- ベネルクス3国…EC のひな型となる。ブリュッセル(ベルギー)にEU本部。ルクセンブルクにEU裁判所。ユーロポート(オランダのロッテルダム)はEU最大の貿易港。
- 北ヨーロッパの国々…スカンジナビア3国と酪農のデンマーク。
- 南ヨーロッパの国々…地中海式農業。北イタリアからスペイン北東部にかけて先端産業や観光業(リゾート産業)が発展。
- 東ヨーロッパの国々…EU加盟国が増加。旧ユーゴスラビアの分裂。
ヨーロッパの特徴ある地形
氷河時代(氷期)につくられた地形において、ボスニア湾奥を中心とする一帯には、広大なスカンディナヴィア氷床が分布し、北緯50度付近より北部の大部分を覆っていた。氷河のほとんどが消失した現在では, U字谷に海水が浸入してフィヨルドを形成し、陸地には氷河湖やヒースランドが分布している。
- フィヨルド…スカンディナビア半島のノルウェー沿岸などでみられる、氷河によってけずられてできた複雑な海岸地形
アルプス山脈やジュラ山脈には山岳氷河が分布して急峻なホーンやU字谷を形成し、山麓には氷河が運搬した土砂が堆積してモレーンが形成された。
ケスタ地形
パリ盆地やロンドン盆地では,盆地を取り囲むように、急な崖とゆるやかな斜面とが交互に配列するケスタが発達している。
リアス海岸
岬と入江が鋸の歯のような配列になっている海岸地形。名称はスペイン北西部のリアスバハス海岸に由来する。
カルスト地形
石灰岩が溶食されて形成された特異な地形。名称はスロベニアのカルスト地方に由来する。
火山
アイスランド”やイタリアなどに分布している。
ヨーロッパの主要な河川
- ライン川…ヨーロッパを代表する国際河川。ライン地溝帯を北流し、オランダで北海へ注ぐ。中流域にはルール工業地域を中心に工業都市が多い。
- ドナウ川…オーストリア・ハンガリー・セルビアを通って、黒海へ注ぐ国際河川。河口は三角州を形成。ライン川とは、マイン=ドナウ運河で結ばれている。
- エルベ川…チェコ共和国のボヘミア盆地から流れ下り、ドイツの首都ベルリンを通り、ハンブルクから北海へ注ぐ。 河口はエスチュアリ(三角江)を形成。
- セーヌ川…フランスのブルゴーニュ地方から流れ、首都パリを通って、ルアーブルでイギリス海峡へ注ぐ。
- テムズ川…ロンドンを流れ, 北海に注ぐ。河口はエスチュアリを形成。
- ポー川…アルプス山脈から流れ下る多くの支流を集めイタリアのトリノを通り、 パダノ=ヴェネダ平野を横断してアドリア海へ注ぐ。
EU諸国の工業
国境を越えた共同研究・開発が進んでいる。
- イギリス…産業革命の発祥地。近年、国際競争力が低下した。バーミンガム(鉄鋼業)などから,北部のフォース湾など臨海部へ。
- ドイツ…ルール工業地域は、西ヨーロッパ最大。内陸水運を利用。EU最大の工業国。内陸部から臨海部に工業の中心が移動。鉄鋼業・化学工業・自動車工業が発達。ルール炭田とライン川の水運を元にルール工業地域が発展。
- フランス…パリ近郊、北部やロレーヌ地方。
- オランダ…ライン川河口のユーロポートに、石油化学コンビナート。
- イタリア…北部に工業が集中。南北の地域格差が大きい。
ヨーロッパの工業地域
ヨーロッパの工業地域をみると、古くから炭田や鉱山山を基盤とした重工業地帯が発達してきた。たとえば、イギリスのバーミンガムやグラスゴーの周辺、ドイツのルール地方、フランス東部のロレーヌ地方などで発達した。ヨーロッパの古い工業地域は主要な炭田の上に発展してきた。イギリスではミッドランドやスコットランド、ドイツではルール地方などの炭田周辺に重化学地域が形成された。
ドイツ
ドイツ、1870年代から1910年にかけての産業革命の時代、大都市人口は7倍にふくれあがった。
スウェーデン
スウェーデン北部には、キルナやイェリヴァレなど、良質の磁鉄鉱を産する鉱山がある。これらの鉄鉱石は、ルレオ港から積み出されるが、冬季になると凍結するのでノルウェーにある不凍港のナルヴィクが利用されてきた。現在は、冬季でも、砕氷船を利用してルレオ港から輸出が可能になっている。鉄鉱石産地であるキルナとイェリヴァレは、共に鉄道によってボスニア湾に面したルレオと隣国のノルウェーの港湾都市ナルヴィクに結ばれている。
イギリス
国の北部と南部の間で大きな経済的地域格差があるイギリスでは、第二次世界大戦後、地域格差を是正するために巨額の国家資金を南部の農業生産性の向上や工業開発に投じてきた。タラントの製鉄所もその一つである。
- リバプール…鉄道が世界で最初に営業運転を行った区間は、イギリスの工業都市マンチェスターと港湾都市リパプールの間であった。
フランス
フランスでは、ドーヴァー海峡に面する港湾都市ダンケルグやマルセイユ近郊のフォス湾などに新たな工業地域が建設された。
- リヨン…ソーヌ川とローヌ川との合流地点に古くからの交通の要地リヨンは絹工業で知られるほか、化学繊維・自動車・機械工業がさかんな都市である。
CIS諸国の工業
豊富な資源で工業が発達。→ソ連では産業5か年計画。コンビナートが発展。→現在は市場経済へ。ロシアは, モスクワ周辺, ウラル工業地域など。ウクライナはドニエプル工業地域。
ヨーロッパの農牧業の特色
有畜農業、麦作中心の輪作、科学的な集約的農業。三圃式農業から混合農業・酪農・地中海式農業・園芸農業へ分化。
ヨーロッパ各国の特色
- イギリス…商業的混合農業と酪農が中心。
- フランス…自作農中心で西欧最大の農業国。
- オランダは…ポルダ ー(干拓地)で酪農・園芸農業。
- アルプス山脈…酪農および移牧がさかん。
- イタリア・スペイン…地中海式農業が中心。
イギリス
イギリスでは、18世紀の囲い込み運動と自由貿易政策の結果、大規模な企業的経営が成立した。気候が冷涼で、痩せた土地が多く、国土面積の約半分が牧草地であることから、酪農と農業が主体である。とくに酪農はイングランドのペニン山脈の西側で、農業は南東部でさかんである。
フランス
小麦の最大の生産国は中国であり、次いでインド、アメリカ合衆国が多い。小麦の最大の輸出国はアメリカ合衆国であり、フランスやカナダがそれに続く。
欧州の代表的な小麦産地
ヨーロッパの代表的な小麦産地として、イギリスのイングランド南東部、フランスのピカルディー地方、イタリアのポー川流域のパダノ=ヴェネタ平野をあげることができる。
ブドウ
ブドウはヨーロッパ南部を中心に広く栽培され、とくに、フランス最大のブドウ酒産地であるボルドー地方を下流に有するガロンヌ川流域が有名である。
デンマーク
北海に面したコやオランダ、さらにイギリス南西部では、集約的な酪農が発達している。
地中海式農業
夏の乾燥に耐えるブドウなどの樹木栽培に特徴があり、樹木農業ともいわれる。降水がみられる冬に小麦の栽培、さらに家畜としてはヤギが飼育されることも。世界中の地中海性気候の地域でこの農業形態はみられ、南ヨーロッパ以外でも、アフリカ大陸北 西部・南西部、地中海東岸(イスラエルなど)、アメリカ合衆国太平洋岸(カリフォルニア州)、チリ中部、オーストラリア南部に地中海式農業地域はみられる。
ロシアと周辺諸国の農牧業の特色
コルホーズ(集団農場)などの集団的農牧業は解体され,私有地が増加。黒土地帯は企業的穀物農業が成立し,機械化が進む。
農牧業地域
北部は遊牧地帯(となかい)、ウクライナの黒士(チェルノーゼム)地帯は世界的な小麦産地。中央アジアは,綿花と牧羊。
- となかいの遊牧…極北に至る広い範囲
- えん麦・大麦…おもに飼料とする
- 酪農…牧草栽培と乳牛飼育
- ライ麦・じゃがいも手㎜主食とする作物栽培
- 春小麦…チェルノーゼム
- 大麦…大麦は適応力が強い
- 地中海式農業…綿花は灌漑が必要
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