【高校地理】衣食住と消費の拡大についてまとめています。世界の人々は、それぞれの自然環境や気候、文化、歴史に応じた「衣・食・住」のスタイルを持っています。例えば、高温多湿の東南アジアでは通気性の良い薄手の衣服が選ばれ、乾燥した中東では日差しを避けるための長袖の衣服が一般的です。また、主食も地域によって異なり、アジアでは米、ヨーロッパでは小麦、アフリカではキャッサバなどが中心となっています。住居も気候や風土に適応した構造が多く見られます。
この記事では、世界各地の「衣・食・住」の特徴を詳しく解説し、地域ごとの違いをわかりやすくまとめました。地理の学習やテスト対策に役立つ内容なので、ぜひチェックしてみてください!
世界の衣食住
グローバル化により均一化が進む。
地域 | 衣(衣服の特徴) | 食(主な食文化) | 住(住居の特徴) |
---|---|---|---|
東アジア(日本・中国・韓国) | 四季に合わせた衣服(和服・漢服・韓服も文化的に残る) | 米を主食とし、魚・野菜・発酵食品が多い | 木造や鉄筋コンクリートの住宅、高温多湿に対応した構造 |
東南アジア(タイ・インドネシア・フィリピン) | 高温多湿のため、通気性の良い薄手の衣服 | 米を主食、スパイスやココナッツミルクを多用 | 高床式住居(洪水対策・風通しを良くするため) |
南アジア(インド・パキスタン・バングラデシュ) | 伝統的に綿製品が多く、サリーやクルタなどが着用される | 米・小麦を主食、カレーなどの香辛料を多く使用 | 日差しを避けるために厚い壁の住宅が多い |
中央アジア(モンゴル・カザフスタン) | 遊牧民の伝統衣装(デール・チャパン) | 肉類・乳製品が中心、羊や馬の乳を利用 | 移動式住居(ゲル・ユルト) |
中東(サウジアラビア・イラン) | イスラム文化の影響で肌を覆う衣服(アバヤ・ターバン) | 小麦を主食(ナン・ピタパン)、羊肉や香辛料を使用 | 厚い壁の家、日差しを避ける工夫(風の塔など) |
ヨーロッパ(フランス・ドイツ・イタリア) | 冬はウール素材、夏はリネンなど地域ごとに服装が変化 | 小麦を主食(パン・パスタ)、乳製品や肉が豊富 | 石造りの住宅が多く、寒冷地では暖炉を利用 |
アフリカ(エジプト・ケニア・ナイジェリア) | 薄手でゆったりした衣服、日差しを遮るカンガやガンダウラ | キャッサバやトウモロコシを主食、豆や野菜を活用 | 高温に適した土壁の家や円形の藁葺き屋根 |
北アメリカ(アメリカ・カナダ) | 季節に応じた衣服、カジュアルな服装が主流 | 小麦を主食(パン・ハンバーガー)、肉・乳製品が多い | 木造・レンガ造りの住宅、郊外型の一戸建てが多い |
南アメリカ(ブラジル・アルゼンチン) | 熱帯地域では薄手の衣服、アンデス地方ではウール製の防寒着 | トウモロコシ・米・豆を主食、肉料理が豊富 | スペイン・ポルトガル風の住宅が多く、暑さ対策が施されている |
オセアニア(オーストラリア・ニュージーランド) | 西洋式の服装が一般的 | 肉類・小麦が中心、魚介類も豊富 | 木造住宅が多く、バルコニーを活用する構 |
衣服
寒冷地型(寒さから保護)と熱暑地型(暑さから保護)。材料は、地域の気候条件などによる素材生産に依存。衣服には、暑さ・寒さや日ざしから守る役割があります。気候に応じて、さまざまな形や素材の衣服が見られます。
- 暑い地域…風通しの良い木綿や麻の布などをゆったりまとう。
- 寒い地域…保湿性の良い動物の毛皮でできた衣服や手袋などを着用する。
世界的にTシャツやジーンズが普段着として普及し、伝統的な衣装は、祭りや結婚式など特別な時のものに着る傾向が見られます。
食生活
主食は、麦(ヨーロッパ・インド)・雑穀(アフリカ大陸・アジア北部)・米(東・東南アジア)・イモ類(オセアニアの島々・南アメリカ)に分類。ヒンズー教徒の牛肉、イスラム教の豚肉は、食物禁忌(タブー)。
食物禁忌(タブー)
世界の代表的な食物禁忌
- ヒンズー教徒…牛肉。牛は神聖な動物。
- イスラム教徒…豚は不浄な動物。イスラムにのっとった方法で処理された肉(ハラール)のみを食す。
- ユダヤ教徒…ユダヤ教の決まりによって調理・浄化された肉(コーシャ)のみを食す。
住居
寒冷地系(シベリアのイズバ)、高温湿潤系(東南アジアの高床式住居)、高温乾燥系(西アジアや北アフリカ)。さまざまな住居と変化ですが、気候や生活習慣にあった材料が使われ、形も多様です。
- (例)木が豊富にある地域…木造の住居が多いです。アメリカ合衆国などでは、丸太や角材などできた家が見られます。
行動空間の拡大
交通機関の発達・大量消費の拡大。→モータリゼーションの普及でドライブスルーの店やショッピングセンター。
余暇とリゾート
欧米は日本より長期のバカンス。自然と触れ合うグリーンツーリズムが注目。リゾート開発による自然破壊が課題。
衣食住の練習問題
次の事がらに関係の深い語句を、後から選べ。
(1) アンデス山地では, 綿花や生糸の生産が困難であったため,家畜の毛を素材とした衣服を着用してきた。
(2) カナダ北部のイヌイットは,冬の間, 雪のブロックを積み上げたり,流木でつくった住居にくらしている。
(3) イスラム教の信者は, イスラムの教えに従った神聖な方法で処理・調理された食べ物を食している。
(4) アメリカの人々は, 現金よりもクレジットカードや個人の当座小切手を使って商品の購入や支払いを済ませる。
(5) 日本の伝統的な家屋は、関東地方南部や東海地方以西の地域では,柱と壁で区切られた四間取りが基本となっている。
(ア)ハラール (イ)イグルー (ウ)イズバ (エ)パオ (オ)穴居 (カ)アルパカ (キ)カリブー (ク)馬 (ケ)パーソナルチェック (コ)ドライブスルー (サ)田の字型 (シ)広間型 (ス)曲屋
衣食住の解答
(1)カ(2)イ(3)ア(4)ケ(5)サ
(3)ハラールはウルドゥー語で「由緒正しい、法にのっとった」などの意味。イスラム教徒は豚肉が食物禁忌だが、その他の肉もアッラーに祈りをささげるなど、神聖な方法で処理される。
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