【高校倫理】ヘレニズム思想のポイントについてまとめています。ヘレニズム思想は、古代ギリシャの哲学が広まり、様々な文化と融合した時代に生まれました。この時期、アレクサンダー大王の征服によって広がったギリシャ文化は、東方の思想や宗教と結びつき、多様な哲学的流派が生まれました。本記事では、ヘレニズム思想の主要な特徴や代表的な哲学者、そして彼らの思想が現代に与える影響を探ります。ヘレニズム思想の理解を深めることで、古代の知恵を現代の問題に生かす手助けとなることでしょう。それでは、ヘレニズム思想の世界に足を踏み入れてみましょう。
ヘレニズム思想
ヘレニズム時代は、アレクサンドロス帝国やローマ帝国などの世界帝国が成立すると、ポリスという規制がはずれて、個人としていかに幸福に生きるいいう個人主義の時代となった。現代にも通じる幸福論である。
アレクサンドロス大王は、20歳でマケドニア王に即位し、前334年に東方遠征に向かい、アケメネス朝ペルシャを滅ぼす。ここから大王の病死で分裂した「ヘレニズム三国(アンティゴノス朝マケドニマ・セレウコス朝シリア・プトレマイオス朝エジプト)が滅亡(前30年にエジプトのクレオパトラ7世が自害) するまでの300年間がヘレニズム時代です。
エピクロス派の理想(幸福)の境地「アタラクシア (ataraxia)」と、ストア派の理想(幸福)の境地「アパテイア(apatheia)」が真理である。
エピクロス派
- 時期:エピクロスの生きた前341年~前270年没
- 拠点:アテネを拠点
- 特徴:デモクリトスの影響を受け個人主義を特徴とした。
- 道徳原理:「隠れて生きよ」
- 最大幸福:内的・静的快楽の充足感(心の平静)
ストア派
- 時期:ゼノンの生きた前335年~前263年没
- 特徴:アテネに学校「ストア=ポトティケー」を開き、禁欲主義が特徴。
- 道徳原理:「自然に従え」
- 最善の境地:解き放たれた理性的・自然的禁欲による無情念 (心の平静).
人間(個人)として幸福に生きるには、「心の平静」が最も大切である」が、ヘレニズム時代の思想家の思想である。
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