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【大学入試小論文】バーチャルウォーターを指標とする利点の解答例

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【大学入試小論文】バーチャルウォーターを指標とする利点の解答例

【問題】
バーチャルウォーターを指標として潜在的な水の利用量を考えることの利点について,あなたの考えを800字程度で述べなさい。

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バーチャルウォーターを指標とする利点の解答例

バーチャルウォーターを指標として潜在的な水の利用量を考えることの利点は次の2つが挙げられる。

1つ目は国の実質的な水の消費量や環境に与える影響の程度が明確に表される点である。例えば文章にもあるように、日本は直接的な水の消費量は他国と比べ少ないが、生産に多くの水を費やす食料を輸入しているため、実質的な水の消費量が多い。しかし、実際に水の大量消費の責任を負っているのは、それらの作物を栽培し、輸出している国である。それらの国が使用する水量を減らすためには育てる食料の量を減らすことが最も効果的である。それを実現するためには日本などのバーチャルウォーターの消費量が多い食品輸入国の食品輸入量を減らさなければならない。

2つ目は環境保護のために食品輸入国が輸入する作物を選択しやすくなる点である。バーチャルウォーターを指標にすることで、食物を育てるのに必要な水の量が明確に表されるため、育てるのに多くの水を必要とするものの輸入量を減らすことができる。例えば、1kgのとうもろこしを生産するのに1800Lの水が必要だが、牛肉1kgを生産するにはその約2万倍必要である。そのため食品輸入国は、牛肉の輸入量を減らし、減らした量を補う形で消費する水の量の少ない作物を輸入することで、総合的な水の消費量の減少に貢献することができる。

では、実際にバーチャルウォーターの輸入量を減らすために日本に住む私たちができることは何か。まず、輸入食品の購入を控え、地産地消を推進することだ。そして、飼育時に水を多く消費する家畜の肉を極力消費しないようにすることだ。確かに家畜の肉を食べないことでタンパク質不足に陥る可能性はあるが、それは大豆などの植物性タンパク質を摂取することで解決できるだろう。

これらから、バーチャルウォーターを指標にすることは国家や私たちの環境保全に対する意識を高める利点がある。

バーチャルウォーターを指標とする利点の講評(抜粋)

及第点です。題意に沿ってありますし、構成も基本通りで読みやすいです。

より高みを目指すために
(1)もう少し具体的な数値やケーススタディを交えて論文を補強することで、提案されたアプローチの具体的な効果や実現可能性に対してより説得力がますでしょう。
(2)提案された行動の実現可能性や現実的な課題についても考察を深めると良いでしょう

(原文)例えば、1kgのとうもろこしを生産するのに1800Lの水が必要だが、牛肉1kgを生産するにはその約2万倍必要である。

(対策例)1人ひとりが、牛肉を1ヶ月食べる代わりに、同じ期間に大豆製品を摂取することで、1人当たり約2500Lの水を節約できる。
→一人ひとりの心がけ次第なので、実現可能性は高いと思われる。

水を巡る現状

➊今後さらに人口爆発や干ばつなどで、水不足に陥る国は拡大されるとされる。このことから、「水戦争」が起こる懸念が高まっています。水不足に陥った国が、水を得るために戦争を仕掛けるってことですね。実際、戦争は歴史上200回以上起きています。

➋現在、世界保健機関(WHO)によれば、7億8000万人以上の人々がきれいな水を手に入れられずにいます。そして、水不足によって300万人を超える人々が毎年死亡しています。

バーチャルウォーターの新たな視点

➊水は資源であり、商品であるという感覚です。日本は、安価で安全な水道水を飲むことができますが、諸外国では様相が変わります。豊富になく、安全に飲めない国が多数です。安全な水道水が飲めるのは20カ国以下です。(ただし、水道代は高い国)。バーチャルウォーターを指標化(商品化)し、使用料を設定する方法も。

➋無意識な搾取。論文では、記述されていませんでしたが、作物や家畜を育てる際に使用する水以外に、生産あるいは加工に必要な分もあります。日本国内の水を使用しないで済んでいるということになります。日本は、無意識に、水という資源を搾取しているということですね。

日本が自国で、作物や家畜、生産あるいは加工を行った場合、水不足に陥るという指標もあります。また、国を跨いだ運送の必要性がなくなることから、温室効果ガスの排出が減り地球にも優しい。水を使われている国自体が、水不足だったりするので、そんな国の水不足も緩和されるでしょう。

【一般論】バーチャルウォーターを指標とする利点

(1)水資源管理の向上:バーチャルウォーターの概念を採用することで、製品の生産において使用される水の量に対する意識が高まり、水資源の持続可能な管理が促進されます。これにより、地域の水不足の問題への対策が進む可能性があります。

(2)サプライチェーンの透明性:バーチャルウォーターを考慮することで、製品のサプライチェーン全体での水の使用量が透明になります。企業や消費者は、製品がどれだけの水を使用しているかを知り、それに基づいて環境に配慮した製品を選択することができます。

(3)持続可能な消費の促進:バーチャルウォーターの概念は、持続可能な消費を奨励する要因となります。水の使用量が少ない製品やサービスが選ばれることで、水資源の節約や環境への負荷の軽減が期待されます。

(4)地域間の水利用の最適化:バーチャルウォーターの観点から、水の使用量が多い生産プロセスが特定され、それに基づいて地域間での水の利用が最適化される可能性があります。これにより、水の需要と供給を調整し、持続可能な水管理が進むでしょう。

(5)企業のリスク管理:バーチャルウォーターの考慮は、企業にとって水リスクの評価と管理を可能にします。水の使用量が適切でない場合、企業は水不足の影響を受けやすくなります。バーチャルウォーターの計測は、将来的な水リスクを把握し、適切な対策を講じる手助けとなります。

これらの利点からもわかるように、バーチャルウォーターは持続可能な水管理や環境に対する配慮を促進し、企業や個人がより責任ある選択をする手助けとなる重要な指標です。

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