【高校地理】間帯土壌についてまとめています。
間帯土壌
気候,植生の分布と対応した成帯分布を示さない土壌で、上局地的に分布するのが間帯土壌。母岩の影響などにより形成。特定の農産物の栽培と結びつくものが多い。
レグール土
玄武岩が風化した黒色の土壌で、綿花栽培と結びつく。インド半島西部に分布。
- 火山岩…マグマが地表や地表近くで急速に冷えて固まった岩石。(例)流紋岩、安山岩、玄武岩
- 深成岩…マグマが地下でゆっくり冷え固まった岩石。(例)花こう岩、せん緑岩、はんれい岩
テラローシャ
玄武岩と輝緑岩の風化した暗紫色の土壌。ブラジル高原南部に分布し、コーヒー栽培と結びつく。
- 南アメリカには、政情不安や激しいインフレなど、政治・経済面に問題のある国も多いが、近年はブラジルを筆頭に工業化をおし進めており、経済が発展してきている国もある。
テラロッサ
石灰岩が風化した赤色の土壌。カルスト地形や隆起サンゴ礁の地域に分布するが、とくに南ヨーロッパの地中海沿岸が特徴的。
レス
ヨーロッパのレスはロンドンやパリ周辺、ハンガリーに分布。大陸氷河の外側に集められた土が風によって周囲に散布されることにより形成。中国のレスは華北平原。黄土高原から黄河の流れによって下流側にもたらされる。いずれも小麦やトウモロコシの栽培に利用される肥沃な土壌。
- 華北地方…寒冷な気候のため畑作地帯となっており、小麦や大豆などの生産が中心
- 華中地方…温暖多雨な 気候を生かした稲作地帯となっており、米の生産が中心
- 華南地方…米の二期作が行われている
成帯土壌
成帯土壌は気候帯に沿って分布する土壌で、気候・植生の影響を強く受けて生成され、ほぼ東西に帯状に連なって分布する土壌。ポドゾル・チェルノーゼム・ラテライトなどがあります。
湿潤土壌
熱帯や冷帯などに分布し、酸性を呈する。熱帯の土壌トソルは地表面に酸化した金属が集積する赤色の土壌。冷帯の土壌ポドゾルは色素が溶脱された灰白色の土壌。いずれもやせている。
半乾燥土壌
ステップとその周辺地域に分布し、弱アルカリ性を呈する。腐植が豊かで、肥沃である。
乾燥土壌
乾燥地域に分布し、アルカリ性を呈する。とくに乾燥の度合いの高い地域に分布する砂漠土は、地表面に塩類が集積する塩害の被害が大きい。
その他の成帯土壌
- 温帯地域が褐色森林土
- ツンドラ地域がツンドラ土
- ステップ地域の中でも砂漠に近く降水量が少ない地域に分布するものが栗色土。
<補足>
- 北アメリカ州北部…アラスカとカナダのほとんどは寒帯と冷帯。ツンドラとタイガとよばれる針葉樹林が広がる。
- 北アメリカ州中央部・西部…乾燥帯の砂漠気候。ステップ気候。
黒土
成講土壌でもとくに重要であるのが半乾燥土壌の黒土(黒色土)。
黒土の特徴
半乾燥土壌である黒土はステップとその周辺地域に分布 し、弱アルカリ性を呈す。地表面が厚い腐植層によって覆われており、小麦栽培に適している。大規模な小麦農業(企業的動物農業)と結びつく。
- 腐植…微生物が植物を分解することで 生成された有機物を豊富に含む物質で、この存在により土壌はとなる。熱帯地域、冷帯地域、砂漠地域の土壌はこの腐植に乏 しい。熱帯では多雨により腐植が流出し、冷帯地域は冷涼なため微 生物の分解活動が行われず、砂漠ではそもそも植生に乏しい。適 度な気温と降水量が維持されるステップとその周辺地域においてこそ腐植層が発達しやすい。
チェルノービム
黒色土。ウクライナから東方に広がる地域に分布。小麦やトウモロコシ、ヒマワリの栽培。
プレーリー土
アメリカ合衆国中西部から中央平原にかけて。トウモロコシや大豆、小麦の栽培。
- グレートプレーンズ…北アメリカ大陸、ロッキー山脈の東麓から西経約100度線との間に広がる平原。牛・馬の放牧と小麦・トウモロコシを産出する農牧業地帯。
- プレーリー…肥沃な土壌にも恵まれ,白人による開発の進行にともない,小麦,トウモロコシ,綿花などを産する農業地帯へと変貌
パンパー土
アルゼンチン東部からウルグアイにかけてのパンパと呼ばれる草原に分布。トウモロコシや大豆、小麦の栽培。
- 温帯…ラプラタ川の中・下流域、チリ南部。ラプラタ川下流域には、パンパと言われる草原が広がり、小麦・トウモロコシ栽培や牛の放牧が盛んです。
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