【高校現代文】小説文の読み方・解き方についてまとめています。「全部読んでから解く」のか「読みながら解く」のか迷う、学生も少なくないでしょう。そのあたりから記述していきます。それでは、【高校現代文】小説文の読み方・解き方です。
小説文の読み方
「小説は読みやすいし簡単だ」という発想は危険です。昨今の共通テストの小説は、難しい問題がしばしば出ます。そして、そんなときは、当然ながら平均点が暴落します。そういうことを避けるためにも基礎を固めておく必要があります。
小説問題の解き方は、さまざまなものが提案されており,「全部読んで から解く」「読みながら傍線部が出てきたら解く」の2つが多数派ですが、じつは「どちらとも間違い」です。
なぜなら「大学受験、共通テスト、時間との戦い」だからです。
たとえば、文章全体で、前半の内容と後半の内容とが分かれているとして、前半の内容だけ読めば解ける問題を、あえて後半の内容を読んでから解く必要はありません。
とはいえ、傍線部が出てきたところで、今まで読んだ内容だけでは解けないものも多く出題されます。そこで、前半の内容がわかっているときには前半にある設問はその時点で解き、前半だけで解けない問題は後半を読んでから解きます。
評論での 「パラグラフ(段落)リーディング」と同じです。とにかく文章に応じて臨機応変に 読む必要があるということです。
ただ、この読み方をするには、どこまでがひとくくりの場面なのかわかることが必要です。
小説文の解き方
【1】登場人物の心情に注意しながら読む
コツは、「登場人物の心情に注意しながら読む」ことです。ずっと同じ心情なら同じ場面。心情が変化すれば場面が変わります。
何かをきっかけに心情は変わるので、小説文のなかで事件などが起きたときには注意しておくことが大切です。
【2】主観を入れずに読む
小説は、心情が、描かれているので主観(解答者の心情)が入りやすいです。主観的には読むと、設問を間違えまくるので、評論を読むとき以上に客観的に読むことが大切です。
また、小説を読んでどう感じるかは自由なので、どう書いてあるかしか設問にはできません。ここがポイントです。小説を読むときは、登場人物の心情がわかる表現をチェックしながら読む必要があります。
小説の問題の形式を知る
本文に書かれている心情表現(楽しい・悲しい・ほっとする・ ~思う・〜感じる・~情など)に注意しながら読む!小説で出題されるのは、基本的に次の3つです。
1.評論型問題(指示語、接続語、言い換えに注目する)…評論の設問と同じように、指示語、接続語などで解ける
2.場面型問題(心情をおさえるか、心情とその原因を考える) …話の流れから解く問題。つまり、その場面に書かれている内容をしっかりとおさえて解く問題。場面型問題でおさえるべきポイントは、「心情をおさえる」ことです。心情をおさえただけで解けないものは、心情とその心情を引き起こした原因をおさえます。
3.全体型問題(本文全体から考える)
「注」や「前書き」に注意!
「注」や「前書き」もチェックしましょう。答えの根拠が書いてあることがあります。語句の本文中での意味を答える設問の設問条件には「本文中での意味を答えよ」とあるので、単純に文脈から絡める設問と思う人もいますが、このような設問では、どれだけの語彙力を習得しているかを測りたいのです。
ですので、このような設問では、その語句の本来の意味である「辞書的意味を最優先」に考えることが大切です。 その辞書的意味が、本文の文脈にピタッとはまれば、それが正解。辞書的意味が本文に合わないときには、文脈上の意味を問われているので、文脈上の意味を重視します。
- 辞書的意味を最優先(本文に合えば、その選択肢が正解)
- (辞書的意味が本文に合わないときは)文脈上の意味
「表現の特徴」についての問題
表現の問題を、本文の内容と無関係に考えていませんか? 表現の問題は本文を読んでいるときに、「この表現にはこんな意味がある」「次の表現にはこんな意味もある」とはなかなか気づかず、選択肢を見てはじめて「えっ! この表現にはそんな意味があるのか?」とパニックになる受験生が多いようです。
しかし、選択肢をよく見てみると、表現の特徴ばかりではなく、本文内容について問うているものもあります。本文にどんな内容が書いてあるのかはだれにでもわかるので、まず本文内容だけで選択肢の正誤を判断します。それでも答えが出ないときには、表現自体で判断して適切な選択肢を 探します。
- 本文内容から考えることが最優先
- (本文内容から解けないときは)表現自体について考える
小説の読解のまとめ
- 場面や出来事を押さえて登場人物のおかれている状況を理解する。
- 登場人物の心情や心情の変化、人物像を捉える。
- やま場(話が最も盛り上がるところ。クライマックス)に注目する。
- やま場では、主たる人物が、強く心を動かされていることが多い。
- 主たる人物の生き方、考え方から、作者が伝えようとしていることをつかむ。
- 直接心情を表す表現に注目する。(例)ユミは心からうれしいと思った。
- 人物の行動・様子・会話などに注目する。
<例>
・私は深いためいきをついた。(行動)→落胆
・姉は、本番を前にそわそわと落ち着きがなかった。(様子)→緊張
・「あなたの顔など二度と見たくない。」と強く言った。(会話)→怒り - 情景描写に注目する。 <例>地上にはあたたかな太陽の光が降り注いでいた。 →幸せ、喜びなど、明るく穏やかな気持ち
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