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【高校倫理】マルクスの思想のポイント

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【高校倫理】マルクスの思想についてまとめています。

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マルクスとは

ドイツのマルクス(1818年から1883年没)は、エンゲルス(1820年かた1895年没)と協力して、ヘーゲルの弁証法やイギリス古典派経済学、空想的社会主義などの影響を受けながら新たな社会主義の理論体系を築き、『資本論」などを著した。マルクスの思想は、一般にマルクス主義と呼ばれる。

  • ヘーゲルの弁証法…本来は対話法や問答法を意味している。ヘーゲルはこれを、世界を矛盾や対立を契機として運動・発展するものととらえる哲学的な論理として確立した。それはものごとの理性的な発展の論理で あると同時に、それを認識する人間の理性が進む道でもある。

労働の意義

マルクスは、人間を他者との社会的関係の中で生きる類的存在としてとらえ、また人間の本質を労働であると考えた。

労働は本来、人間が自然や環境に働きかけ、生産物の中に自己を反映させ、自己の存在を確認する創造的な活動である。
人間の本質は、労働を通じて他者と連帯しながら自己を実用するところにある。

とマルクスは考えた。

労働の疎外

資本主義社会では、生産手段(土地・工場・機械など)を持たない労働者は、生産手段を有する資本家に自己の労働力を売り、賃金を得て生活する。そこでは労働力が商品となり、労働の成果である生産物は、労働者ではなく、資本家のものとなる労働から本来の創造的な喜びが奪われ、労働は共生された非人間的な活動となる。マルクスはこうした状況を、労働の疎外(疎外された労働)とよんだ。

疎外からの解放

労働の疎外の原因は、資本主義社会において生産手段の私有が認められていることにある、とマルクスは考えた。

疎外された状況から労働者を解放するには、

  • 生産手段の私有を廃止する。
  • 労働者全体の共有とする社会主義社会の建設する

とマルクスは主張した。

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マルクスの唯物論

マルクスは、ヘーゲルの強い影響を受け、世界の歴史を弁証法的に発展するものとしてとらえた。しかし、世界の歴史を世界精神の自己展開と見たペーケルの観念論は否定し、精神的な力てはなく物質的な要因が歴史を動かしていると見る唯物論の立場をとった。

生産力

マルクスは、世界の歴史の原動力を、生産力の発展であると考えと生産力は、労働力と生産手段から生み出される。生産力は増大・発展していく傾向を持ち、それに見合う生産関係が歴史的に形成されてきたという。

生産関係と生産様式

生産関係とは、生産のために結ばれる一定の社会的関係で、生産手段を誰が所有するかという所有関係がその基礎となる。たとえば中世の封建制では、土地などの生産手段を持つ領主が、生産手段を持たない農奴を使って生産を行う生産関係が結ばれた。

下部構造と上部構造

このような生産様式を経済的な土台(下部構造)として、各時代に固有な政治・宗教・道徳などの意識形態(イデオロギー)とそれに対応する組織や制度(上部構造)がつくられる。マルクスは、「人間の意識がその存在を規定するのではなく、逆に人間の社会的存在がその意識を規定する」と述べた(経済学批判序言)。

生産力と生産関係との矛盾

生産力は、科学技術の発達などによって絶えず増大する傾向にある。しかし、生産関係は一度社会制度として確立されると、生産手段の所有者である支配階級が現状維持をはかるため、固定化する傾向にある。そのため、一定以上の生産力発展は固定化された生産関係に抑えつけられ、生産力と生産関係との間に矛盾が生じる。

階級闘争

この矛盾は、支配階級(生産手段の所有者)と、非支配階級(生産手段を持たず、労働の成果を搾取される人々)との階級闘争となってあらわれる。階級闘争はやがて社会革命に発展し、その結果、生産手段の所有関係が変更され、発展した生産力にふさわしい新たな生産関係が打ち立てられる。

唯物史観

マルクスの歴史観は、物質的な生産力とそれに対応した生産関係に基礎を置いた。生産力と生産関係の矛盾を歴史的発展の原動力とみなし、あらゆる社会の歴史を階級闘争の歴史としてとらえた。こうした歴史観を、唯物史観(史的唯物論)という。

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